資料1-3:デジタル社会の実現に向けた重点計画(案) (40 ページ)
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公開元URL | https://www.digital.go.jp/councils/social-promotion/38606249-07b3-4176-a538-58e0c64a488a/ |
出典情報 | デジタル社会推進会議(第4回 6/6)《デジタル庁》 |
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大規模で汎用性が高い基盤モデルを活用した「生成 AI」の性能が格段に向上し、その利用
が急拡大するなど、AI の社会的な影響力が急速に増大している。これによって、AI の活用を
通じた新しい価値の創出への期待がこれまで以上に高まっている一方、社会に及ぼすリスク
への懸念も高まってきており、諸外国においては、AI 開発と並行して、社会受容の在り方に
関する議論も加速している。
AI の適切かつ効果的な活用は、生産性向上や競争力強化を通じ、我が国における社会課題
の解決や経済成長につながる可能性を秘めている。こうした可能性を踏まえ、AI に係るリス
クの懸念に適切に対処するとともに、
「人による作業」の要否を整理し、AI 活用に向けた取組
を進めていく必要がある。目下、我が国としては、①今後の AI の活用の基盤となるデータの
整備等を含むインフラの整備・強化に向けた検討・取組と、②AI の実態と動向を把握し、リ
スクと必要な対応策を特定した上で、官民における適切な活用に向けた検討・取組を進めるこ
とが重要である。
(1)連携体制
AI の急速な進歩・普及やこれにより生じる課題に迅速かつ適切に対処するため、有識者
会議や関係省庁の連携体制である「AI 戦略チーム」
、官民の AI 関係研究機関の連携体制を
通じて、我が国一体となって取組を進めていく。また、2023 年(令和5年)に開催された
G7 広島サミット及び G7 群馬高崎デジタル・技術大臣会合の結果を踏まえ、OECD や GPAI 等
の専門家による国際的な検討協議の場を活用しつつ、議長国として G7 の議論を主導し、AI
利用を巡る国際的なルール作りに貢献する。
(2)基礎的な開発能力の構築・強化や包括的データ戦略に基づくデータ整備
大規模言語モデル等による急速な AI の進歩・普及の状況等を踏まえ、大規模言語モデル
等の基盤モデルの活用を進めるとともに、基礎的な開発能力の構築・強化等を行う。また、
行政機関が保有するデータについて、AI での活用も念頭に置きつつ整備を進める。その際、
活用に向けた検討・実装状況を踏まえ、デジタルアーカイブ含め、整備すべき行政データの
範囲を検討する。
(3)AI の社会実装
AI の社会実装に向け、関係省庁において取組を行ってきたところ、更に取組を強化して
推進する。実装に向けて不合理な障壁となる制度があれば、その在り方を見直す。
行政における AI の活用については、行政運営の効率化、行政サービスの質の向上等につ
えい
ながる可能性が指摘されている一方で、機密情報の取扱いや、情報漏洩の懸念といった課題
も指摘されている。まずは、AI の特性の把握やリスクの精査をしながら、望ましい活用の
在り方について必要な検討を行い、活用のアイデアを集約し、実装を進める。また、集約し
たアイデアを踏まえた AI 実装のニーズに効果的に応えるとともに、AI 実装の技術を有する
事業者が調達に参加するに当たっての不明確さ等を払拭する観点から、AI 実装に伴う統一
的な調達ガイドラインの作成等を行う。
加えて、昨今の生成 AI の普及を受け、教育分野における適切な実装に向け、学校教育の
現場における AI の取扱いに関するガイドラインを策定する。
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