提案書07(1200頁~1401頁)医療技術評価・再評価提案書 (119 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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Iwasaki M, Saito T, Tsubota A, Murata T, Fukuoka Y, et al: Budget Impact Analysis of Treatment Flow
Optimization in Epilepsy Patients: Estimating Potential Impacts with Increased Referral Rate to Specialized
Care. J Health Econ Outcomes Res 8: 80-87, 2021
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⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
年間対象患者数(人)
13,759~51,091人
国内年間実施回数(回)
13,759~51,091回
てんかん診療ガイドライン2018(日本神経学会)のCQ5-5「薬剤抵
抗性てんかんへの対応はどうするか」にて、薬剤抵抗性てんかん
に対しては①原因の検討、②真の薬剤抵抗性か否かの判断、③真
の薬剤抵抗性の場合は薬物治療の再検討、手術、免疫療法などを
検討することが推奨されている。真の薬剤抵抗性てんかんへの対
応として、解説にて専門施設への紹介・相談が触れられている。
日本神経学会と日本てんかん学会が共同で、てんかん診療ガイド
ライン2018の改訂作業を2023年度に開始する。改訂ガイドライン
では、専門施設の位置づけと診療連携を明確に記載する見込みで
ある。
⑥普及性
※患者数及び実施回数の推定根拠等
●実施回数: てんかんかかりつけ医(以下かかりつけ医)から専門施設(専門医)への紹介加算であり、当該患者への実
施回数は原則一回である。
●推定対象患者数:新規に診断され(前年までに発症)本加算の対象となるてんかん患者は11,710人/年、2年以上前に診断
され治療が開始されている患者のうち本加算が導入されたことで対象となる患者を31,732人/年と見込み、向こう10年間の
年間対象患者数を43,442人と推定した。また、心因性発作等に対して治療が開始されている非てんかん患者として、新規例
が2,049人/年、2年以上前に開始されている例が5,600人/年いると見込む。合わせて、本加算が導入され恒常化したとき
の年間対象患者数は13,759人、移行期間10年間は51,091人/年と推定した。以下にそれぞれの推定根拠を示す。
●対象となる新規発症てんかん患者 11,710人: レセプトデータに基づいて本邦のてんかん有病率を明らかにした研究結
果から、本邦のてんかん患者数は120万人、全世代におけるてんかんの新規発症患者は34,440人/年と推定される。これ
が、かかりつけ医で治療を開始し、一剤、二剤、三剤治療後に専門施設に紹介されるべき患者数は、それぞれ6,888人、
3,857人、964人の合計11,710人と推定される。以下に根拠を示す。
★治療開始した34,440人の60%は発作消失。残りの50%が専門施設へ紹介。紹介加算対象は34,440*(1-0.6)*0.5 = 6,888人。
★残りは二剤治療に移行し30%は発作消失。残りの80%が専門施設へ紹介。紹介加算対象は6,888*(1-0.3)*0.8 = 3,857人。
★残りは三剤治療に移行し10%は発作消失。残りは全て専門施設へ紹介。紹介加算対象は、964*(1-0.1) = 868人。
●対象となる既存てんかん患者 31,732人: 2年以上前からかかりつけ医の治療が開始されているが発作が消失せず、専門
施設への紹介が望ましい患者は、⑤の研究結果に基づいて317,323人と推定される。これが10年かけて専門施設に移行する
と仮定し、年間31,732人。以下にその推定根拠を示す。
★院外処方せん分析およびてんかん診療連携体制が確立していない自治体における紹介率から調整したシミュレーションの
結果、かかりつけ医で恒常的に一剤、二剤、三剤、四剤治療を受けている患者は、それぞれ673,361人、209,018人、43,574
人、19,713人。国立精神・神経医療研究センター病院での調査(n=248)において各治療段階における発作消失率は76.47%,
47.76%, 29.73%, 3.23%であることから、発作が消失していない患者は合計317,323人と算出。
●かかりつけ医でてんかんとして治療開始されたが、専門医によっててんかんが否定される患者数 2,049人:てんかんと
しててんかん専門医に紹介された患者のうち約15%は非てんかんである(てんかん研究 26(3):478-482, 2009より)。てん
かんの新規発症数から、非てんかんは年間6,078人と推測される。これらの患者が、上述の新規てんかん発症患者の紹介ス
キームにのっとり紹介されると仮定すると年間2,049人。
●専門医によっててんかんが否定される既存患者数 5,560人:既存てんかん患者数31,732人から同様に、31,732*
(0.15/0.85)= 5,560人は非てんかん発作として本加算の対象となる。本スキームにて紹介され、治療の中断が見込める。
⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
日本てんかん学会は、てんかんの専門医・指導医制度を設け認定を行っている。計842名のてんかん専門医が認定されてい
る。
施設基準として、専門医の認定に係る学会認定研修施設を定めているほか、高度な専門医療を提供する施設として包括的て
んかん専門医療施設を定め、認定を行っている(現在21施設)。
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
日本てんかん学会が認定する包括的てんかん専門医療施設およびてんかん連携医療施設
・てんかん医療を運営するための委員会が組織され、定期的な会議が年に3回以上施行されている。運営委員会はてんかん
専門医を含むてんかん診療を担当する医師、看護師、臨床検査技師、社会福祉士ないし精神保健福祉士、てんかん診療支援
コーディネーター、および連携医療事務によって構成される。
・MRI装置を常備する施設である。
・長時間ビデオ脳波同時記録に基づくてんかん診断を常時実施している(年間50件以上)。
・年間10件以上のてんかん手術を常時実施している。
・痙攣重積状態に対する入院管理、てんかんに併存する精神医学的問題に対する専門的診断および診療、指定難病や小児慢
性特定疾患に合併した薬剤治療抵抗性てんかんの診療を常時実施している。
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)
日本精神神経学会、日本神経学会、日本脳神経外科学会、および日本小児神経学会が認定する常勤の専門医が各1名以上お
り、それぞれは日本てんかん学会が認定する専門医ないし日本てんかん学会が主催する教育的セミナーを受講した者であ
る。
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)
包括的てんかん専門医療施設の定義・あり方・施設基準(日本てんかん学会)
http://square.umin.ac.jp/jes/images/senmonsisetu/1sisetukijyun202103.pdf
⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
問題なし
⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
問題なし
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