提案書04(0599頁~0801頁)医療技術評価・再評価提案書 (43 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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GERD(NERD)、過敏性食道(reflux hypersensitivity)、機能性胸やけ(functional heartburn)の4つの病態に分けており、これらの鑑別には食道内
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 多チャンネルインピーダンス・pH測定検査が不可欠である。過敏性食道と機能性胸やけには酸分泌抑制薬が有効ではないケースが多く、過敏性食
道では逆流防止術や機能性胸やけではpain modulatorなどの酸分泌抑制薬以外の治療を考慮する必要がある。このように、正確な病態を評価する
後等のアウトカム
ことにより、適切な治療を選択することができ、不必要な酸分泌抑制薬投与を抑制することができる。
「追加のエビデンスには※を付記」
③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
社会医療診療行為別統計によると、2018年6月および2019年6月、2020年6月、2021年6月の「食道内多チャンネルインピーダンス・pH測定検査」の
実施件数はそれぞれ、37、32、9、30件であった。月に約30件行われていると仮定すると、年間の実施件数は約360件である。病態評価としては酸
分泌抑制薬非内服下と内服下の2回実施される可能性があり、さらに治療効果判定などにより3回実施されることもある。以上から、年間対象患
者数は800人、年間実施回数は1,000回と算出した。
見直し前の症例数(人)
300
見直し後の症例数(人)
800
見直し前の回数(回)
360
見直し後の回数(回)
1,000
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
2013年のACGガイドラインで食道内多チャンネルインピーダンス・pH測定検査の有用性が記
載されている(Am J Gastroenterol, 2013; 108: 308-328)。機能性消化管障害をまとめた
Rome IVでは、胃食道逆流症状がみられる患者の病態を酸暴露と食道過敏の程度により、逆
流性食道炎、非びらん性GERD(NERD)、過敏性食道(reflux hypersensitivity)、機能性胸や
け(functional heartburn)の4つの病態に分けており、これらの鑑別には食道内多チャンネ
ルインピーダンス・pH測定検査が不可欠である(Gastroenterology, 2016; 150:1368ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 1379)。胃食道逆流症のコンセンサスレポートでは、PPI抵抗性の胃食道逆流の病態解明に
は食道内多チャンネルインピーダンス・pH測定検査が必要であるとされている(Gut, 2018;
る。)
67: 1351-1362)。日本消化器病学会の胃食道逆流(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版)
では食道内多チャンネルインピーダンス・pH測定検査の有用性が示されている(BQ3-10)。
※アメリカ消化器病学会のガイドラインでも、酸分泌抑制薬抵抗性GERDの病態評価とし
て、本検査を行うことが推奨されている(Clin Gastroenterol Hepatol. 2022;20:984994.e1.)。
「追加のエビデンスには※を付記」
日本消化器病学会の胃食道逆流(GERD)診療ガイドライン2021では、『24時間食道pHモニタリング、食道インピーダンス・pH検査はGERD診療に有用
である。(BQ3-10)。』と記載されている。検査自体は難しくなく、解析にはある程度の専門性は必要であるが、検査機器およびデータ記録解析装
置があれば施行可能である。従来のpH測定に比べて多くの項目を評価する必要性があることから、解析は従来のpH測定に比べて時間がかかるが、
解析ソフトには自動解析機能もあり、解析者に多大な負担はない。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 施設の要件は特にない。
制等)
人的配置の要件
外保連試案2020では、医師1人と看護師1人が必要とされている。
(医師、看護師等の職種や人数、専門 食道内多チャンネルインピーダンス・pH測定検査では自動解析機能があるため、専門性や経験年数などの要件も必要ない。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の GERD診療ガイドライン2021など
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
本検査による危険性はほとんどないが、咽頭・鼻腔刺激や誤嚥の可能性はある。ただし、これらのリスクと頻度は従来のpH検査でも同様であり、
臨床上問題ない。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
該当なし。
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
2,000
61,950
その根拠
外保連試案点数:61,950点
償還できない材料価格:25,520円
外保連試案2020掲載ページ:362
外保連試案ID(連番):E61 1-1610
技術度:D 医師(術者含む):1 看護師:1
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
所要時間(分):60
D
番号
技術名
234
胃・食道内24時間pH測定検査
具体的な内容
胃・食道内24時間pH測定検査が、食道内多チャンネルインピーダンス・pH測定検査に移行する可能性が高い。しかし、依然胃・食道内24時間pH測
定検査も行われており、薬物治療を行っていない患者では同検査も非常に有用であることから、減点や削除は望ましくないと考える。
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
その他:0
予想影響額(円)
276,060,000円
その根拠
現在かかっている医療費: 7,200,000円/年
胃食道内24時間pH測定検査を実施している患者にかかる医療費:検査料20,000円/年
年間実施回数:360回
当該技術導入後の医療費: 61,950,000円/年
食道内多チャンネルインピーダンス・pH測定検査を実施している患者にかかる医療費:検査料61,950円/年
年間実施回数:1,000回
影響額:61,950,000 – 7,200,000 = 54,750,000円
備考
上記のように当該技術を導入すると予想影響額は大きくプラスになってしまうが、当該技術により正確な病態評価を行うことで、不必要な酸分泌
抑制薬投与を抑制することができる。
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
なし
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