【資料No.1】2.5_臨床に関する概括資料 (52 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29325.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第5回 11/22)、医薬品第二部会(令和4年度第13回 11/22)(合同開催)《厚生労働省》 |
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2.5 臨床に関する概括評価
375/125 mg (投与 1 日目のみ 375 mg,その後投与 2~5 日目に 125 mg 投与の 1 日 1 回反復投与)
投与 5 日目の非結合型 Cmax (1.21 μmol/L) と OAT3 に対する IC50 (8.37 μmol/L) には約 7 倍乖離
があり,影響は軽微であると考えられた.そのため,S-217622 は申請用法用量において,OAT3
の基質薬の薬物動態に臨床的に有意な影響を与える可能性は低いと考える.
上記の結果より,S-217622 は申請用法用量において,CYP3A,P-gp,及び BCRP の阻害作用
により各基質薬の薬物動態に臨床的に有意な影響を与える可能性があると判断した.
2.5.3.3.1.2
他剤が本剤の薬物動態に及ぼす影響
ヒト肝細胞を用いて得られた S-217622 の代謝物 (S-217622 triazole N-desmethyl [M4] 及び
S-217622 indazole N-desmethyl [M5]) は,CYP3A4/5 を含む複数の CYP 分子種により生成されて
いることが示唆された (2.6.4.5.1.2 項参照).S-217622 の代謝には CYP3A を含む複数の代謝酵素
が関与しているものの,その中では CYP3A の寄与が比較的大きいと考えられることから,
S-217622 を CYP3A の強い誘導剤と併用したときには,S-217622 の血漿中濃度が低下し,有効
性の低下につながる可能性が示された.一方で,S-217622 の代謝には複数の代謝酵素が関与し
ており,単一の酵素が阻害されても他の酵素によって代謝されることから,CYP3A 等の単一代
謝酵素の阻害剤が S-217622 の血漿中濃度の上昇に及ぼす影響の程度は小さいと考えられた.
In vitro 試験の結果,S-217622 は P-gp 及び BCRP の基質であり,OATP1B1,OATP1B3,OCT1,
OCT2,OAT1,OAT3,MATE1,及び MATE2-K の基質ではなかった (2.6.4.7.1 項参照).S-217622
は高い経口吸収性 (ラットでのバイオアベイラビリティ:85.5%) を示すことから (2.6.4.3.1 項
参照),消化管における P-gp 及び BCRP 阻害剤による S-217622 吸収量の増加の程度は軽微と推
察され,P-gp 及び BCRP 阻害剤の併用による S-217622 の血漿中濃度に及ぼす影響の程度は小さ
いと推察される.
2.5.3.4
薬力学的作用
S-217622 が QTc 間隔に及ぼす影響について,健康成人に S-217622 (懸濁剤) 20~2000 mg を空
腹時単回経口投与時の血漿中濃度及び心電図データに基づき,Concentration-QTc 解析 [27, 28]
を用いて評価した (S-217622-CPK-002-A 試験).線形混合効果モデルを用いて,Fridericia 補正
QTc 間隔 (QTcF) のベースラインからの変化量 (ΔQTcF) と血漿中 S-217622 濃度との関係につ
いてモデル化した.また,血漿中 S-217622 濃度とプラセボ及びベースライン補正後の Fridericia
補正 QTc 間隔 (ΔΔQTcF) の関係を図 2.5.3.4-1 に,モデルから予測された T1211 試験における
各投与量の Cmax の幾何平均値における ΔΔQTcF のモデル予測値を表 2.5.3.4-1 に示す.S-217622
(懸濁剤) を 20~2000 mg まで単回経口投与したときの曝露範囲において,ΔΔQTcF は血漿中濃
度に関わらず 0 msec 付近であった.また,全ての用量の Cmax の幾何平均値における ΔΔQTcF の
モデル予測値の両側 90%信頼区間の上限は 10 msec を下回った.以上の結果から,S-217622 (懸
濁剤) 20~2000 mg 単回投与での Cmax の幾何平均値の曝露範囲 (1.70~96.9 µg/mL) において,
S-217622 は QT 間隔に影響を及ぼさないと判断した (5.3.4.1-01 参照).S-217622 (錠剤) を日本
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