資料Ⅱ-2-1 令和6年度地⽅財政計画 (138 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html |
出典情報 | 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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資料Ⅱ-8-14
○ 補助⾦の申請に当たっては、事業計画等の策定を要件とすることが一般的。この点、EBPMの観点からは、例えば
商⼯会等の⽀援を受けながら経営計画を策定することを要件としている補助⾦において、補助⾦の受給よりも、申請
の前提となる経営計画の策定自体に経営改善効果があったことを示唆する分析もある。
○ 中小企業⽀援は、単に補助⾦などの直接的な⼿段によるのではなく、自主的な経営改善に取り組むための⽀援体制
の整備や、価格転嫁対策のような中小企業が自ら収益を上げ、賃上げをはじめとした経営環境変化に持続的に対応で
きる公正な競争環境の整備にこそ軸足を置くべき。
◆補助⾦による小規模事業者への業績への影響
◆企業⽀援と⽣産性に関する先⾏研究
・ ⼩規模事業者支援目的の補助⾦について、申請して実際に受給した事業者と申請
したが非受給だった事業者の間ではアウトカム(業績)に有意差が認められなかった。
・ ⼀⽅で、申請事業者は非申請事業者と比べてアウトカムが高かった。この結果から、
申請自体に効果があり、申請過程が課題の棚卸しの機会となり課題解決につながった
と推測される。
※ 商工会等の支援の下で経営計画を策定することが申請要件となっている
森川正之 (2020), 「コロナ危機対策利用企業の⽣産性」, RIETI
Discussion Paper
• 新型コロナ前から⽣産性が低かった企業ほど支援策を利用した傾向がある。
• ⼀時的ショックの影響を緩和する政策には十分合理性があるが、反⾯、そうした政
策が市場による資源再配分(新陳代謝)機能を弱め、中⻑期的な成⻑⼒に負
の影響を持つリスクにも注意する必要がある。
⼩規模事業者持続化補助⾦の効果
0.07
植杉威一郎ほか (2022), 「コロナショックへの企業の対応と政策支援措置︓サー
ベイ調査に基づく分析」, RIETI Discussion Paper
★★★
0.06
0.05
★★★
★★★
0.04
0.03
★★★
0.02
0.01
・ コロナショックへの支援のために⽇本政府が講じた措置の財政支出規模は海外諸
国に比べて⼤きなものであった(Elgin et al. 2020)。こうした支援措置には、倒産
や廃業等を抑制し雇用を維持する積極的な役割がある⼀⽅で、資源の効率的な
再配分を抑制し、⽣産性の低下を通じて⻑期的な成⻑を押し下げるリスクもある。
2013年度
受給
2013年度
★★★
一人当たり売上
売上
従業員数
★★★
一人当たり売上
従業員数
売上
従業員数
売上
2014年度
一人当たり売上
-0.03
一人当たり売上
-0.02
従業員数
-0.01
売上
0
2014年度
申請
(出所)Kohei Takahashi and Yuki Hashimoto. 2022. “Small grant subsidy
application effects on productivity improvement: evidence from Japanese
SMEs”
(注)2013年に創設された「⼩規模事業者持続化補助⾦」の申請と受給が⼩規模事業者の売上高
や⽣産性に与える影響について、中⼩企業庁から提供を受けた申請者リストを用いて分析された
もの。
◆事業再構築補助⾦を巡る議論
○⾏政改⾰推進本部 秋の年次公開検証(2023年11⽉12⽇)
【有識者意⾒】
● 「経済政策においての補助⾦の交付、給付⾦の交付という手法は、基本的には避けたい
最終的な手段だと思います。市場の自律性とか、公平性、経営の自⽴性を損なうおそれ
など、メリットよりもデメリットが⼤きい場合があります。」
● 「成⻑市場への参⼊とか、サプライチェーンの再構築というのは、ああいう事態ではあり得
るのですけれども、通常だと企業の自律的経営の判断の中でトライすべき課題」
● 「産業構造を変えるとか、サプライチェーンを構築するというのは中⼩企業の本来業務です
から、政府が支援するような筋合いのものではない」