提案書09(1601頁~1801頁)医療技術評価・再評価提案書 (104 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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プレーンテキスト
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手術部位感染とは
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提案する医療技術詳細と有効性
手術部位感染(Surgical Site
Infection: 以下SSI)は手術操作
が及んだ部位に発生する感染と定義
され、発生した部位により右図のよう
に分類される。
表層切開創と深部切開創で発生し
たSSIを合わせて創部SSIという。
• 『消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018』
に掲載されているSSI対策のうち、エビデンスの質がAまたはB、推
奨度が2a以上のSSI対策を一塊にしたSSIケアバンドルを実施。
Evidence
level
推奨度
術中保温
B
2a
対象RCT 2報のメタ解析 RR 0.37(95%CI 0.200.66)と有意にSSIリスクを抑制
ダブルリング創縁保
護具の使用
A
2a
対象RCT 8報のメタ解析 RR 0.60 (95%CI 0.380.93)と有意にSSIリスクを抑制
抗菌縫合糸の使用
B
2a
対象 RCT10報のメタ解析 RR 0.68 (95%CI 0.480.95)と有意にSSIリスクを抑制
技術の概要
•
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SSI予防にとって有用であることがエビデンスとして示されている対
策を複数組み合わせたSSIケアバンドルを実施。術後SSI発生
率の低減を目指す。
特にSSI予防対策の介入による効果が高いとされる創部SSI予
防を対象とする。
対象手術と臨床上の課題
•
食道、肝胆膵、虫垂切除術、腹膜炎手術、大腸手術
┗ 6.4%の高い創部SSIが発生しており、患者の身体的苦
痛、入院延長による病院の経済的負担、医療従事者の負
担の観点で大きな課題となっている。
┗第6回NDBオープンデータによると、対象手術数は
246,566件程度と考えられる。
消化器外科系
手術全体
6.4%
2.8%
創部SSI発生率
診療報酬上の取り扱い
SSIケアバンドルの効果
• 区分:
K(手術)
• 希望点数: 700点
• 大腸手術におけるバンドルケア(ダブルリング創縁
保護具、トリクロサンコーティング縫合糸による腹
壁縫合等)によるSSI予防対策の研究ではSSI
発生率が20%から10%(P ≤ 0.0001)に有意
に減少。
使用する医療機器
ガイドラインで参照された研究に使用されている
製品
JANIS SSI部門2019年 年報より
現在の治療との比較
• SSI発生率の低減、医療費の抑制に寄与することが期待できる。
• 具体的には創部SSIが6.4%から3.2%に半減でき、在院日数
短縮と医療コスト削減が期待される。
加温ブランケット
抗菌縫合糸
ダブルリング創縁保護
器具1704
※イメージ
H F Dean et al. J Hosp Infect. 2020
Jun;105(2):156-161