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参考資料1-1_長時間労働医師への健康確保措置に関するマニュアル(改訂版) (149 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35532.html
出典情報 医師の働き方改革の推進に関する検討会(第18回 10/12)《厚生労働省》
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初版のマニュアル作成委員よりメッセージ
この度、
「長時間労働医師の健康確保に関するマニュアル(第 2 版)」が作成された。第 2 版では、職域
における多くの情報が網羅的にまとめられている。その情報に加えて、初版マニュアルではその「特
徴」としていた以下の3項目をここで再度確認しておきたい。
1.面接対象医師、面接指導医師、管理者、全てが医師であること
2.自身の健康(眠気、疲労等)への気づきの重要性
3.医師のプロフェッショナリズムへの言及
医師の時間外・休日労働の上限規制においては、診療に従事する医師は原則として年 960 時間までの
時間外・休日労働に従事可能で、さらに連携B水準・B水準・C水準が適用される場合には、年 1,860
時間まで従事することが可能である。一般の労働者では、その時間外労働の年上限が 720 時間であるこ
とと比較すると、大幅に長時間勤務が認められている。この上限時間のギャップを埋めることができる
のは、長時間労働医師への面接指導において、面接指導対象医師、面接指導実施医師、そして、管理者
(病院長を想定)の全てが「医師であること」である。つまり、一般人とは異なり、面接指導の対象と
なる労働者自身に十分な医学的知識があり「長時間労働が健康に及ぼす影響」について、他の医師にも
指導できる知識・経験を有していることが期待されている。
しかし、
「医者の不養生」と言われるように、医師は自身の眠気や疲労等に気付いていない可能性が
ある。そこで、面接指導の現場が、面接指導対象医師の「自身の健康(眠気、疲労等)への気づき」を
促し、できれば、その「気づき能力を涵養」する場となることを期待する。その意味では、初版でも第
2版でも、
「客観的な(眠気あるいは疲労の)評価」について言及し、かつ、強調している。
上述の「自身の健康への気づき」は、近年の医学教育でも強調されているプロフェッショナリズムと
も関連している。医師の仕事(主に診療)は、社会的な規範の上に成り立ち、プロフェッショナリズム
の語源の profess には社会に対し宣言するという意味がある。医師は「国、社会を支える profession」
である。これが尊敬される職業の一つに数えられる理由の一つだと考えられる。このプロフェッショナ
リズムをもって、
「医師の働き方改革」が、自身の健康とキャリアを考える機会になれば幸いである。

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