提案書09(1601頁~1801頁)医療技術評価・再評価提案書 (158 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
胸腔鏡下での気管支形成術は開胸手術と比較して難易度の高い手術手技であり、将来的には、日本呼吸器外科学会において認
定制度が発足した「胸腔鏡安全技術認定制度」の胸腔鏡安全技術認定医の資格を有する認定医や、それと同等の能力を有する
医師が執刀することが望ましいと考えられる。
1) 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるものまたは区域切除で内視鏡手術用支援機器を用いる場合)を術
者として50例以上実施した経験を有する常勤の医師が1名以上配置されていること。
2) 当該保険医療機関で肺悪性腫瘍に係る手術を年間50例以上施行しており、そのうち胸腔鏡下手術を年間20件以上、実施し
施設の要件
ていること。
(標榜科、手術件数、検査や手術の体制 3) 呼吸器外科及び麻酔科を標榜している保険医療機関であること。
等)
4) 5年以上の呼吸器外科の経験及び専門的知識を有する医師が2名以上配置されており、そのうち1名は10年以上の呼吸器外
科の経験を有していること。
5) 緊急手術が実施可能な体制が整備されていること。
人的配置の要件
1)呼吸器外科医、麻酔科医、看護師、臨床工学技士が連携して円滑に手術を実施できる体制を取っていること。
(医師、看護師等の職種や人数、専門性 2)手術執刀医は呼吸器外科専門医を取得していること。
や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の要 特になし
件)
⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
pT2 の腫瘍を有する患者の場合、胸腔鏡群の主要な合併症の発生率は、開胸群よりも有意に低かった (7.6% 対 20.6%、p =
0.042) (参考文献5)。胸腔鏡手術と開胸手術とを比較した結果、2つのグループ間で、術中出血量、術後合併症発生率、周
術期死亡率や長期予後に有意差は認められなかった(参考文献3,参考文献4,参考文献5)。
⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
胸腔鏡手術による肺全摘術は開胸手術と比較すると高難易度の手術技術であると考えられるため、胸腔鏡手術に習熟した技術
を有する専門医が十分なインフォームドコンセントを実施したうえで施行するべきと考えられる。
K
妥当と思われる診療報酬の区分
点数(1点10円)
⑩希望する診療
報酬上の取扱い
その根拠
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)
区分
区分をリストから選択
特になし
番号
技術名
具体的な内容
プラスマイナス
予想影響額(円)
予想影響額
95,000
(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):817,940円
外保連試案2022掲載ページ:2024収載予定
外保連試案ID(連番):S94-0190710
技術度:D 医師(術者含む):3名 看護師:2名
所要時間(分):240分
------------------------------------------------------------------(ここまで)
外保連試案では(人件費+償還できない材料等):817,940円 となっておりますが、これは2022年に実施した実態調査におい
て胸腔鏡下肺全摘術に習熟した施設の合計12件の手術を調査集計した結果となります。「肺全摘術」は腫瘍の局所浸潤がひど
く目立つ症例、リンパ節転移が目立つ症例など、状況が困難な症例に対して行われる術式であり、胸腔鏡で実施する場合は難
易度がさらに高い手技となります。K514 肺悪性腫瘍手術では「3 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの」と「4 肺全摘術」は共
に72,640点となっておりますが、K511肺切除術では「3 肺葉切除:58,350点」「5 1側肺全摘:59,830点」と肺葉切除術より
も肺全摘術が高い点数となっております。
また肺全摘術も開胸手術から胸腔鏡手術に移行することで、より患者侵襲が少なくなるため入院日数の減少が予想され、1件
あたり3万円を超える入院費の削減が期待されます。肺悪性腫瘍手術の胸腔鏡手術においても難易度の高い手術となる「肺全
摘術」について「K514-2 3 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの:92,000点」よりも高い点数をお認
め頂きたいと存じます。
その根拠
減(-)
115,000円
保険診療が認められることで胸腔鏡での手術件数が1年間で50件に増加すると予想
1. 1件あたりの手術費用の差額 950,000-920,000=30,000円
当該技術導入後の手術医療費:30,000×50(件)=1,500,000円/年 増額
2. 1日あたり入院費 DPCⅡの期間(32,300円)が1日減ると予想され、32,300円×50人=1,615,000円/年
1と2の差額 1,615,000円-1,500,000= 115,000円/年の減額
減額
備考
⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
胸腔鏡手術システム
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況
2)調べたが収載を確認できない
1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。
※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等
⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い
d. 届出はしていない
⑭その他
特になし
⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
特になし
1)名称
⑯参考文献1
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要
Thoracic and cardiovascular surgeries in Japan during 2017
Thoracic Surgery
Annual report by The Japanese Association for
Committee for Scientific Affairs, The Japanese Association for Thoracic Surgery
General Thoracic and Cardiovascular Surgery (2020)
日本胸部外科学会学術調査結果によると、2017年には 44,563件の肺原発悪性腫瘍手術が施行されており、胸腔鏡手術は
32,206件(約72.3%)であった。肺全摘術は403件(肺悪性腫瘍手術全体の1.1%)、そのうち胸腔鏡下に施行された症例は33
件(肺全摘術のうち約8%)であった。
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