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提案書04(0599頁~0801頁)医療技術評価・再評価提案書 (184 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

256101
アデノ随伴ウイルスベクターを用いた遺伝子治療における拡散防止対策加算
日本小児神経学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

22小児科
リストから選択

関連する診療科(2つまで)
リストから選択

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する


令和4年度
カルタヘナ法加算



追加のエビデンスの有無

提案される医療技術の概要
(200字以内)

脊髄性筋萎縮症の患者への遺伝子治療薬であるゾルゲンスマ(オナセムノゲン アベパルボベク)はアデノ随伴ウイルスベ
クター製品である。投与にあたって、カルタヘナ法を遵守した拡散防止対策が必要となる初の治療薬であり、その医療技術
に対して点数を加算する。

文字数: 122
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

脊髄性筋萎縮症

ゾルゲンスマ(オナセムノゲン アベパルボベク)は、脊髄性筋萎縮症に対する遺伝子治療薬である。既存薬と比較し根治
治療であり費用対効果も高いが、遺伝子組み換え生物等に該当するため、添付文書に記載のとおり、生物の多様性へ悪影響
が及ぶことを防ぐ国際的な枠組みであるカルタヘナ法を遵守した使用が求められる。使用にあたっては厳密な拡散防止措置
を整備する必要があり、専門知識、人的負担,物品調達が必要となる。これらの医療技術の実践には相応の対価が必要と考
えるため保険収載が適切である。また今後出てくると予想される他の遺伝子治療薬にも応用可能であり、臨床現場でカルタ
ヘナ法遵守が進むことが期待できる。

文字数: 292
【評価項目】

①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

脊髄性筋萎縮症と診断された、体重2.6kg以上かつ2歳未満の患者。実際にはI型、II型の患者に限られる。
・脊髄性筋萎縮症は、脊髄前角細胞の障害による下位運動ニューロン疾患で、進行性に筋萎縮、筋力低下を呈する。常染色
体潜性遺伝形式で、日本の疫学調査では発生頻度は0.27-0.51/10,000出生と報告されている。重症度に応じ、I~IV型に分
類される。
・Ⅰ型 (Werdnig–Hoffmann病):生後6か月までに発症する重症型で、自然歴では生涯独座の獲得はなく、呼吸不全・嚥下障
害のため生命予後は2年以内である。生存のためには人工呼吸管理や経管栄養といった医療的ケアを要する。
・Ⅱ型(Dubowitz病):1歳半までに発症する中間型で、独座を獲得できるが独歩は生涯不可能であり、呼吸障害・嚥下障
害も合併する。10歳台で寝たきりになる場合が多い。
・I型とII型で、脊髄性筋萎縮症の60-70%を占める。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

上記の患者に対し、ゾルゲンスマ(オナセムノゲン アベパルボベク)の点滴静注を実施する。一生涯で1度のみの投与であ
る。投与にあたり、参考文献1)の「治療施設におけるカルタヘナ法第一種使用規程マニュアル」に沿って、「本遺伝子組み
換え生物等の原液の保管」、「原液の希釈液の調製および保管」、「運搬」、「患者への投与」、「投与後の患者からの排
泄等の管理」、「患者検体の取り扱い」、「感染性廃棄物の処理」といった管理を厳密に実施することが必要であり,添付
文書にも記載がある。具体的には安全キャビネット・個室・防護服の使用、運搬経路の設定、不活化処理、消毒、排泄物や
感染性廃棄物の処理、患者家族への指導などの対策を、30日間は確実に実施することが求められ、施設内での体制整備が必
要となる。
投与後は発熱や肝機能障害といった副作用が見られるが、ステロイドを併用し状態が安定すれば2週間程度で退院すること
が可能である。

区分

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号

G004

医療技術名

点滴静注(1日につき)
現在ゾルゲンスマを点滴静注する場合は、以下の診療報酬がある。
・点滴に関わる管理に要する費用
・6歳未満の乳幼児に対しては行った場合は、乳幼児加算として46点を所定点数に加算。

既存の治療法・検査法等の内容

脊髄性筋萎縮症に対しては、ゾルゲンスマの他に2つの治療薬がある。
1.スピンラザ(ヌシネルセン):核酸医薬品であり、髄腔内投与である。対象は全年齢であり、4か月おきの投与が生涯に
わたって必要となる。費用は900万円/回である。
2.エブリスディ(リスジプラム):低分子薬であり、経口投与である。対象は月齢2か月以上であり、1日1回連日の投与が
生涯にわたって必要となる。費用は体重10kgの児で、100万円/月である。
現在、脊髄性筋萎縮症と診断がつけば、3つの治療のうちいずれかの治療が行われることが一般的である。
ゾルゲンスマは唯一の根本治療であり、生涯一度の投与であることから、患者負担や費用面を考えてもメリットが大きい。

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