よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


【資料No.1】2.5_臨床に関する概括資料 (197 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29325.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第5回 11/22)、医薬品第二部会(令和4年度第13回 11/22)(合同開催)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

S-217622

2.5.6

2.5 臨床に関する概括評価

ベネフィットとリスクに関する結論

SARS-CoV-2 による感染症に対する S-217622 の各種非臨床及び臨床試験から得られた試験成
績に基づき,S-217622 のベネフィット及びリスクについて考察した.
2.5.6.1
2.5.6.1.1

治療の背景
疾患又は症状

COVID-19 の主な症状は発熱,咳,鼻水,鼻づまり,喉の痛み,筋肉痛,下痢など感冒と同様
の症状が多く,加えて味覚や嗅覚障害も報告されている.
大多数の患者は,本邦のガイドラインにおける軽症から中等症 I に分類されるが,感染後無
症状のまま経過する者も一定数存在し,その割合は 20%~30%と考えられている.一般的に発
症から 1 週間程度で治癒に向かうが,一部の患者は重症化し,そのうち約 20%の患者では酸素
投与が必要になるとされる (2.5.1.2.1 項参照).
COVID-19 の疫学及び病態の変化に伴い,追記する.
SARS-CoV-2 による感染症の臨床上の病態も流行株により大きく異なる.現在主流のオミク
ロン株による感染例では,デルタ株以前の株による感染例と比較して症状が軽く,味覚や嗅覚
障害の頻度が減少したものの,ウイルスが上気道で増殖しやすい特徴に伴い,鼻汁・鼻閉,咽
頭痛などの感冒様症状の頻度が増加したと報告されている (2.5.1.2.1 項参照).
2.5.6.1.2

現行の治療

2022 年 2 月 21 日時点で,本邦では,ウイルス RNA ポリメラーゼ阻害剤のレムデシビル及び
モルヌピラビル,3C-Like プロテアーゼ阻害剤のニルマトレルビル・リトナビル,SARS-CoV-2
中和抗体薬のカシリビマブ/イムデビマブ及びソトロビマブ,
JAK 阻害剤のバリシチニブ,抗 IL-6
受容体抗体のトシリズマブの 7 剤が COVID-19 治療薬として承認されている.
本邦の COVID-19 患者は軽症から中等症 I が大多数を占めているものの,治療薬及び治療法
は限られており,経口の抗ウイルス薬であるモルヌピラビル及びニルマトレルビル・リトナビ
ルも,軽症から中等症 I の患者へ使用されるが,原則として重症化リスク因子を有する患者に
限定されている.COVID-19 の収束に向けて,新たな治療選択肢に対する社会的ニーズは高い
(2.5.1.2.2 項参照).
COVID-19 の治療法及びその課題の変化に伴い,追記する.
2022 年 10 月 4 日時点で,本邦では,ウイルス RNA ポリメラーゼ阻害剤のレムデシビル及び
モルヌピラビル,3C-Like プロテアーゼ阻害剤のニルマトレルビル・リトナビル,SARS-CoV-2
中和抗体薬のカシリビマブ/イムデビマブ,ソトロビマブ及びチキサゲビマブ/シルガビマブ,
JAK 阻害剤のバリシチニブ,抗 IL-6 受容体抗体のトシリズマブなどが COVID-19 治療薬として
承認されている.
軽症から中等症 I を対象とした治療薬及び治療法は,原則として重症化リスク因子を有する
患者に制限され,限定的である.感染力の高いオミクロン株の流行により,医療の逼迫や経済
- 197 -