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提案書07(1200頁~1401頁)医療技術評価・再評価提案書 (99 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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2022年11月に、日本造血・免疫細胞療法学会・日本がん口腔支持療法学会が、「造血細胞移植患者の口腔内管理に関する指針(第1版)」を策定
し発表した。歯科医師および歯科衛生士を含めた多職種連携で、移植前から口腔内の評価、歯科治療および指導を行うこと、移植前処置(大量化
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 学療法~移植~移植後急性期に口腔衛生指導・管理、口腔粘膜障害対策を行うこと等が推奨されている。造血細胞移植における口腔粘膜障害(超
後等のアウトカム
大量化学療法による口腔内の広範なびらん)は、耐え難い疼痛を来し、患者のQOLを大きく損なう上に、超易感染期の全身性感染症の侵入門戸と
なるが、歯科医師および歯科衛生士との連携による口腔内の管理で、その発症頻度は半分程度まで減少するとの報告がある。

③再評価の根
拠・有効性

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

造血細胞移植患者の口腔内管理に関する指針(第1版)、2022、日本造血・免疫細胞療法
学会・日本がん口腔支持療法学会.歯科医師および歯科衛生士を含めた多職種連携で、移
植前から口腔内の評価、歯科治療および指導を行うこと、移植前処置(大量化学療法~移
植~移植後急性期に口腔衛生指導・管理、口腔粘膜障害対策を行うこと等が記載されてい
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す る。
る。)
日本造血・免疫細胞療法学会ガイドライン「造血細胞移植後の感染管理(第4版)」、
2017、日本造血・免疫細胞療法学会.「口腔内の感染の危険を減らすため、移植前に口腔
外科や歯科を受診し、口腔の状態を改善しておくことを推奨する。」等の項目で歯科医師
との連携の必要性が記載されている。

再評価によって対象患者数や実施回数が変化するものではない。造血幹細胞移植を受ける年間対象患者は一般社団法人日本造血細胞移植データセ
ンターの2021年度全国調査報告書で6,076人(2020年)であり、この数と推定した。造血幹細胞移植を受ける患者のうち、歯科医師と連携した口
腔内の管理を受ける患者は、平成29年5月31日中医協資料 診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成28年度)で500床以上の病院においての
「院内の歯科医師と連携し、周術期口腔機能管理に関する情報提供を行っている」割合が45.2%であり、下記の数と推定した。

見直し前の症例数(人)

2,746人

見直し後の症例数(人)

2,746人

見直し前の回数(回)

2,746回

見直し後の回数(回)

2,746回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

前述のとおり、日本造血・免疫細胞療法学会・日本がん口腔支持療法学会「造血細胞移植患者の口腔内管理に関する指針」では、歯科医師および
歯科衛生士を含めた多職種連携で、移植前から口腔内の評価、歯科治療および指導を行うこと、移植前処置(大量化学療法~移植~移植後急性期
に口腔衛生指導・管理、口腔粘膜障害対策を行うこと等が記載されている。また、日本造血・免疫細胞療法学会ガイドライン「造血細胞移植後の
感染管理」では、「口腔内の感染の危険を減らすため、移植前に口腔外科や歯科を受診し、口腔の状態を改善しておくことを推奨する。」等の項
目で歯科医師との連携の必要性が記載されている。
周術期口腔機能管理後手術加算で評価されている歯科医師と連携して行われる口腔内の管理のうち、造血幹細胞移植に際しての口腔内の管理につ
いては、患者の易感染性と、口腔粘膜障害をはじめとする口腔有害事象が高頻度に発生することから、他の手術と比べ技術的に難しく、診療時間
も長い。また、合併症のリスクについても、造血幹細胞移植患者では行う歯科処置に付随する感染のリスクが非常に高く、歯科医師が無菌病床に
赴き、患者の全身状態も低下しているケースが極めて多く、要する労力も大きい。

血液内科又は小児科を標榜しており、さらに歯科あるいは歯科口腔外科を標榜していること
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 造血幹細胞移植が実施できる設備があること
歯科医師が造血幹細胞移植期の無菌病床の病棟往診に対応可能な体制がとれること
制等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 連携する歯科または歯科口腔外科の歯科医師は、造血幹細胞移植患者の口腔内の管理を5件以上経験した歯科医師であることが望ましい。
性や経験年数等)
現在の周術期口腔機能管理後手術加算は、歯科診療報酬点数のB000-5 周術期口腔機能管理計画策定料に定められる管理計画に基づき、B000-7 周
術期等口腔機能管理料(Ⅱ)の管理がなされた場合に算定可能となっているが、B000-7に関する通知(9)において、一連の管理中においては患者の
その他
主治の医師と連携し、また、入院中においては主治の医師や日常の療養上の世話を行う看護師等との間で実施内容や注意事項等の情報の共有に努
(遵守すべきガイドライン等その他の めること、通知(10)において、周術期等の口腔機能の管理を行うに当たっては、手術前後や放射線治療等の患者の口腔機能の管理を適切に行うた
要件)
め、定期的に周術期等の口腔機能の管理に関する講習会や研修会等に参加し、必要な知識の習得に努めることとされている。歯科診療報酬点数に
おいて連携する歯科医師の遵守すべき要件がすでに規定されている。

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

歯科医師との連携を評価するものであり、副作用等のリスクはない。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

⑧点数等見直し
の場合

見直し前
見直し後
その根拠

200
2000
歯科医師との連携を推進するために、技術の難易度および労力に見合った評価が必要である。

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

該当なし

その他(右欄に記載。)

番号
技術名




具体的な内容


増(+)

プラスマイナス
予想影響額(円)

49,428,000円
予想される当該技術に係る年間医療費=妥当と思われる診療報酬点数(2,000点)×10円/点×年間対象患者数(2,746人)×一人当たりの年間実
施(加算)回数(1回)=54,920,000円

⑩予想影響額

その根拠

当該技術の保険収載に伴い減少すると予想される医療費=現行の周術期口腔機能管理後手術後加算のうち造血幹細胞移植を対象とした医療費
(200点)×10円/点×年間対象患者数(2,746人)×一人当たりの年間実施(加算)回数(1回)=5,492,000円
54,920,000円-5,492,000円=49,428,000円

備考

上記は診療報酬点数上の直接的な予想影響額である。移植前の適切な歯科治療および移植前後の口腔ケアが推進されれば、血流感染症が減少し、
全身状態は改善し、間接的に医療費の削減につながる。総合的にみれば予想影響額は上記記載の増加額を下回る。

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

なし

⑫その他

なし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

なし

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