令和6年度税制改正大綱 (9 ページ)
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出典情報 | 令和6年度税制改正大綱(12/14)《自由民主党、公明党》 |
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その適用に当たって一定程度の教育訓練費を確保するための措置を講じた上で、
適用要件の緩和を行い、活用を促進することとする。併せて、子育てと仕事の
両立支援や女性活躍の推進の取組みを後押しする観点から、こうした取組みに
積極的な企業に対する厚生労働省による認定制度(「くるみん」、「えるぼし」)
を活用し、控除率の上乗せ措置を講ずる。これにより、賃上げ促進税制の最大
控除率は、大企業・中堅企業については、現行の 30%から見直し後は 35%に、
中小企業については、現行の 40%から見直し後は 45%に引き上がることとな
る。その結果、賃上げ促進税制の位置付けは、賃金だけでない「働き方」全般
にプラスの効果を及ぼすような税制措置となる。
中小企業の賃上げには、中小企業自身の取組みに加え、大企業等の取引先へ
の労務費も含めた適切な価格転嫁も重要な要素となる。こうした観点から、
「従業員への還元」や「取引先への配慮」が必要なマルチステークホルダー方
針の公表が要件となる企業の範囲を、中堅企業枠の創設に伴い拡大することと
する。また、インボイス制度の実施に伴い、消費税の免税事業者との適切な関
係の構築の方針についても記載が行われるよう、マルチステークホルダー方針
の記載事項を明確化する。
また、多額の内部留保を抱えながら賃上げや国内投資に消極的な企業に対し、
その活用を促す等の観点から、特定税額控除規定の不適用措置について、要件
を強化する。
構造的・持続的な賃上げの動きを拡げていくことは、日本経済が成長と分配
の好循環を果たしていく上で欠かすことのできない要素である。企業が支払う
賃金は、賃上げ分を含めて全額が損金算入される中、これに加えて賃上げ分の
最大 35~45%を税額控除する本税制は、税制としては異例のものである。賃
上げを思い切って後押しするためにこうした異例の措置を講じている中、企業
に対しては、新たに強化された賃上げ促進税制を活用し、賞与や一時金だけで
はなく、ベースアップによって、強力に賃上げを実現することを期待したい。
(3)合併・事業譲渡による生産性向上を通じた中堅・中小企業の賃金引上げ
「成長と分配の好循環」を実現するためには、三位一体の労働市場改革など、
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