提案書04(0599頁~0801頁)医療技術評価・再評価提案書 (190 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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知的障害・てんかんなど症状から疑った患者382人について本スクリーニングを実施し、18人の新規症例を診断した
(4.7%)。また全エキソーム解析によって同定された37名の遺伝子変異について、本検査による機能解析を行い確定診断する
ことができた。また既診断のIGD症例14例と健常人80例で本検査をSRL社に技術移転して委託し、カットオフ値を決めた
(AUC :0.980, IGDを強く疑うカットオフ値<40000)。この方法でSRL社にて疑い例172例のスクリーニングを実施したとこ
ろ、カットオフ値以下の新規症例が5例あり(3%)、診断基準によりIGD probableとし、そのうち4例について遺伝子パネル
解析によりIGDの責任遺伝子を同定し確定した(診断率80%)。
3
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
年間対象患者数(人)
200
国内年間実施回数(回)
200
先天性GPI欠損症の診療ガイドライン(2018年版,現在改訂中)小
児代謝異常学会の政策班(中村班)でシステマティックレビュー
が済みMindsに則ったガイドラインの改訂が進行中。現在公開し
ている2018年度版はMindsには則っていないがAGREEⅡを使って自
己評価を行い、推奨可であると判断している。(発行団体; 厚
生労働科学研究・先天性GPI欠損症研究班・日本小児神経学会、
日本先天代謝学会、厚労省政策班(中村班))検査所見では多く
の症例で末梢顆粒球のフローサイトメーター解析により、CD16の
発現低下を示すと記載している。診断基準では、臨床症状を満た
し、末梢顆粒球のフローサイトメーター解析によりCD16低下を認
めるものをIGD probableとし、さらに遺伝子解析にて関連遺伝子
に変異を認めるものをIGD definiteとしており、両者とも指定難
病・小児慢性特定疾病の医療助成の対象に含めている。
※患者数及び実施回数の推定根拠等
IGDもCDG(先天性糖鎖異常症)の1病型で症状がオーバーラップしているので、IGDを含めたCDGのスクリーニングをフローサ
イトメトリー検査と質量分析を併用して実施しており、まもなく質量分析もSRL社での委託検査がはじまる。母子医療セン
ターでは年間約200例のサンプルを解析しているので症状から疑われる症例は年間この程度はあると考えられる。
⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
研究室で行っていた検査をSRL社に委託してこちらで指示したプロトコール通りに対象患者のスクリーニングを行ってい
る。きちんと精度管理が行われており、健常人および患者検体の値からカットオフ値を決めている。フローサイトメーター
によるCD16の発現解析はリンパ球においては臨床検査としてすでに施行されているので、汎用性があり他の検査施設でも同
様の精度管理を行えば、再現性がある。技術的には薬事承認された抗体試薬を使用し、フローサイトメーターを扱う施設で
実施可能な検査である。フローサイトメーター解析に習熟した技術者であれば可能である。
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
一般的なフローサイトメーター解析と技術的には同様で、通常のフローサイトメーター検査を受け付けている検査会社は施
行可能であるが、カットオフ値を使う為には、同じ試薬を使用し、同じ蛍光ビースで機械の設定を同様に行う必要がある。
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)
フローサイトメーター解析に習熟した技術者であること。
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)
当該技術の判断及び実施に当たっては、日本臨床検査標準協議会(JCCLS)フローサイトメトリーによる末梢血リンパ球表
面抗原検査に関するガイドライン(H1-A V2.0)を参考にすること。
⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
通常の採血と同じ
⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
問題無し
D
妥当と思われる診療報酬の区分
⑩希望する診療
報酬上の取扱い
点数(1点10円)
800点
その根拠
現在委託しているSRL社での解析費用が8,000円(消費税抜き)
区分
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)
区分をリストから選択
番号
該当なし
技術名
該当なし
具体的な内容
該当なし
増(+)
プラスマイナス
予想影響額
該当なし
予想影響額(円)
1,600,000円
その根拠
年間200人の発生で8,000円の検査費として、200人X8,000円=160万円がかかる。
備考
年齢に関わらず、感度と特異性が高い検査なので、早期診断が可能になる。ビタミンB6などの投与による早期治療が可能に
なりけいれん発作の抑制などによる発達の改善が期待され重症化の抑制、合併症の抑制に伴う医療費の減少が見込まれる。
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