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提案書08(1402頁~1600頁)医療技術評価・再評価提案書 (196 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

314103
尿中薬物簡易スクリーニング検査
日本救急医学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

32救急科
01内科

関連する診療科(2つまで)
21精神科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する


リストから選択

追加のエビデンスの有無

有無をリストから選択

提案される医療技術の概要
(200字以内)

イムノクロマトグラフ法により尿中の主要な乱用薬物及びそれらの代謝産物を検出する試薬である。特別な検査機器を要さ
ず、簡便かつ短時間(約5分間)で検査結果を得ることができ、GC/MS及びLC-MS/MSでの測定結果と高い相関を示すため、尿
検体中の薬物を簡便な操作で迅速にスクリーニングする定性検査法として有用である。

文字数: 156
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

急性薬物中毒

薬物中毒が疑われる場合、適切な診断と治療を適時に行う上で、起因薬物を迅速に特定することが極めて重要であり(文献
1)、起因薬物を正確に特定するための分析方法としては、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS)や液体クロマトグラフ
質量分析法(LC-MS/MS)が用いられているが、測定に要する時間が長く、操作が煩雑であることから、殆どの医療機関では
GC/MS やLC-MS/MS を測定できる設備が整っていない(文献2)。このため、簡便な操作で尿中薬物をスクリーニングするこ
とができる体外診断用医薬品の薬物中毒検出用キットが多くの医療機関で、実費で活用されており、保険収載の要望が高
まっている。

文字数: 295
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

救急指定機関または救命救急センターを有する施設において、急性薬物中毒が疑われる意識障害患者

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

D005 尿中薬物簡易定性検査 など
保険医療機関において、急性薬物中毒が疑われる患者に対して救命救急医療が行われ、その原因となる薬物の推定のために
検査を用いるもの
患者から採取された尿を検体とする

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

その他(右欄に記載する。)
300
救命救急入院料

既存の治療法・検査法等の内容

急性薬毒物中毒加算1については、急性薬毒物中毒(催眠鎮静剤、抗不安剤による中毒を除く。)が疑われる患者(以下
「急性薬毒物中毒患者」という。) の原因物質について、日本中毒学会が作成する「急性中毒標準診療ガイド」における
機器分析法に基づく機器分析を当該保険医療機関において行い、必要な救命救急管理を実施した場合に算定する。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

A

番号
医療技術名

研究結果

急性薬物中毒加算1(機器換算)5,000点

急性中毒診療において、原因となる薬毒物を特定することは必須とも言える。しかしその方法論としての質量分析を用いた
機器分析は上記急性薬毒部中毒加算1の5,000点が算定されるものの、高度な機器を要することと技術の問題により、あらゆ
る救急医療機関で24時間行うことは不可能である(文献2)。そのため、急性薬物中毒が疑われる意識障害の鑑別には、簡
易的にスクリーニングを行うことができる尿中薬物スクリーニングキットが用いられている。このキットで測定することが
できるベンゾジアゼピン系や大麻系には早期投与が有効な解毒拮抗薬が存在する。また他の薬物においても早期に推定する
ことで、合併症に早期に対応することが可能となり、その臨床的な意義は極めて大きい。さらに薬物過量内服による中毒な
どが当該検査で判明した場合は、適切な精神科医療や保健福祉へつなげることも自殺再発防止には有用である。

(文献1)症例167名のうち、医師が薬物中毒を疑い、尿中薬物簡易検査を行い原因物質を推定したところ、陽性一致率は
89%であり、意識障害の薬物の影響を否定する目的でおこなった同検査では陰性一致率が63%であった。また原因が不明の群
に対する検査では57%で陽性となり、急性薬物中毒の診断に到ることができた。以上結果より、救急外来等で意識障害や中
毒の鑑別診断として、同検査は有用と結論づけている。(文献2)において、本法の薬物中毒の分析状況についてアンケー
ト分析を行ったところ、全国で十分な機器分析が可能であるとは言い難く、尿中簡易スクリーニング検査の必要性を述べて
いる。
2a

ガイドライン等での位置づけ

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

1597

日本中毒学会編 (改定中)急性中毒標準診療ガイド(へるす出
版)(新版は2023年6月発刊予定)