提案書09(1601頁~1801頁)医療技術評価・再評価提案書 (142 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
320202
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
股関節唇縫合術(関節鏡下)における関節鏡下骨軟骨形成加算
日本股関節学会
30整形外科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
36リハビリテーション科
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
リストから選択
提案当時の医療技術名
無
追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
K
080-6
1-A
算定要件の見直し(適応)
該当する場合、リストから○を選択
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
該当する場合、リストから○を選択
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
該当する場合、リストから○を選択
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
その他」を選んだ場合、右欄に記載
○
加算点数の新規算定
股関節唇損傷における重要な原因の一つとして大腿骨頭頸部移行部のcam変形が挙げられる。Cam変形が残存している状況で関節唇縫合を施行して
も将来的に関節症変化が進行することが明らかになっており、成績不良や再手術の原因とされている。そのため、cam変形を合併している股関節
唇損傷においては関節唇縫合術に加え、関節鏡下にcam切除(骨軟骨形成)を加えることが望ましい。
文字数: 182
再評価が必要な理由
これまで股関節鏡下関節唇縫合術においてcam変形などに対する骨軟骨形成を加える必要がある場合には、当該技術を有する術者が加算点数など
なしに追加処置を加えていたのが現状である。追加処置にはアブレーダーバーなど償還できない医療機器の使用が必須となる上、追加の手術時間
と術中透視のための追加の人員が必要となるにも関わらず、追加の診療報酬加算が得られない状況であった。Cam変形などの骨形態異常に対する
骨軟骨形成の必要性は明らかな医学上のエビデンス(※)(参考文献1-5)が存在し、関節唇縫合術単独に比し明らかに技術難易度は高く、診療
報酬加算が得られるべき医療技術と考えられ再評価を要望する。追加のエビデンスには※を付記
【評価項目】
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):884,815円
外保連試案2022掲載ページ:86-87
外保連試案ID(連番):S83-0076010
技術度:D 医師(術者含む):3 看護師:2 その他:0 所要時間(分):210
------------------------------------------------------------------(ここまで)
変形性股関節症診療ガイドライン(2016)では、FAIに対する手術療法は、断裂した関節唇に対して関節唇デブリドマンあるいは関節唇縫合およ
びCam変形に対するCam切除(骨軟骨形成術)を行うことが有用であると示されている(GradeC)(参考文献1)。
Cam変形を有するFAI症例に対しての股関節鏡視下手術では、関節唇縫合に加えて適切なCam切除(骨軟骨形成)を行う方が、関節唇縫合のみ行う場
合よりも良好な臨床成績であることが報告されている(参考文献1)。
また、Cam変形は将来の変形性股関節症の危険因子であり、特に大きなCam変形はより強い危険因子であることが示されている(参考文献1)。
FAIに対して適切なCam切除を行った群と不十分なCam切除を行った群(削り残しがある群)を比較した前向きコホート研究では、適切なCam切除を
行った群が優位にその股関節の生存率(人工股関節置換術を避けられる率)が高かったと報告されている(参考文献2)。この研究から、Cam変形を有
するFAI症例に対しては、関節唇縫合のみならず、適切なCam切除を行うことでTHAを回避し関節を温存することに繋がる可能性を示している。関
節温存に伴い、スポーツ活動など高い活動性を伴うQOLを生涯にわたって維持することに繋がり、健康寿命の増進という観点においても我が国の
超高齢化社会においては重要な意義を有する。
医療経済面でも、1例あたり約80万円程度の人工股関節インプラントが不要になる点であったり、人工関節の耐久年数は20年程度といわれいるの
で、若年者にTHAを行った場合の将来的なTHA再置換術が不要になる点などでも、医療経済的効果については期待できる。
さらには、股関節唇縫合に加えて、Cam切除を追加で行うことは股関節鏡の再手術率を下げることも期待される。股関節鏡視下手術の再手術率は
5-14%といわれており、その再手術を行った原因の1位は、初回手術でのCam切除が不十分であったことが報告されている(参考文献3)。FAI症例に
対して股関節鏡視下関節唇縫合に加えてCam切除(骨軟骨形成)を行う群と、Cam切除を行わない群(関節唇縫合のみ)を比較した多施設RCTでは、術
後2年以内の再手術率が有意に低かったことが示された(参考文献4)。
股関節鏡視下手術の技術難易度と重要性、将来の人工股関節や再手術と比較したコスト面での優位性など考慮し、加算点数の追加が妥当であると
考える。
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