提案書07(1200頁~1401頁)医療技術評価・再評価提案書 (11 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
288101
統合失調症ミスマッチ反応検査
日本精神神経学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
21精神科
35臨床検査科
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する
有
令和4年度
統合失調症MMN検査
追加のエビデンスの有無
有無をリストから選択
提案される医療技術の概要
(200字以内)
MMNは、音変化を自動的に検出する神経機構を反映する認知的脳反応である。検査は音を無視した条件で、出現確率の高い
標準音と確率の低い逸脱音に対する各々の誘発脳反応の差分として脳波で抽出されるので、理解力の低下時も計測できると
いう誘発電位と同じ利点がある。MMNは様々な音の変化(持続長、周波数、強度、言語など)によって上側頭回に誘発され
るが、NMDA受容体遮断薬や統合失調症発症によって著しく減衰する。
文字数: 200
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
統合失調症及び及びそれが疑われる症例
統合失調症は生涯有病率が1%で、精神科入院の半数を占める難治精神病であるが、その診断は、専ら面接と評価スケール
という非生物学的手段に頼っている。バイオマーカーとしてMMNの導入が望まれている。MMNは脳内のNMDA受容体機能を反映
し、上側頭回が発生源であるが、統合失調症では、NMDA受容体異常による精神症状と上側頭回の進行性の体積減少、また、
統合失調症のMMN減衰はメタアナリシスでも0.95という大きな効果量が報告され、関連遺伝子も明らかとなっている。また
追加エビデンスとして、最近のJAMA psychiatryでも、MMN減衰で統合失調症発症が検知できることが報告されている。
文字数: 292
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
国際疾病分類ICD-10およびアメリカ精神医学会分類DSM-5に基づく統合失調症
幻覚、妄想、滅裂思考などの陽性症状や感情鈍麻などの陰性症状を特徴とし、社会生活に大きな影響を及ぼす精神障害であ
る。好発年齢は、10歳代後半から30歳代である。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
刺激音は、周波数1000-3000Hz,音圧は80dBSPL程度,持続長50~100ms,刺激間隔を約500msに固定する。80-90%の確率の標
準音に対して10-20%の確率の逸脱音は持続長、周波数等を変化させる。各々の誘発脳反応の差分をMMNとする。準備30分計
測30分間、計測は初回1回、経過観察に年1回程度が望ましい。
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
D
番号
特になし
医療技術名
対象疾患に対して現行の生物学的検査は存在しない。
既存の治療法・検査法等の内容
BPRS(簡易精神症状評価尺度)、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)、BACS(統合失調症認知機能尺度)、SCSQ(心の状態
推論質問紙)、UPSA-B(日常生活技能簡易評価尺度)、GAF(全般的機能評価)などの質問紙による心理検査と問診が診断
の中心であり、頭部MRI、血液生化学検査、心電図、光トポグラフィー(NIRS)、脳波はあくまで除外診断のための補助的
検査に過ぎない。つまり、既存の保険適用検査は統合失調症バイオマーカーではなく、いずれも客観性において不足してい
る。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
統合失調症のMMN異常に対するメタアナリシスは効果量0.95(Erickson, Biol Psychiatry, 2016)を示し、それに関連遺伝子
も明らかとなり、②の様に計測30分と効率的である。
参考文献1、2
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
研究結果
1b
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
1210
日本臨床神経生理学会誘発電位ガイドライン作成ワーキンググ
ループ作成の誘発電位測定マニュアル2019(診断と治療社)