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令和6年度税制改正大綱 (15 ページ)

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出典情報 令和6年度税制改正大綱(12/14)《自由民主党、公明党》
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い。わが国が、「コストカット型経済」から転換しデフレを完全に脱却するに
は、企業が収益を現預金等として保有し続けるのではなく、賃金の引上げや前
向きな投資、人への投資に積極的に振り向けるなど、供給サイドの構造改革を
進め、企業のチャレンジと改革を大胆に後押ししていく必要がある。
一方で、物価高等により家計の負担は増えている。賃金、物価等の状況を勘
案し、必要があると認めるときは所要の家計支援の措置を検討するものの、持
続的な賃上げにより家計の可処分所得を増やしていかない限り、デフレからの
完全脱却は叶わない。
こうした認識の下、令和6年度税制改正では、賃上げ促進税制や国内投資促
進税制(戦略分野国内生産促進税制、イノベーションボックス税制、スタート
アップ関連税制等)の強化を図ることとし、賃上げや投資に積極的な企業への
後押しを行うこととしているが、その一方で、それらに消極的な企業に対して
は、一定のディスインセンティブ措置により行動変容を促す取組みも行うこと
としている。具体的には、戦略分野国内生産促進税制においては賃上げや設備
投資の要件を設けることとし、また、イノベーションボックス税制においては、
研究開発税制の見直しによるメリハリ付けをさらに強化することとしている。
加えて、企業マインドを変革させ、果敢な経営判断を促す観点から、収益が拡
大しているにもかかわらず賃上げにも国内投資にも消極的な企業に対しては、
特定の租税特別措置の適用を停止する措置を強化することとしている。(前掲)
こうしたメリハリ付けの観点とともに、財源の確保も重要である。巨額の財
政赤字を抱えるわが国において、海外の制度を例に倣う際には、単に減税施策
のみを模倣するのではなく、しっかりとした財源措置も同時に行うべきである。
実際に、他の主要国では、大型の投資減税など企業行動の変容を促す減税措置
を講ずる一方で、米国インフレ抑制法による大企業への 15%の最低課税や自
社株買い課税等による財政赤字削減、英国における法人税本則税率の引上げや
欧州諸国における石油・ガス会社への課税など、しっかりとしたメリハリ付け
や財源確保の取組みが行われているところである。
OECD/G20「BEPS(注)包摂的枠組み」においてまとめられた
「第2の柱」の取組みが進み、世界の法人税の引下げに係る、いわゆる「底辺
への競争」
(Race to the bottom)に一定の歯止めがかかるようになった中、
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