提案書04(0599頁~0801頁)医療技術評価・再評価提案書 (169 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
255101
経皮的心房中隔欠損作成術
スタティック法
申請団体名
日本小児循環器学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
22小児科
15心臓血管外科
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
特になし
載する
無
リストから選択
追加のエビデンスの有無
有無をリストから選択
提案される医療技術の概要
(200字以内)
心房間交通が必要な先天性心疾患(大血管転位、左心低形成症候群、右室低形成など)および後天性心疾患(肺高血圧な
ど)を対象とし、閉鎖または狭小化した心房間交通を経皮的に拡大し、心房中隔欠損を作成する。既存のラシュキンド法
(円形バルーンの引き抜きによる裂開)と異なり、心房中隔上で通常形態のバルーンを拡張することによって心房中隔を裂開
し、心房間交通を作成・拡大する。
文字数: 180
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
心房間交通が必要な先天性心疾患(大血管転位、左心低形成症候群、右室低形成など)および後天性心疾患(肺高血圧な
ど)
心房中隔裂開術で第一選択のラシュキンド(R)法は、体格や解剖学的に適さない症例があり、当方法は2000年代から施行さ
れてきた。またR法に用いるバルーンカテが一品目しか存在せず、機器供給の問題からR法が実施できない事態もある。2021
年にはTMP-PEDバルーン(東海メディカル社)が当方法にも保険償還が収載された。先天性心疾患、構造的疾患に対するカ
テーテル治療のガイドラインをはじめ、国内外で広く当方法は実施されており、有効性および安全性も示されている。用い
る医療機器の点でも手技の点でもR法とは全く異なり経皮的胸部血管拡張術K616-3に類似するため、手技料を別に設定する
必要がある。
文字数: 293
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
適切な心房間交通が循環動態の維持に必要な先天性心疾患の代表疾患は、完全大血管転位症や左心低形成症候群、純型肺動
脈閉鎖症等がある。不十分な心房間交通により、完全大血管転位症では、体肺循環の血液混和減少により有効肺血流が減少
し、重篤なチアノーゼを呈する。また、左心低形成症候群などの左心狭窄・閉塞性疾患では、肺うっ血が進行し、循環の維
持が困難となる。純型肺動脈閉鎖症などの右心狭窄・閉塞性疾患でも、体うっ血が進行し、循環の維持が困難になる。いず
れも放置すれば循環動態の破綻により生命の危機に繋がる。これらの症状は出生直後から生じることも多く、緊急治療を含
めて、経皮的心房中隔欠損作成術(ラシュキンド法)や外科的心房中隔欠損作成術などが行われている。一方で、非常に狭小
化した心房間交通しかない例、生後1か月以上経過した例、心房中隔に肥厚がある例では、従来のラシュキンド法で十分な
効果がえられないことがある①。また、外科的心房中隔欠損作成術は開心術に伴う様々な危険性及び合併症のリスクおよび
周術期管理のリスクが、特に未熟な出生後早期の場合は比較的高いことが知られている。この手技は内科治療に抵抗する肺
高血圧②③や循環不全に陥ったFontan手術後④に、心房間交通を作成することにより、中心静脈圧を軽減し、体血流量を増
加するための姑息的治療としても行われる。
【出典】・宗内淳.BAS.小児・成育循環器学2018:219-221(①) ・Doyle RL et al. Chest 2004;126:63S-71S(②)
・Feltes TF et al Circulation 2011;123:2607-2652 (③) ・Baumgartner H et al. Eur Heart J 2010;31:29152957(④)
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
カテーテルを用いてガイドワイヤーを左房内もしくは肺静脈まで先進させたのちに、ガイドワイヤーにバルーン(上記の
TMP-PEDバルーンに加えて弁拡張もしくは血管拡張用を含む)を沿わせて心房中隔位まで挿入し、バルーンを広げて心房間交
通を拡大する。心房間交通が閉鎖している場合は、Brockenbrough針、またはRadiofrequency針(またはワイヤ)による心
房中隔穿刺に引き続いて施行する。一般社団法人 日本先天性心疾患インターベンション学会による後方視的調査による
と、2019年に105例が実施されている。
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
K
番号
573
医療技術名
心房中隔欠損作成術
既存の治療法・検査法等の内容
1.経皮的心房中隔欠損作成術(ラシュキンド法)
2.心房中隔欠損作成術 (外科的)
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
-
16,090点
36,900点
2019年に105例が実施され、死亡症例はなく、重篤な合併症は1例でラシュキンド法と同等であった。
また外科的心房中隔欠損作成術の場合には、人工心肺を使用する手術で侵襲度が高く、特に、出生直後の新生児では耐術能
も低く、術後のCapillary leak Syndromeなどのために周術期管理が難しくリスクが高くなり、開胸・人工心肺を用いない
当該方法の有利性がある(Shimizu H. Thoracic and cardiovascular surgeries in Japan during 2017: Annual report by
the Japanese Association for Thoracic Surgery. Gen Thorac Cardiovasc Surg. 2020 Mar 5. doi: 10.1007/s11748020-01298-2)
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