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参考資料1-1_長時間労働医師への健康確保措置に関するマニュアル(改訂版) (52 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35532.html
出典情報 医師の働き方改革の推進に関する検討会(第18回 10/12)《厚生労働省》
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慢性睡眠負債による主観的眠気と客観的覚醒度低下は乖離することを示した研
究(Van Dongen et al., 2003)
 慢性の睡眠不足では、主観的な眠気と客観的な疲労・覚醒度低下は乖離
することが示されている
 主観的な眠気の問診では検出できない慢性睡眠不足の程度を、PVT を用
いて客観的に検出可能である
 図 2-8「慢性睡眠不足の影響(2)」では、3日間の断眠状態で主観的
眠気は日毎に悪化する(図 2-8 左 0時間睡眠)
 一方、睡眠不足状態(4時間/日、6時間/日)を継続すると、主観的
眠気は日毎に悪化するが、4時間睡眠を5-7日間続けると 1 日断眠し
た時と同程度の眠気でプラトーに達する(図 2-8 左、薄いグレーの部
分)
 すなわち、被験者は睡眠不足の悪化を主観的にほとんど認識していない
 一方、同様に睡眠不足状態を継続した際の PVT の反応遅延回数は日毎に
悪化し、4時間睡眠を一週間程度続けると 1 日断眠した程度に達し(次
右図、薄いグレーの部分)、1~2週間続けると2日間程度断眠した程
度(次右図、濃いグレーの部分)、そして、4時間睡眠を2週間続ける
と3日間断眠した場合と同程度に達する。6時間睡眠でも1週間以上続






けるとは1日断眠した程度に達する(次右図、薄いグレーの部分)、さ
らに、主観的眠気とは異なり、その後も継続的に悪化し、2週間で2日
間断眠した程度に近づき、プラトーに達しないことが示された
本研究より、長時間労働医師の慢性睡眠不足の程度の評価に PVT が役立つこと
が示唆された
慢性睡眠不足を強いられている長時間労働医師においては、強い疲労度を感じ
つつも医師としての強い使命感・責任感により勤務を継続しつつ、眠気を感じ
ない、すなわち、主観的眠気を生理学的に認識しづらい状況に至り、過重労働
を継続している事に注意が必要である
したがって、客観的な慢性睡眠不足の評価を簡便に自己チェック可能な体制を
整えることが必要と考えられる

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