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令和6年度税制改正大綱 (5 ページ)

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出典情報 令和6年度税制改正大綱(12/14)《自由民主党、公明党》
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第一

令和6年度税制改正の基本的考え方

我々は、今、大きな時代の転換点にある。
3年にわたったコロナ禍は、世界中の人々の考え方を変え、国際的な産業構造の
転換を加速させた。ロシアのウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化は世界の分断を深
めている。その大転換の時代に、各国が、変化の先にある「新しい世界」を目指し
果敢な挑戦を始めている中、わが国はさらに、四半世紀続いたデフレからの脱却と
いう難題に挑んできている。長きに亘るデフレ構造に慣れてしまったため、デフレ
脱却の生みの苦しみである物価高を前にして、生活や事業活動に不安を覚えている
方も多い。
しかし、デフレ下では、良い製品を生み出しても、高く売れず、働きが評価され
ず、賃金も上がらず、経済も成長しない。さらにその状態が四半世紀に及んだ結果、
世界の物価・賃金との差が拡大した。いわゆる「安いニッポン」である。デフレ構
造に逆戻りするわけにはいかない、このことを社会の共通認識とする必要がある。
30 年ぶりの高水準の賃上げ、過去最大の民間投資など、日本経済は明らかに動き
始めた。デフレ脱却・構造転換に向けた千載一遇のチャンスを逃さぬよう、この動
きを止めることなく、より多くの方が享受できるようさらに拡げていく必要がある。
継続的に賃金が増えることで、生活に対する安心が育まれ、働けば報われると実
感できる社会、新しい挑戦の一歩を踏みだそうという気持ちが生まれる社会、こう
したマインドが地方や中小企業にまで浸透するような社会を築かねばならない。
それが、この数年間でわが国が達成すべき政治課題であると我々は考えている。

上記の現状認識から、令和6年度税制改正では、まずは、物価上昇を上回る賃金
上昇の実現を最優先の課題とした。岸田内閣で打ち出した新しい資本主義は、賃金
上昇は、コストではなく、投資であり成長の原動力であると、大きく発想を転換し
た。その趣旨を税制改正の中でも明確に位置付けたものである。

まず、所得税・個人住民税の定額減税により、今後の賃金上昇と相まって、目に
見える形で可処分所得を伸ばす。賃上げ促進税制を強化し、賃上げにチャレンジす
る企業の裾野を広げる。さらに、中小企業の中堅企業への成長を後押しする税制も
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