【資料No.1】2.5_臨床に関する概括資料 (201 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29325.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第5回 11/22)、医薬品第二部会(令和4年度第13回 11/22)(合同開催)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
2.5 臨床に関する概括評価
非臨床薬理試験の結果,本剤投与により肺内ウイルス力価を低下させるためには,必要薬効
濃度を上回る血漿中薬物濃度を,投与期間を通じて維持することが重要であると考えられた
(2.4.2.1.4 項参照).T1211 試験の結果から,本剤の t1/2,z の幾何平均値は 51.4 時間であり (2.5.3.1.1
項参照),負荷用量と維持用量を組み合わせた 1 日 1 回の服薬により,抗ウイルス効果の発現に
必要な血漿中薬物濃度を維持することが可能であり,T1221 試験 Phase 3 Part において,申請用
法用量である 375/125 mg 群で本剤の有効性が確認された.なお,懸濁剤及び錠剤による食事の
影響の検討により,食事条件の設定は不要とした (2.5.2.3 項参照).
2022 年 10 月 4 日現在,経口の抗ウイルス薬として本邦で特例承認されているモルヌピラビ
ル及びニルマトレルビル・リトナビルは 1 日 2 回投与である [20, 22].本剤は 1 日 1 回経口投
与のため,より簡便に服薬可能であり,錠剤も小さいことから,服薬アドヒアランスの向上に
貢献できると考える.
2.5.6.2.4
複数の株に対して有効性が示唆されている
In vitro 試験において,SARS-CoV-2 易感染性の細胞株である VeroE6/TMPRSS2 細胞及び
HEK293T/ACE2-TMPRSS2 細 胞 に ス パ イ ク タ ン パ ク 質 に 変 異 が 認 め ら れ て い る 複 数 の
SARS-CoV-2 臨床分離株 (従来株 [Pango lineage A:hCoV-19/Japan/TY/WK-521/2020 株],アル
ファ株 [Pango lineage B.1.1.7:hCoV-19/Japan/QK002/2020 株,hCoV-19/Japan/QHN001/2020 株,
hCoV-19/Japan/QHN002/2020 株],ベータ株 [Pango lineage B.1.351:hCoV-19/Japan/TY8-612/2021
株],ガンマ株 [Pango lineage P.1:hCoV-19/Japan/TY7-501/2021 株,hCoV-19/Japan/TY7-503/2021
株],デルタ株 [Pango lineage B.1.617.2:hCoV-19/Japan/TY11-927-P1/2021 株] 及びオミクロン株
[Pango lineage B.1.1.529:hCoV-19/Japan/TY38-873/2021 株,hCoV-19/Japan/TY38-871/2021 株,
hCoV-19/Japan/TY40-385/2022 株]) を感染させ,細胞変性抑制効果を指標として S-217622 の抗
ウイルス活性を評価した.S-217622 の SARS-CoV-2 臨床分離株に対する 50%有効濃度は
VeroE6/TMPRSS2 細胞では 0.29~0.52 µmol/L,HEK293T/ACE2-TMPRSS2 細胞では 0.026~
0.064 µmol/L であった.VeroE6/TMPRSS2 細胞及び HEK293T/ACE2-TMPRSS2 細胞に対する 50%
細胞障害濃度は > 100 µmol/L 及び 55 µmol/L であり,S-217622 はスパイクタンパク質に変異が
認められている複数の臨床分離株に対して抗 SARS-CoV-2 活性を有し,臨床分離株に対する感
受性の違いは株間で小さいこと,及び細胞障害を起こす濃度より極めて低い濃度 (> 200 倍) で
抗 SARS-CoV-2 活性を有することが示された (2.6.2.2.1.2 項参照).
新たな SARS-CoV-2 臨床分離株に対する評価を実施したため,その結果を反映した内容を追
記する.
In vitro 試験において,SARS-CoV-2 易感染性の細胞株である VeroE6/TMPRSS2 細胞及び
HEK293T/ACE2-TMPRSS2 細 胞 に ス パ イ ク タ ン パ ク 質 に 変 異 が 認 め ら れ て い る 複 数 の
SARS-CoV-2 臨床分離株 (従来株 [Pango lineage A:hCoV-19/Japan/TY/WK-521/2020 株],アル
ファ株 [Pango lineage B.1.1.7:hCoV-19/Japan/QK002/2020 株,hCoV-19/Japan/QHN001/2020 株,
hCoV-19/Japan/QHN002/2020 株],ベータ株 [Pango lineage B.1.351:hCoV-19/Japan/TY8-612/2021
株],ガンマ株 [Pango lineage P.1:hCoV-19/Japan/TY7-501/2021 株,hCoV-19/Japan/TY7-503/2021
- 201 -