提案書04(0599頁~0801頁)医療技術評価・再評価提案書 (27 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
243202
※事務処理用
提案される医療技術名
血圧脈波検査装置
申請団体名
日本循環器学会
03循環器内科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
01内科
関連する診療科(2つまで)
06糖尿病内科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
提案当時の医療技術名
令和4年度
血圧脈波検査装置
有
追加のエビデンスの有無
D
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
214
6
1-A
算定要件の見直し(適応)
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
○
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
該当する場合、リストから○を選択
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
該当する場合、リストから○を選択
「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
文字数: 175
再評価が必要な理由
○
その他」を選んだ場合、右欄に記載
心電図、心音図およびオシロメトリック法を用いて四肢の血圧及び脈波伝達時間を非侵襲的に記録し、血管の硬さもしくは血管機能として脈波伝
搬速度を求めて評価される指標(CAVI検査もしくはbaPWVに代表されるPWV検査)と、上腕と下肢の血圧の比によって求められる閉塞性動脈硬化症
を評価する指標(ABI検査)の、2つの異なる指標を同時に測定可能な検査である。
血圧脈波検査装置で測定される、血管機能検査(PWVおよびCAVI)とABI検査は評価する血管の病態が異なる状態を検査するが、診療報酬上では同
様に扱われている。前回の改定時に血管伸展性検査の条件に通知(5)が追記された事で、同時算定可能なのかどうかの市場の混乱を来してい
る。
一方で各学会が発刊する以下のガイドラインにおいて、これらの検査は個別の病態を評価する物として区別して記載されており、共に予後予測能
が良いとされている。
したがって、血管機能検査で100点、ABI検査で100点の個別算定とし、適応疾患としては、虚血性心疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患(閉塞性動
脈硬化症を含む)、糖尿病として拡大する事が妥当と考える。
日本高血圧学会
:「高血圧治療ガイドライン2019」_Minds記載(参考文献1)
日本動脈硬化学会
:「動脈硬化性疾患ガイドライン2022」
日本循環器学会・日本血管不全学会:「血管不全の生理学的診断指針」
日本循環器学会・日本糖尿病学会 :「糖代謝異常者における循環器病の診断・予防・治療に関するコンセンサスステートメント」
日本循環器学会・日本血管外科学会:「末梢動脈疾患ガイドライン2022」_Minds記載
【評価項目】
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
2020年3月に発行された「糖代謝異常者における循環器病の診断・予防・治療に関するコンセンサスステートメント」にて動脈硬化検査の意義と
糖尿病ステージの関係にて、動脈硬化初期では動脈スティフネスの指標として脈波伝達速度によって求められるPWVやCAVI検査が、進行期には末
梢動脈疾患(PAD)を評価する指標としてABI検査が位置づけられており、動脈スティフネスの亢進とPADは異なる病態である。(参考文献2)
動脈スティフネスは2021年1月に発刊された「血管不全の生理学的診断指針」において基準値が定められ、血管の中膜機能を反映する。一方でPAD
は内膜のアテローム硬化が主体とされ、血流障害を生じるものであるため、異なる検査法による個別の評価として認識されている。2021年3月に
発刊された、「脳卒中と循環器病克服 第二次5カ年計画」において重要3疾患の血管病として、慢性期の予後が不良でQOLを損なう事からPADが取
り上げられている。PADの60%は脳血管疾患や冠動脈疾患を合併するとし、早期発見にはABI検査が推奨されており、ABI0.9未満の患者への早期介
入は動脈硬化疾患すべての予防につながる重要な施策として位置づけ、心血管不全に対する先制医療として血管機能検査の健診や医療機関への導
入を促進する事が記載されている。
特に、米国の無症候性PAD患者へのABI検査の推奨は、AHA POLICY STATEMENTにて、マルコフモデルを用いて65歳以上の者に1回のABI検査を実施
し、その後のスタチン等の予防的治療によって35年間の質調整生存年あたり約890万円の費用対効果があったとし、州に限らず一貫した保険償還
がなされる事を推奨すると記載している。(Mark A. Creager et.all,A Policy Statement From the American Heart Association : Reducing
Nontraumatic Lower-Extremity Amputations by 20% by 2030: Time to Get to Our Feet Circulation. 2021;143:00–00.引用先_65)
また、日本動脈硬化学会の包括的な脂質およびリスク管理ガイドライン2017では、10年間の冠動脈疾患発症の絶対リスクを評価する吹田スコアを
使用し一次予防におけるリスク層別化が推奨されていた。このリスクは3つのカテゴリー(低リスク、中リスク、高リスク)に分類され、一般集
団のCAVIによって評価された動脈硬化の程度と一致するかどうかを調査した結果では、低リスクと比較した中リスクおよび高リスクの、CAVI≥9.0
の多変量調整OR(95%信頼区間)は男性:2.96(1.61–5.43)および7.33(4.03–13.3)、女性:3.99(2.55–6.24)と3.34(2.16–5.16)であり、
ガイドラインで示されたリスク層別化と一致した。(参考文献3)
本邦におけるクリニカルシナリオ(CS1)の急性非代償性心不全(ADHF)とCAVIとの関係を調べた調査では、ADHFの入院患者を対象に1年後の複合
イベント(心臓死もしくは、ADHFによる再入院)発症は、年齢等の交絡因子の調整後もCAVIは独立して、ハザード比は1.69であった。また、CAVI
が8.65以上の高値群であると有意に複合エンドポイントが発症する事を予測できると報告されている。(感度:0.444, 特異度:0.920, AUC: 0.724,
95%CI: 0.614–0.834). (Takahide S, et.al. Cardio‑ankle vascular index predicts the 1‑year prognosis of heart failure patients
categorized in clinical scenario 1. Heart and Vessels. 2020(35)1537–1544)
本邦における血管機能検査は1標準偏差の増加で心血管疾患は19%発症し、フラミンガムリスクスコアに追加するとリスク層別能はnet
reclassification improvement(NRI): 0.247、integrated discrimination improvement(IDI): 0.0068であり(参考文献4)、MACEに対しては
GRACEスコアに追加すると層別能NRI:0.337、IDI:0.028といずれも有意に増加する事が報告されている。(参考文献5)
②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項
D214-6は、通知の(4)「描写し記録した脈波図により脈波伝達速度を求めて行うもの」と(5)「閉塞性動脈硬化症」とされている。一方で算
定時に概ね適用される疾患は、ABI検査にて評価される「閉塞性動脈硬化症」が一般的傾向であるため区別されていない。算定頻度は概ね6ヶ月に
1回、100点として算定されている。
D
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
214
6
医療技術名
血圧脈波検査
625