提案書09(1601頁~1801頁)医療技術評価・再評価提案書 (197 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
322202
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
全肺洗浄術
日本呼吸器内視鏡学会
02呼吸器内科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
31麻酔科
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
令和4年度
提案当時の医療技術名
気管支肺胞洗浄術
追加のエビデンスの有無
有
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
K
509-2
1-A
算定要件の見直し(適応)
該当する場合、リストから○を選択
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
○
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
該当する場合、リストから○を選択
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
その他」を選んだ場合、右欄に記載
○
医療技術の名称変更
肺胞蛋白症における気管支肺胞洗浄術は一般的に全肺洗浄術と呼ばれる。これは、全身麻酔下に左右分離用2腔気管チューブを挿管し、片側肺を
人工呼吸器で換気をして、対側肺に生理食塩水を注入し、肺胞に過剰に蓄積したサーファクタント由来物質を物理的に洗い流す治療手技である。
1回800ml程度の生理食塩水の注入と排出を繰り返し、計25サイクル程度、計30L程度の生理食塩水で片側肺全体を洗浄する。
文字数: 192
再評価が必要な理由
全肺洗浄術を安全でかつ成功させるためには、高い専門性を有する呼吸器科医、麻酔科医、看護師および臨床工学技士などの経験豊富なチームで
取り組むことが肝要である。施術には長時間かかるが、外保連試案では207,930円に対して、現行53,000円と大きな乖離がある。全肺洗浄術は全
身麻酔下にいわば人工的な溺水を作ることにより治療を行う手技であり、潜在的な危険性は高く、重症例ではECMO(体外式膜型人工肺装置)を併用
することもある。このように、技術的な難易度は高く施行可能な施設は限られており、増点が妥当であると考える。※ 2022年に新たに、日本呼
吸器学会より発刊された肺胞蛋白症診療ガイドライン2022では 「肺胞蛋白症(PAP)の治療のために全肺洗浄(法)(WLL)を行うべきですか?。(p24
CQ9)」とするCQに対し「PAPの治療においてWLLは有効であり、行うことを提案する。」とされている。更に海外からの2022年の報告では、自己免
疫性PAPの治療においてWLLが第一選択肢であると明記されている(参考文献5)。このようにWLLはPAPの治療において不可欠な選択肢であり、人件
費および技術的な難易度に見合う増点が必要だと考える。また、これまでの名称「気管支肺胞洗浄」は、50ml程度の生理食塩水を3-4回注入し
て、気管支肺胞洗浄液を回収する検査手法を指すことが一般的であるため、診療報酬申請においても誤解されることが多い。よって、本治療を
「全肺洗浄術」への名称変更が妥当と考えた。
【評価項目】
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項
(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):207,930円
外保連試案2022掲載ページ:186-187
外保連試案ID(連番):S93-0186670
技術度:C 医師(術者含む):2 看護師:2 その他:1 所要時間(分):120
------------------------------------------------------------------(ここまで)
・肺胞蛋白症
・全身麻酔下に左右分離用2腔気管チューブを挿管し、片側肺を人工呼吸器で換気をして、対側肺に生理食塩水を注入し、肺胞に過剰に蓄積した
サーファクタント由来物質を物理的に洗い流す治療手技である。約30Lの生理食塩水を用い洗浄する。
・診断目的に気管支鏡を用い約150mlの生理食塩水で気道を洗浄する、気管支肺胞洗浄(Bronchoalveolar lavage:BAL)とは異なる。
K
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
509-2
医療技術名
気管支肺胞洗浄術
メタアナライシスが報告されている(Seymour et al. Pulmonary alveolar proteinosis: progress in the first 44 years.Am J Respir Crit
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 Care Med.2002;166:215–235)。これによると、全肺洗浄術を受けた肺胞蛋白症146例の5年生存率は94±2%で、WLLを受けなかった85例では85±
後等のアウトカム
5%であって、全肺洗浄による有意な生存率の改善が示唆されている(P=0.04)。
③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ
日本呼吸器学会より2022年に発刊された肺胞蛋白症診療ガイドライン2022では 「肺胞蛋白
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 症(PAP)の治療のために全肺洗浄(法)(WLL)を行うべきか?(p24 CQ9)」とするクリニカル
る。)
クエスチョンが設定されており、ステートメントは、「PAPの治療においてWLLは有効であ
り、行うことを提案する。」としている。
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