提案書09(1601頁~1801頁)医療技術評価・再評価提案書 (198 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
見直し前の症例数(人)
33人
見直し後の症例数(人)
39人
見直し前の回数(回)
66回
見直し後の回数(回)
78回
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
厚生労働省難治性疾患克服研究事業『難治性希少疾患(肺胞蛋白症、先天性間質性肺疾患、オスラー病)』に関する調査研究、平成24年度、総
括・分担研究報告書:本邦における自己免疫性肺胞蛋白症に対する全肺洗浄に関する第二次アンケート調査によると、全国211施設へのアンケー
ト調査では、2009年に13例であったと記載されている。Kitamura N, et al. Incidence of autoimmune pulmonary alveolar proteinosis
estimated using Poisson distribution. ERJ Open Res 2019.によると、自己免疫性肺胞蛋白症の全国での新規罹患率は、2009年0.4人/100万
人、2016年0.8人/100万人で正規性を示す増加をしているとのことで、計算すると2023年の罹患率は1.2人/100万人程度となる。よって、2023年の
症例数は13人×3倍として39人と試算した。肺は左右あるため、全肺洗浄の回数は39人×2=78回と算出した。
全肺洗浄は1963年にRamirezらにより報告されて以来改良を重ねられてきた。施設間での手法の違いはあるものの、現在では有効性と安全性は確
立し、世界的に肺胞蛋白症に対する標準的治療法として認識され成熟度は高い。前述のとおり、肺胞蛋白症診療ガイドライン2022では治療として
行うことを提案するとしている。現在、肺胞蛋白症に対して唯一の保険診療で施行可能な治療法であり標準的治療である。希少疾患における侵襲
的手技であり、経験豊富な施設は少なく専門性は高い。前述の通り、呼吸不全の症例の片肺に生理食塩水を注入して行う手技であり難易度は高
い。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 呼吸器内科又は呼吸器外科を標榜している。麻酔科を標榜している。緊急事態時にECMO装着可能であること。術後全身管理可能であること。
制等)
主たる実施医師は、当該技術を10件以上経験した呼吸器科の医師であることが望ましい。最低でも呼吸器内科医2名、麻酔科医1名、臨床工学士1
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 名、看護師2名の人的配置を要する。他、注入液の攪拌のためバイブレーションもしくはタッピングを行うが、用手的に行う場合には更に数名必
要である。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 肺胞蛋白症診療ガイドライン2022を遵守。
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
主要な論文4報での検討では、全肺洗浄術に関連した合併症発生率の報告は18%から87.5%とばらつきがあったが、一過性の発熱および低酸素血
症が主であり、重篤な合併症は低頻度であった。死亡例も計3例認めたが、1例はMDSを基礎としたsPAPで、2例は重症例であった。これらのことよ
り、WLLは侵襲性の高い手技であるが、効果的でかつ基本的には安全に施行できるものであると思われる。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
問題なし。
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
その根拠
5,300
20,793
外保連試案より20,793点が妥当であると判断した。
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
特になし
区分をリストから選択
番号
技術名
特になし
特になし
具体的な内容
特になし
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
12,084,540
その根拠
年間医療費=妥当と思われる診療報酬点数(20,793点)×10円/点×予測年間施行回数(78回)=16,218,540(円)
備考
16,218,540-5,300×10×78=12,084,540
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
特になし
⑫その他
特になし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
日本麻酔科学会
⑭参考文献1
⑭参考文献2
外保連共同提案学会:なし
1)名称
肺胞蛋白症診療ガイドライン2022
2)著者
日本呼吸器学会肺胞蛋白症診療ガイドライン2022作成委員会編集
3)雑誌名、年、月、号、ページ
CQ9, 2022年6月, p24-25
4)概要
2023年2月にMindsガイドラインライブラリに掲載・公開されたガイドラインである。「肺胞蛋白症(PAP)の治療のために全肺洗浄(法)(WLL)を行
うべきですか?」とするクリニカルクエッションに「PAPの治療においてWLLは有効であり、行うことを提案する.」とステートメントしている。
1)名称
自己免疫性肺胞蛋白症に対する片側全肺洗浄法に関するワークショップサマリー
2)著者
一和多俊男、内田寛治、石田学、赤坂圭一、新井徹、大河内眞也、富井啓介、山口悦郎、井上義一、中田光
3)雑誌名、年、月、号、ページ
日呼吸誌.2021;10:2-9
4)概要
全肺洗浄術を安全かつ効果的に実行するには経験が重要で、呼吸器内科医師、麻酔科医師、看護師および理学療法士などの学際的なチームアプ
ローチが大切であるとしている。
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