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提案書09(1601頁~1801頁)医療技術評価・再評価提案書 (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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K939-9

切開創局所陰圧閉鎖処置機器加算

手術部位感染とは


臨床上の課題

手術操作を直接加えた部位に発生する感染症であり、
JANISサーベイランス上の定義は術後30日以内(イン
プラントがある場合には術後1年以内)に発生したものと
なっている。1)



医療技術の概要


手術部位感染(Surgical Site Infection: SSI)によるリスクの高い患者の縫合創に対して
閉鎖環境を維持し、管理された陰圧を付加し滲出液を除去することで、SSI リスクを軽減するこ
とを目的とする。適応に関しては、関連諸学会の協力のもと日本外科感染症学会が作成した、
「切開創SSI に対するNPWT 機器の適正使用にかかる提言」を参照の上、推奨適応等に従
うこと。2)

対象患者








本邦の術後SSIの全体発生率は、4.2%と報告されている。また、SSI発症により創治癒遅延、
機能障害、再手術、入院期間の延長等が発生する。また、SSI発生に伴い派生疾患の羅患
率及び死亡率が上昇し、患者の身体的負担のみならず医療経済的にも影響を及ぼすことが確
認されている。
K939-9切開創局所陰圧閉鎖処置機器加算の適応患者は(1)術後縫合創に使用した場
合(2)区分番号「A301」 特定集中治療室管理料、区分番号「A301-3」 脳卒中ケアユ
ニット入院医療管理料、区分番号「A301-4」 小児特定集中治療室管理料、区分番号
「A302」 新生児特定集中治療室管理料又は区分番号「A303」 総合周産期特定集中治
療室管理料を算定する患者であって、次に掲げる患者に対して使用した場合。(ア)BMI
が 30 以上の肥満症の患者 (イ)糖尿病患者のうち、ヘモグロビンA1c(HbA1c)
がJDS値で 6.6%以上(NG SP値で 7.0%以上)の者 (ウ)ステロイド療法を受け
ている患者 (エ)慢性維持透析患者 (オ)免疫不全状態にある患者 (カ)低栄養状
態にある患者 (キ)創傷治癒遅延をもたらす皮膚疾患又は皮膚の血流障害を有する患者
(ク)手術の既往がある者に対して、同一部位に再手術を行う患者。

創部SSI発生率3)

創部SSI発生率

適応拡大

現状の保険算定対象となっている区分番号「A301」 特定集中治療室管理料(通知)では、その
対象患者として『(1) 特定集中治療室管理料の算定対象となる患者は、次に掲げる状態にあっ
て、医師が特定集中治療室管理が必要であると認めた者であること。ア 意識障害又は昏睡 イ 急
性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪 ウ 急性心不全(心筋梗塞を含む。) エ 急性薬
物中毒 オ ショック カ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等) キ 広範囲熱傷
ク 大手術後 ケ 救急蘇生後 コ その他外傷、破傷風等で重篤な状態』としている。
一方、本要望で希望している、区分番号「A300」 救命救急入院料の診療報酬算定上の対象患
者は(通知)では『(1) 救命救急入院料の算定対象となる重篤な救急患者とは、次に掲げる
状態にあって、医師が救命救急入院が必要であると認めた者であること。ア 意識障害又は昏睡 イ
急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪 ウ 急性心不全(心筋梗塞を含む。)エ 急性薬
物中毒 オ ショック カ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)キ 広範囲熱傷 ク
大手術を必要とする状態 ケ 救急蘇生後 コ その他外傷、破傷風等で重篤な状態』となっている。
「A301」「A300」ともに対象となる患者は入室経路に違いはあれど、同じ条件であり、本要望におけ
る切開創局所陰圧閉鎖処置機器加算の算定対象となる管理要件に区分番号「A300」救命救急
入院料を追加するは妥当と判断する。

使用する医療機器



単回使用陰圧創傷治療システム

SSI発生リスクの高い患者の
術後縫合創に対して単回使
用陰圧創傷治療システムを用
いて持続的な陰圧を負荷しな
がら閉鎖環境を維持することで、
早期に創部の圧着を促す。同
時に滲出液等を除去すること
で皮膚の浸軟を低減し、創面
を清潔に保ちつつ、密閉環境
によって外部からの汚染を保護
することで、SSI感染を予防し
重篤化を防ぐ。

メーカー提供資料より抜粋

消化器外科系

心臓血管外科系

全体発生率

7.2%

1.7%

4.2%

1614

1)
2)
3)

厚生労働省委託 令和4年度院内感染対策講習会 講習会①資料より抜粋
関連医療機器添付文章【使用目的又は効果】より抜粋
JANIS SSI部門2021年 年報より