提案書04(0599頁~0801頁)医療技術評価・再評価提案書 (88 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
248201
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
静脈麻酔
日本小児栄養消化器肝臓学会
22小児科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
31麻酔科
関連する診療科(2つまで)
20小児外科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
提案当時の医療技術名
令和4年度
静脈麻酔
有
追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
L
001-2
1-A
算定要件の見直し(適応)
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
○
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
該当する場合、リストから○を選択
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
該当する場合、リストから○を選択
「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
○
その他」を選んだ場合、右欄に記載
静脈注射用麻酔剤を用いた全身麻酔であり、意識消失を伴うものをいう。MRI検査や心臓カテーテル検査・治療等、小児の静脈麻酔(深鎮静)
は、大部分の病院で麻酔科医以外が実施している(静脈麻酔2)。より安全な小児深鎮静の実現には、深鎮静に焦点を当てた医療資源の確保が必
要である。麻酔科医のサーベイランス体制整備など、より厳密な算定要件を追加することと併せて静脈麻酔2の増点や加算年齢区分の見直しを提
案する。
文字数: 199
再評価が必要な理由
低い発生割合であっても重篤なリスクに備えるために人的配置をすべきであるが、静脈麻酔2の診療報酬が不十分であることがコスト評価の上で
現実的な妨げになっている。長時間鎮静では赤字が拡大する構造にもなっており、十分な資源が確保しにくい。2014年改定で麻酔科医が実施する
静脈麻酔3が実現し、2020年改定で増点されたが、小児における算定件数はほとんど増加していない一方で、小児領域での鎮静に関連する医療事
故は減少していない(添付資料2)。登録事故症例では、原因は薬剤だけでなく、基礎疾患と不十分な患者モニタリング (年齢が高くても事故は
発生する)に関連する事案が多い。臨床現場の安全確保には患者モニタリングに対する物的・人的資源の確保と適正な環境整備が必要と考える。
具体的には、主担当科(検査担当科)のスタッフが十分な体制で深鎮静を実施するとともに、急変時応援のための麻酔科医の配置が求められる。
静脈麻酔2の増点や加算年齢区分の見直しに加えて、麻酔科医のサーベイランス体制整備などの算定要件調整により安全な深鎮静に必要な資源と
環境を確保する必要がある。
【評価項目】
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
添付資料1の通り、小児の長時間麻酔(深鎮静)において静脈麻酔3はほとんど算定されておらず、大部分が静脈麻酔2を算定している。一方で
深鎮静に伴う有害事象はまれではなく(添付資料3)、深鎮静に関連した重大事故は減少傾向を示していない(添付資料2)。検査時鎮静の安全
性を向上させるため小児鎮静下MRI撮影加算が設定されたが、算定率は非常に低く、かつ増加していない(文献5)。非麻酔科医による安全な小
児の深鎮静を確立するための方策が必要である。これらの方策に加えて麻酔科医によるサーベイランスを組み合わせることで、麻酔科医の不足す
る状況でも安全な静脈麻酔を施行できる方策を設定したい。
②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項
静脈麻酔
1 短時間のもの 120点 2 十分な体制で行われる長時間のもの(単純な場合) 600点 3 十分な体制で行われる長時間のもの(複雑な場合)
1,100点 (麻酔科医のみ算定可能)
<通則>未熟児、新生児の場合100分の200、乳児の場合100分の50、幼児(3歳未満)の場合100分の20がこれに加算される。さらにL001-2 静脈麻酔
については3歳以上6歳未満の幼児について100分の10が加算される。
L
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
001-2
医療技術名
静脈麻酔
③再評価の根
拠・有効性
標準的な鎮静プログラムの受講は、小児鎮静の質を向上させることができると観察研究により示されている(文献4)。さらに、鎮静時の換気モ
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 ニターとしての呼気炭酸ガスモニターの使用も、低換気に対する早期介入を可能とすることが介入研究で証明されている(文献3)。この2点は
北米などの小児処置鎮静ガイドラインでも標準的な勧奨に含まれる(文献2)。麻酔科を専門とする医師による静脈麻酔により有害事象が減少す
後等のアウトカム
る頑健なエビデンスは無いが、コンセンサスとして静脈麻酔2と3の点数格差が設定されている。
ガイドライン等での位置づけ
蘇生が行える医師が検査・処置・手術に一切携わらず麻酔時間を通して麻酔に専念して実
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
施することが安全のために最も肝要である。これに加えて、呼気炭酸ガスモニターの利用
る。)
が推奨されている(参考文献1および2)。
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