提案書08(1402頁~1600頁)医療技術評価・再評価提案書 (162 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
312102
半月板制動術(関節鏡視下)
一般社団法人日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)
30整形外科
00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
リストから選択
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
追加のエビデンスの有無
有無をリストから選択
提案される医療技術の概要
(200字以内)
半月板後根損傷や半月板変性等で逸脱した半月板はその機能が喪失し、変形性膝関節症の危険因子となる。脛骨に骨孔を掘
り、半月板後根部にかけた糸を骨孔に引き込んで固定するpull-out法や、脛骨辺縁にアンカーを挿入し、半月板辺縁の関節包
を縫合糸で縫う鏡視下centralization法で、逸脱した半月板を脛骨に制動し、失われた半月板機能を再建することを目的とし
た手術である。
文字数: 185
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
半月板損傷のうち半月板後根損傷、半月板逸脱、半月板欠損
半月板後根損傷や半月板逸脱、半月板欠損は変形性膝関節症進行の危険因子であったり、特発性大腿骨顆部骨壊死症の発症に
かかわる。進行すれば本邦では人工膝関節置換術が行われてきた。半月板制動術を行うことで過去の臨床試験のメタアナリシ
スや生体力学的な検討により①変形性膝関節症の進行抑制効果。②半月板の荷重分散や膝関節安定化の機能回復。③合併する
前十字靭帯損傷に対する再建術の治療成績の向上、などが報告されている。学会主導の調査で現在本邦では年間約3000件の施
行が推定される。保険収載されることで本術式が広まり、膝関節の重要な構造体である半月板の機能温存が達成され、健康寿
命の延伸につながることが期待される。
文字数: 300
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
対象疾患:半月板損傷のうち半月板後根損傷、半月板逸脱、半月板欠損 症状:膝関節痛、水腫、膝関節可動域制限など。
後根損傷や半月板逸脱、半月板欠損などにより半月板機能が喪失することで変形性膝関節症が発症・進行すると変形をきた
し、膝関節痛が増悪し、労働、趣味、スポーツ活動を含めた日常の社会生活に支障を来たすようになる。原因:内側半月板後
根損傷・逸脱は加齢による変性が基盤となり発生することが多く、50-70歳の中高齢者に多い。外側半月板後根損傷・逸脱は
前十字靭帯損傷に合併して発生することが多く、20-30歳の若年者に多い。半月板欠損は半月板切除術により発生し、年齢は
若年者から中高齢者まで含まれる。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
手技:脛骨に骨孔を掘り、半月板後根部にかけた縫合糸や非吸収性人工靭帯を骨孔に引き込んで固定するpull-out法や、脛骨
辺縁にアンカーを挿入し、半月板辺縁の関節包を縫合糸で縫うcentralization法で、逸脱した半月板を脛骨に制動する。また
半月板欠損に対する再建半月板移植では両方の手法を用いて脛骨に制動する。内側半月板後根損傷・逸脱は内側型変形性膝関
節症と同時に治療されることも多く、内側半月板に対する半月板制動術は脛骨近位骨切り術と併用されることが多い。また外
側半月板後根損傷は前十靭帯損傷に合併して発生することが多く、外側半月板に対する制動術は前十字靭帯再建術と併用され
ることが多い。
実施
時間等:手術は約150分、入院期間は1週間前後、退院後は外来通院にてリハビリ指導を行い、2-3カ月の治療期間を経て、患
者は社会復帰する(職務内容に依っては、2週間の入院加療直後より職務復帰が可能)。また6か月以降で機能回復の程度に応
じて段階的にスポーツ復帰を許可していく。
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
K
番号
医療技術名
K068-2, K069-3
関節鏡下半月板切除術、関節鏡下半月板縫合術
既存の治療法・検査法等の内容
半月板後根損傷、逸脱半月板に対して、関節鏡下半月板部分切除術・関節鏡下半月板縫合術が既存手術として存在する。半月
板部除手術は損傷した半月板部位を関節鏡視下に切除する手術である。ひっかかり症状など損傷・逸脱した半月板による機械
的刺激症状は切除により軽減が得られるが、半月板機能は回復しない、もしくは低下する。年齢に制限はない。入院期間は数
日で、2-3週で社会復帰する。術後3か月で機能回復の程度でスポーツ復帰が許可される。半月板縫合手術は損傷した半月板部
位を関節鏡視下に縫合糸で縫合し安定化させる手術である。安定化させることで、半月板症状は改善するが逸脱した半月板を
整復することはできず、むしろ関節包に縫合した半月板をおしつけてしまい、逸脱を助長させることになり、半月板の機能を
完全に改善させることはできない。入院は1週間程度、4-6週で社会復帰する。術後4-6か月で機能回復の程度でスポーツ復帰
が許可される。
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