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提案書08(1402頁~1600頁)医療技術評価・再評価提案書 (76 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

肩腱板断裂手術における主たる合併症は腱板修復に使用するアンカーの破損・脱転であり、骨粗鬆症を有する患者に多い。
発生頻度は約1.5%である。脱転したスクリューの摘出および再挿入により対処可能である。関節授動術における合併症の
リスクは極めて少ない。

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし


妥当と思われる診療報酬の区分
点数(1点10円)

63,432点
(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):634,319円
外保連試案2022掲載ページ:2024収載予定
外保連試案ID(連番):S94-0075520
技術度:D 医師(術者含む):3 看護師:2 その他:0 所要時間(分):180

その根拠

現在、関節鏡下に肩腱板断裂手術と関節授動術を併用しても、関節鏡下関節授動術(肩, 股, 膝)ないし関節鏡下肩腱板断
裂手術(簡単なもの)しか保険請求として認められていない状況である。両術式を同一患者に行うのは労力・時間ともに負
担が大きいにもかかわらず、十分な評価が行われていない。このため、関節鏡下手術としてより高い評価が妥当であり、肩
腱板断裂手術(腱板断裂5㎝未満、関節授動術を伴う)(関節鏡下)として保険収載が必要であると考える。

⑩希望する診療
報酬上の取扱い

関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)

予想影響額

区分

区分をリストから選択

番号
技術名

特になし
特になし

具体的な内容

特になし

プラスマイナス
予想影響額(円)

135,685,480円

その根拠

増(+)

日本肩関節学会の2021年手術件数調査では、関節鏡下に関節授動術と腱板断裂手術を施行した患者数は809例であった。保
険収載により、従来の術式である関節鏡下関節授動術(46,660点)から関節鏡下肩腱板断裂手術(関節授動術を伴う)へと
算定した場合、1手術に対して16,772点増点となり、年間135,685,480円の増額となる。
16,772(点)×809(件)×10(円)=135,685,480(円)

備考
⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
スーチャーアンカー
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況
※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等

1)収載されている

米国、Medicare Part B

⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い

d. 届出はしていない

⑭その他

特になし

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本整形外科学会
外保連共同提案学会なし

⑯参考文献1

⑯参考文献2

⑯参考文献3

⑯参考文献4

1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。

1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ

拘縮肩に対する鏡視下関節授動術術後可動域改善の経時的評価
平川 義弘, 伊藤 陽一, 間中 智哉, 市川 耕一, 清水 勇人, 松本 一伸, 中村 博亮, 松田 淑伸, 村西 壽祥, 中野 禎
肩関節, 2015;第39巻第2号:547-549

4)概要

拘縮肩に対して関節鏡下関節授動術を施行した39例の術後可動域の推移を報告した論文である。術前平均屈曲105度,平均
外転91度が術後24週で平均屈曲141度,平均外転130度に改善しており,良好な術後成績であった.

1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ

拘縮を有する腱板断裂患者に対する鏡視下腱板修復術の治療成績
廣瀨 聰明,岡村 健司,芝山 雄二,杉 憲,水島 衣美,冨居 りら,渡部 裕人
肩関節, 2021;第45巻第1号:105-108

4)概要

拘縮を伴う腱板断裂21肩に対して関節鏡下に肩腱板断裂手術と関節授動術を行った群と拘縮を伴わない腱板断裂48肩に対し
て関節鏡下に肩腱板断裂手術のみを施行した群を比較すると、術後2年において下垂位外旋にのみ有意差を認めたが、JOAス
コア(機能スコア)において有意差は認めなかった。

1)名称

Prediction of Shoulder Stiffness After Arthroscopic Rotator Cuff Repair

2)著者

Laurent Audigé, Soheila Aghlmandi, Cécile Grobet, Thomas Stojanov, Andreas M Mülle, Quinten Felsch,
Gleich, Matthias Flury, Markus Scheibel

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Am J Sports Med. 2021 Sep;49(11):3030-3039.

4)概要

関節鏡下肩腱板断裂手術後の関節拘縮の発生頻度とその要因について調査した論文である。その発生頻度は1330例中112例
(8.4%)であった。女性、部分断裂、術前の外転可動域の低下などのあった症例に発生頻度が高く、それらが術後関節拘
縮のリスク要因であると考えられた。

1)名称

Is single stage capsular release and rotator cuff repair suitable for rotator tears with concomitant
stiffness?

2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ

Wai Keong Mak, Winston Shang Rong Lim, Denny Tjiauw, Tjoen Lie
Journal of Orthopaedics 21 (2020) 496–499

4)概要

拘縮を伴う腱板断裂に対して関節鏡下に肩腱板断裂手術と関節授動術を施行した25例と拘縮を伴わない腱板断裂に対して関
節鏡下肩腱板断裂手術を施行した22例の術前と術後成績を比較すると、術前は可動域および機能とも拘縮を伴わない腱板断
裂群の方が良好であったが、術後2年では可動域および機能において両群の有意差は認めなかった。

1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ

The effect of concomitant glenohumeral joint capsule release during rotator cuff repair—a comparative study
J Shoulder Elbow Surg. 2016 May;25(5):714-22.
Jordan P. McGrath, Patrick H. Lam, Martin T.S. Tan, George A.C. Murrell

4)概要

拘縮を伴う腱板断裂に対して関節鏡下に肩腱板断裂手術と関節授動術を施行した25例の術後2年の成績では関節拘縮を残存
した症例はなく、拘縮を伴わない腱板断裂に対して関節鏡下肩腱板断裂手術を施行した170例の術後2年の成績と比較しても
ほぼ同等の成績であった。

⑯参考文献5

Johannes

※⑮については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等
の関連団体や研究者等の名称を記載すること。

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