提案書08(1402頁~1600頁)医療技術評価・再評価提案書 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
305102
経頸静脈的肝生検
日本インターベンショナルラジオロジー学会
28放射線科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
07血液内科
関連する診療科(2つまで)
04消化器内科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
該当なし
載する
追加のエビデンスの有無
提案される医療技術の概要
(200字以内)
リストから選択
無
本手法は頸静脈から生検針を肝静脈に進め、肝静脈の中から穿刺して肝組織を採取する手技である。肝生検術は一般的に経皮
的に施行されるが、血液凝固異常や腹水が認められる症例では腹腔内出血を起こす危険がある。それに対して経頸静脈的な生
検術では露出した針は静脈の中から肝実質に向かうため、穿刺した領域の止血が得られなくても出血した血液は静脈内に戻
る。腹腔内出血を起こす危険が経皮的な生検術よりも低くなっている。
文字数: 199
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 225
肝生検術を必要とする肝疾患
本手法は頸静脈を穿刺し、透視下にてカテーテルを肝静脈に進めた上で組織を採取する手技である。経皮的生検術よりも透視
装置などの設備が必要である。また技術的難易度はより高く、手技時間もよりも長いため、人件費の負担が重い。
本手法は経皮的な手技では出血の危険がある患者において有用であるとされているが、現在保険収載されていないため普及が
妨げられている。本手法の普及が進み、必要な患者により安全な生検手技が提供できることを可能とするために保険収載が必
要である。
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
臨床的に肝生検による診断が必要となる患者で、経皮的針生検術では危険が高いと判断される患者を対象とする。あくまで経
皮的針生検が難しい場合の代替手段であり、経皮的針生検にとって代わるものではない。本手技は頸静脈の経路が確保できさ
えすれば、小児から高齢者まで施行可能である。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
・局所麻酔下、超音波ガイド下において内頸静脈を穿刺し、X線透視ガイド下に、ガイドワイヤーやカテーテル等を用いて、
肝静脈にシースイントロデューサーを留置する。・シースイントロデューサー内から生検針を肝静脈の中に進める。生検針を
肝実質内に挿入し、複数回組織を採取する。・手技が終了し、穿刺部の止血が得られた後は通常の生活を施行することが可能
である。検査は1回のみの施行だが、まれに複数回施行される場合がある。
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
D
番号
医療技術名
412
経皮的針生検
既存の治療法・検査法等の内容
超音波ガイド下あるいは盲目的に生検針を用いて肝実質を経皮的に穿刺し、組織を採取する手技である。外保連試案における
技術度はそれぞれCおよびBである。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
経皮的肝生検における重篤な出血リスクは全症例では2%未満であるが、プロトロンビン時間−国際標準化比 が1.5以上の患者
に限ると7.1%と出血リスクが増大する。それに対して経頸静脈的肝生検における重篤な出血リスクは0.33%と報告されてい
る。経皮的針生検が危険な状況であれば、経頸静脈的肝生検の適応が考慮される。
メタアナリシスによる解析では、経皮的肝生検の全症例での重篤な出血リスクは2%未満であったが、プロトロンビン時間−国
際標準化比 が1.2-1.5の患者では3.3%、1.5以上の患者では7.1%とそれぞれ出血リスクが上昇していた(Gut, 2020;1382–
1403)。
7469症例でのシステマティックレビューでは、経頸静脈的肝生検の重篤な出血リスクは0.33%であった(Journal of
Hepatology,2007, 284–294)。
1a
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
海外のガイドライン(文献2)では胆管拡張、アミロイドーシス、高
度肥満、大量腹水、血液凝固異常(プロトロンビン時間−国際標準化
比 1.4以上)、血小板減少などがある患者で、肝生検が必要な場合
には経頸静脈的肝生検が推奨されている。また、国内の造血細胞移
植ガイドライン(文献1)では、造血幹細胞移植後に合併する肝類洞
症候群が疑われる患者に対する肝生検は経頸静脈的に施行すること
が推奨されている。
年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)
※患者数及び実施回数の推定根拠等
100
100
IVR学会症例データベースによると2012年から2021年の10年で1029例の手技が施行されている。
⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・学会等における位置づけ:日本IVR学会における2012年から2021年までの10年間の経皮的生検は20,512件である。それに対
して経静脈性の生検術は1,029例施行されている。経静脈性の手技は生検術全体の4.8%程度で施行されている。
・難易度:当該手技は外保連試案に掲載承認済みであり、技術度はDである。実施にあたっては当該領域の血管撮影手技に習
熟した医師が施行することが望ましい。
⑥普及性
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体制 ・日本IVR学会認定専門医またはそれに準じた医師が在籍している施設で施行すること。
等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門性 ・血管撮影手技を行う医師が1名以上、診療放射線技師が1名以上、看護師が1名以上配置されていること。
や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の要 特になし
件)
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