提案書08(1402頁~1600頁)医療技術評価・再評価提案書 (31 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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※下記のように推定した根拠
社会医療診療行為別統計から腱鞘内注射は年間733,200(回)施行され、すで臨床で普及している技術である。本提案が採用されたとしても技術
行為回数が劇的に増加するとは考えられない。一方、平成21年度日手会教育研修施設を対象とした調査結果(日手会誌27(2)、1-6,2010)によれ
ば、腱鞘内注射により腱鞘切開手術件数の回避率は47%と推定されている。本技術の有効性は添付資料でも論じられており、腱鞘内へ確実に薬剤
注入することでさらに手術件数を軽減させる可能性がある。
見直し前の症例数(人)
541,900
見直し後の症例数(人)
541,900
見直し前の回数(回)
733,200
見直し後の回数(回)
733,200
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
腱鞘内注射では、使用するステロイドの特徴や容量の知識、各指において腱鞘及びその中枢の滑膜性腱鞘の具体的位置を手掌の皮膚上から正確に
同定できること、注射針が誤って腱に注入されている場合の対処方法に習熟していること、腱鞘と腱の間隙、すなわち腱鞘内への薬剤が注入され
ていることを触知できる経験が要求される。薬剤が腱に注入された場合は腱断裂が、皮下に漏出した場合は皮膚萎縮、皮膚色素脱失が問題となり
うる。以上の技術的難易度から、本注射は手の解剖を熟知した経験ある医師により行われるべきである。昨今の超音波検査機器の普及は安全に行
う上で有用であり、難易度は低くなっている。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 整形外科医、ペインクリニック科医など
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 医師1人、看護師1人
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 特になし
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
これまで報告されている有害事象のうち、腱断裂は症例報告としていくつか提示されているが、具体的な比率については不明である。しかし、そ
の要因はステロイドを腱内へ数回注入していたことが考えられている。その他、重篤ではない副作用として、腱鞘断裂、皮膚色素脱出、皮下脂肪
萎縮があり、皮膚症状の発生については2-3%と見込まれている。これらは注入するステロイドの組織を構成するコラーゲンの分解を促進する作
用によるものである。この他に感染(化膿性腱鞘炎)、血糖上昇の報告もあり、これらは糖尿病例への投与で発生しているが、実際には臨床的に
はほとんど問題とはなっていない。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
問題なし
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
27
269
その根拠
腱鞘内注射では、使用するステロイドの特徴や容量の知識、各指において腱鞘及びその中枢の滑膜性腱鞘の具体的位置を手掌の皮膚上から正確に
同定できること、注射針が誤って腱に注入されている場合の対処方法に習熟していること、腱鞘と腱の間隙、すなわち腱鞘内に薬剤が注入されて
いることを触知できる経験が要求される。薬剤が腱に注入された場合は、腱断裂、皮下に漏出した場合は、皮膚萎縮、皮膚色素脱失が問題となり
うる。以上の技術的難易度から、本注射は手の解剖を熟知した経験ある医師により行われるべきである。
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
K
番号
技術名
K028
腱鞘切開術
具体的な内容
直視下あるいは関節鏡下に腱鞘を切開して腱の動きを改善させる。
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
972,712,000
その根拠
予想される当該処置に係る年間医療費は2,690-270=2,420(円)×733,200(回)=1,774,344,000(円)平成21年度日手会教育研修施設を対象とした
調査結果(日手会誌27(2)、1-6,2010)によれば、腱鞘内注射により、腱鞘切開手術件数の回避率は47%と推定される。平成29年度社会医療診療
行為別調査から、腱鞘切開術は年間約83,200件と推計される。腱鞘内注射により回避されると予想される腱鞘切開術に係る年間費用は、
20,500(円)×83,200(件)×0.47=801,632,000(円)となる。総じて、処置料としては増点になるが、腱鞘内注射による手術件数の減少は、抗菌
薬、鎮痛薬投与量の減少、通院期間の短縮による医療費削減、社会復帰が早期となるなどの効果が期待できる。
備考
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
2.なし(別紙、添付文書ともに不要)
⑫その他
特になし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
なし
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