提案書08(1402頁~1600頁)医療技術評価・再評価提案書 (192 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
314102
人工呼吸(腹臥位療法)
日本救急医学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
32救急科
38その他(診療科名を右の空欄に記載する。)
集中治療科
関連する診療科(2つまで)
リストから選択
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する
無
リストから選択
追加のエビデンスの有無
有無をリストから選択
提案される医療技術の概要
(200字以内)
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者では,仰臥位から腹臥位に変更することで酸素化が改善することから,重度の低酸素血症
に対する救済策の1つとされる。また,人工呼吸器関連肺障害(VALI)の発生や進展を予防する効果が示唆されており,患
者の予後を改善させる可能性がある。本邦の3学会合同ARDSガイドライン(文献1)においても、中等症以上の患者において、
長時間の腹臥位を行うことが推奨されている。
文字数: 199
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
人工呼吸管理下での中等症以上の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者
腹臥位自体は特別な設備を必要としないが,体位変換や長時間の管理に伴って合併症が生じ得るため、通常の人工呼吸管理
に加えて、細やかな観察やそれに応じた特別な対応が必要となる。また、その体位交換の際にも多くの人手を要し、患者の
容態が変化しやすいことから、実施に際しては腹臥位療法にある程度習熟した医療機関で行うことが望ましいとされる。過
去実際にコロナ禍においては多くの重症呼吸不全患者に行われ、患者の救命に寄与してきた。全身麻酔のおける腹臥位では
追加された点数が配点されているにも関わらず、現時点では「治療」としての腹臥位療法はJ045人工呼吸において算定する
ことはできない。
文字数: 288
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
人工呼吸管理下で中等症以上のARDS患者(成人・小児)
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
ARDS管理に習熟した施設(救命救急入院料、特定集中治療室管理料、小児特定集中治療管理料)において、連続して12時間
以上の腹臥位療法を行った場合。
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
J
045
番号
医療技術名
人工呼吸
既存の治療法・検査法等の内容
J045人工呼吸において、5時間を超えて人工呼吸を行なった場合(1日につき)950点を算定できる。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
上記J045の通常の仰臥位による人工呼吸に比べ、腹臥位療法は中等症以上のARDS患者の生命予後を改善させるうることが複
数のRCTで報告され、それらに応じて本邦のARDS診療ガイドライン2021(文献1)においても推奨が行われている。CQ35:中
等症または重症の成人ARDS患者に腹臥位を行うべきか?->推奨:中等症および重症の成人ARDS患者において、長時間の腹臥
位療法を行うことを条件付きで推奨する(p.316-317)。小児に関しても同ガイドライン内で同様の推奨が示されている
(p.329)
2013年NEJMにおけるRCTの報告によるとARDS患者において腹臥位療法vs通常の仰臥位では28日死亡率が
16.0%vs32.8%(p<0.001)で、有意に改善が認められた(文献2)。これらの結果を含めて本邦のガイドラインに記載されてい
る(文献2)
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
1a
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)
※患者数及び実施回数の推定根拠等
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
一般社団法人日本集中治療医学会/日本呼吸器学会/日本呼吸療法
医学会 ARDSガイドライン2021 (添付資料 文献1 p.316-317)
コロナ禍における腹臥位療法の実施実績を考慮し、年間1,000人程度の実施が推定される。
1,000回
重症コロナ患者データベースであるCRISISによると、人工呼吸が行われた重症COVID-19によるARDS症例では約3年間で
11,685件中5,082件と約半数で腹臥位療法が実施された。年間平均にすると1,694件であるが、これはコロナ禍における呼吸
不全が多い時期の件数である。通常の中等症以上のARDS+コロナ呼吸不全を加味し、本邦では年間1,000回と推算する。
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