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【資料No.1】2.5_臨床に関する概括資料 (42 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29325.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第5回 11/22)、医薬品第二部会(令和4年度第13回 11/22)(合同開催)《厚生労働省》
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S-217622

2.5 臨床に関する概括評価

2.5.3.2.2

人種の影響

日本人及び白人健康成人男性に本剤の懸濁剤を用いて,Day 1 のみ負荷用量 375 mg,その後
Day 2~5 に維持用量 125 mg を 1 日 1 回反復経口投与したとき,日本人に対する白人の Cmax 及
び AUC0-τ の比は,Day 1 ではそれぞれ 0.77 及び 0.72 倍,Day 5 ではそれぞれ 0.87 及び 0.86 倍
であり,白人の曝露は日本人と比べてやや低かった (表 2.5.3.2-2 参照).

表 2.5.3.2-2

S-217622 (懸濁剤) の 1 日 1 回反復経口投与時の人種差の検討
日本人

投与日

パラメータ
例数

1
5

Cmax (μg/mL)
AUC0- (μg·hr/mL)
Cmax (μg/mL)
AUC0- (μg·hr/mL)

8
8
8
8

白人

幾何最小
二乗平均
29.5
484.5
30.4
597.4

例数
8
8
8
8

幾何最小
二乗平均
22.7
350.8
26.3
516.5

幾何最小二乗平均の比
(90%信頼区間)
白人/日本人
0.7699 (0.6738, 0.8796)
0.7241 (0.6517, 0.8046)
0.8651 (0.7774, 0.9627)
0.8645 (0.7740, 0.9656)

出典:5.3.3.1-01_T1211 interim CSR-3_Table 11-16 改変

また,母集団薬物動態解析 (2.5.3.1.3.1 項参照) において,S-217622 の薬物動態に及ぼす人種
(アジア人又は白人) の影響を検討した結果,人種は影響要因として選択されなかった.アジア
人には日本人 433 例,韓国人 1 例,不明 1 例が含まれた.母集団薬物動態解析の結果,体重が
S-217622 の薬物動態に及ぼす影響要因として選択されたこと及び上述の T1211 試験におけるコ
ホート F (日本人) 及び H (白人) の平均体重がそれぞれ 66.58 kg 及び 74.68 kg であったことか
ら,上述の違いは人種ではなく,体重の違いによる影響である可能性が示唆された.
したがって,人種による用量調節の必要はないと判断した.
2.5.3.2.3

肝機能の影響

肝機能障害患者における薬物動態の評価は実施していない が,母集団薬物動態解析
(2.5.3.1.3.1 項参照) において,S-217622 の CL/F について肝機能臨床検査値である AST,ALT,
ALB 及び BIL の影響を検討したところ,
いずれの項目も CL/F の影響要因として選択されなかっ
た.
以上の結果から,S-217622 は肝臓で代謝及び排泄されるものの (2.5.3.1.2.3 項参照),これま
で評価した範囲 (表 2.5.3.1-10 参照) においては肝機能が S-217622 の薬物動態に及ぼす影響は
認められず,用量調節の必要はないと判断した.
2.5.3.2.4

腎機能の影響

腎機能障害患者における薬物動態の評価は実施していない が,母集団薬物動態解析
(2.5.3.1.3.1 項参照) において,S-217622 の CL/F について腎機能臨床検査値である CrCL,Scr,
eGFR 及び eGFRabs の影響を検討したところ,いずれの項目も CL/F の影響要因として選択され
なかった.
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