【資料No.1】2.5_臨床に関する概括資料 (46 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29325.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第5回 11/22)、医薬品第二部会(令和4年度第13回 11/22)(合同開催)《厚生労働省》 |
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2.5 臨床に関する概括評価
CYP3A の強い阻害剤であることが示された (表 2.5.3.3-1 参照).
表 2.5.3.3-1
ミダゾラムの薬物動態パラメータ及びミダゾラムの薬物動態に及ぼす
S-217622 併用投与 (Day 1 のみ負荷用量 750 mg,その後 Day 2~6 に維持用量
250 mg を 1 日 1 回空腹時反復経口投与) の影響
ミダゾラムと
S-217622 併用
ミダゾラム単独投与
パラメータ
例数
幾何最小二乗
平均
ミダゾラムと S-217622
併用/ミダゾラム単独投与
比の 90%信頼区間
幾何最小
例数
幾何最小
二乗平均
二乗平均の比
7
7
5
7
7
5
44.9
250.8
314.1
0.0759
9.13
11.8
2.7763
7.2293
8.8002
0.4772
2.0954
2.8734
Cmax (ng/mL)
8
16.2
AUC0-last (ng·hr/mL)
8
34.70
AUC0-inf (ng·hr/mL)
8
35.69
λz (1/hr)
8
0.1590
t1/2,z (hr)
8
4.36
MRT (hr)
8
4.11
出典:5.3.3.1-01_T1211 interim CSR-3_Table 11-23
下限
2.3341
5.5817
6.7061
0.4439
1.9490
2.5380
上限
3.3022
9.3632
11.5484
0.5131
2.2529
3.2530
上記から,S-217622 (懸濁剤) を Day 1 のみ負荷用量 750 mg,その後 Day 2~6 に維持用量
250 mg を 1 日 1 回空腹時反復経口投与したとき,S-217622 は強い CYP3A の阻害剤であると考
えられた.COVID-19 の治療に使用されるコルチコステロイドは CYP3A の基質であることから,
S-217622 がデキサメタゾン及びプレドニゾロンの薬物動態に及ぼす影響を評価した (S-217622CPK-005-A 試験).S-217622 (錠剤) を日本人健康成人男性に Day 1 のみ負荷用量 750 mg,その後
Day 2~5 に維持用量 250 mg を 1 日 1 回空腹時反復経口投与し,デキサメタゾン 1 mg 又はプレ
ドニゾロン 10 mg を S-217622 反復投与開始前に空腹時単独投与 (Day −2),S-217622 反復投与 5
日目 (Day 5) に空腹時併用投与,S-217622 の投与終了から 5 日目 (Day 9) 及び 10 日目 (Day 14)
に空腹時単独投与した.
S-217622 併用投与時におけるデキサメタゾンの Cmax,AUC0-last 及び AUC0-inf は,単独投与時
(Day −2) と比較して,併用投与 (Day 5) ではそれぞれ 1.47,3.18 及び 3.47 倍,S-217622 反復投
与終了後 5 日目 (Day 9) ではそれぞれ 1.24,2.45 及び 2.38 倍,S-217622 反復投与終了後 10 日
目 (Day 14) ではそれぞれ 1.17,1.56 及び 1.58 倍に増大した (表 2.5.3.3-2 参照).S-217622 との
併用投与によってデキサメタゾンの薬物曝露は増大したものの,その影響は S-217622 の投与終
了から時間の経過とともに低下した.
また,S-217622 併用投与時におけるプレドニゾロンの Cmax,AUC0-last 及び AUC0-inf は,単独
投与時 (Day −2) と比較して,併用投与 (Day 5) ではそれぞれ 1.11,1.24 及び 1.25 倍,S-217622
の反復投与終了後 5 日目 (Day 9) ではそれぞれ 1.10,1.11 及び 1.12 倍,S-217622 の反復投与終
了後 10 日目 (Day 14) ではそれぞれ 0.99,1.03 及び 1.04 倍に増大した (表 2.5.3.3-3 参照).プ
レドニゾロンの AUC のみ S-217622 と併用投与時 (Day 5) に若干増大したものの,それ以降は
ほとんど影響が見られず,S-217622 反復投与によるプレドニゾロンの薬物曝露への臨床的に意
味のある影響はないことが示唆された.
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