よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


提案書08(1402頁~1600頁)医療技術評価・再評価提案書 (178 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

2019年の無作為化比較試験(LEOPARD試験)によると、ロボット支援下を含めた腹腔鏡手術(低侵襲手術,minimallyinvasive DP(MIDP))はODPに比
べ、術後回復の期間短縮(MIDP4日,ODP6日,p<0.001),胃内容排泄遅延症例減少(MIDP3例,6%,ODP11例,19%,p=0.04)に寄与することが示されている
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 (文献3)。長期予後についてはヨーロッパでのpropensity score-matching試験(生存期間中央値 MIDP 28ヶ月, ODP 34ヶ月, p=0.93、文献4)と
後等のアウトカム
meta-analysis(MIDP 群の ODP 群に対するHR:0.86、95% CI:0.73-1.01 P=0.06、文献5)の報告があり、長期予後も開腹手術と腹腔鏡下手術
で有意な差が無いことが示されている。

③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 膵癌診療ガイドライン2022年度版では、膵体尾部切除の適応のある浸潤性膵管癌に対して
る。)
腹腔鏡下膵体尾部切除術を熟練した施設で行うことが提案されている。

いままで開腹下におこなわれていた手術が腹腔鏡下に行われ年間対象患者数や実施回数は増えると思われる。NCD登録では年間4,611例の膵悪性腫
瘍に対する膵体尾部切除術が施行された。この内795例(17.2%)が腹腔鏡下に切除されていた。良性疾患に対するの膵体尾部切除術1,493例中599例
(40.1%)が腹腔鏡下に行われていることから、保険診療点数の増点に伴い膵悪性腫瘍に対する膵体尾部切除術の40%が腹腔鏡下に行われるように
なると仮定すると年間約1,800例が腹腔鏡下に行われると予想される。そのうちロボット支援下膵体尾部切除術が800例と仮定すると、腹腔鏡下膵
体尾部切除術は1,000例になる見込みである。

見直し前の症例数(人)

800人

見直し後の症例数(人)

1,000人

見直し前の回数(回)

800回

見直し後の回数(回)

1,000回

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

膵臓内視鏡外科研究会、日本内視鏡外科学会、日本肝胆膵外科学会が主導した術前登録システムによると、2016年6月から2018年12月までに1,197
例に腹腔鏡下膵体尾部切除術が行われ、そのうち膵癌は405例(38%)であった。Clavien-Dindo分類gradeIIIa以上の術後合併症が198例(16.5%)、
GradeB以上の膵液瘻が214例(17.9%)、術後30日以内の死亡例は0例(0.0%)、術後90日以内の死亡例は3例(0.3%)であり、限定解除後も安全に手術
が行われている(文献2)。日本内視鏡外科学会では、本術式を高難度手術に認定している。

施設の要件
標榜科:消化器外科,麻酔科,手術件数:膵臓手術(内視鏡によるものを除く)を1年間に5例以上実施している。検査や手術の体制:病理部門が
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 設置され、病理医が配置されていること。緊急手術が可能な体制を有していること。
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 医師:消化器外科において医師が3名以上、そのうち1名以上が消化器外科について5年以上の経験を有していること。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 膵臓内視鏡外科研究会の声明(平成28年)「周囲臓器および脈管の合併切除を行うものは適応外とする」
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

開腹手術(Open distal pancreatectomy, ODP) 729例と腹腔鏡下手術(Laparoscopic distal pancreatectomy, LDP) 729例の比較では手術時間は
LDPで有意に延長するものの,LDPにおける出血量減少(ODP 499±740g, LDP 254±384g, p<0.001),術後在院日数短縮(ODP 23.2±18.8日,LDP
18.8±14.7日, p=0.001),臨床的に問題となるGrade B, Cの膵液瘻減少 (ODP 28.2%, LDP 18.4%, p<0.001),合併症率低下 (ODP 32.5%, LDP
24%, p<0.001)が示された.また,30日以内死亡 (ODP 1/729, LDP 1/728, p=0.5)と90日以内死亡(ODP 1/728, LDP 2/727, p=0.5)はいずれも有意
差がなく,LDPの安全性が示された。(文献1)

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

特になし

⑧点数等見直し
の場合

見直し前
見直し後
その根拠

53,480点
144,835点
外保連試算より

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

特になし

区分をリストから選択

番号
技術名
具体的な内容
増(+)

プラスマイナス
⑩予想影響額

予想影響額(円)

182,710,000円

その根拠

年間症例数が200例/年増加したと仮定すると91,355x200=18,271,000点

備考

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

⑫その他

特になし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

特になし

1579