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提案書04(0599頁~0801頁)医療技術評価・再評価提案書 (73 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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研究結果

1.乳児期早期に湿疹コントロールを良好にした上で、生後6か月から鶏卵を摂取することで、1歳時の鶏卵アレルギー発
症を予防できる。(Lancet. 2017 Jan;389:276-286)
2.乳児早期からの皮膚管理において、保湿剤による介入が対照に比べて月齢8時点のアトピー性皮膚炎の罹患率を下げ
る。(J Allergy Clin Immunol. 2014, 134: 824-830)
3.日本小児アレルギー学会員689名に対するアンケート調査では、アトピー性皮膚炎の再診診療時間は一般的な再診診
療と比較し、1.5倍から3倍時間を要すると回答したのが59%、食物アレルギーは48%であった。(日本小児アレル
ギー学会誌 2019:33: 263-272)
1a

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021:治療方法は①薬物
療法、②皮膚のスキンケア、③悪化因子の検索と対策の3点が基
本になる。

ガイドライン等での位置づけ

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

小児気管支喘息治療管理ガイドライン2020:(危険因子とそ
の対策)喘息の急性増悪に関わる環境因子を明らかにして調整す
ることは、薬物療法、患者教育と並んで喘息治療・管理の大きな
柱の一つである。ダニ対策は急性増悪(発作)の予防効果や吸入
ステロイドの減量効果を認める
食物アレルギーガイドライン2021:(食物アレルギー患者の
管理)正しい診断に基づいた必要最小限の原因食品の除去につい
て医師や看護師によって食事指導を行うことが求められる.

⑥普及性

年間対象患者数(人)

10,000人

国内年間実施回数(回)

60,000回

※患者数及び実施回数の推定根拠等

アレルギー疾患は罹患率が高いことが特徴であるが、その多くは軽症〜中等症であり、かかりつけ医での診療が主たるも
のである。それらに対する指導管理は6歳未満では小児外来診療料、小児かかりつけ医診療料、特定疾患療養管理料に包括
されており、本医学管理の対象外と考える。
本指導管理はアレルギー疾患医療拠点病院等、アレルギー診療に精通する医師が常勤している病院において、20分以上
の指導管理を要するようなコントロール不良な重症・難治性・複数アレルギー疾患を有する患者が対象となる。(コント
ロール状態が良好な場合は指導管理は20分必要なことはなく、通常の診療で対応できる。)
15歳以下の人口は約1,500万人であり、令和3年度に実施した厚生労働省のアレルギー疾患疫学調査では気管支喘
息の15歳未満の有病率は約10%(150万人)、アトピー性皮膚炎は約20%(300万人)、食物アレルギーは約1
0%(150万人)であった。この中で、気管支喘息は重症と判断される重症持続型は約5%(7.5万人)(参考文献
1)、重症アトピー性皮膚炎は2%(6万人)(参考文献2)、アナフィラキシーを有する食物アレルギーは9.6%(1
5万人)(参考文献3)である。これらの疾患は合併している事が多いため(参考文献4)、総じて10万人程度が重症・
難治性の小児アレルギー疾患患者数と考えられる。しかし実際には、重症気管支喘息やアトピー性皮膚炎で生物学的製剤を
使用している14歳以下の児は1,000人程度である(令和2年度NDBオープンデータ)。
よって、本管理料に該当するコントロールが不良な患者を多く見積もって10,000人程度と推定した場合、年で最大
年6回算定できるようにし、60,000回/年とした。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

【学会等における位置づけ】小児アレルギー疾患に対する環境調整や指導管理はガイドラインにも記載されており、治療の
柱の一つである。
【技術の難易度】かかりつけ医等で対応な困難な重症度の患者に対する指導管理であり、小児アレルギー疾患医療の経験が
10年以上ある常勤医を有する小児科を標榜する医療機関が望ましい。

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)

小児科を標榜する保険医療機関

人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)

小児アレルギー疾患医療の経験を10年以上ある常勤医がいること
1.小児外来診療料や小児かかりつけ医診療料、特定疾患指導管理料とは同時に算定しない

その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

2.小児気管支喘息治療管理ガイドライン2020(日本小児アレルギー学会)、食物アレルギー診療ガイドライン202
1(日本小児アレルギー学会)、アトピー性皮膚炎ガイドライン2021(日本皮膚科学会・日本アレルギー学会)学校の
アレルギー失火に対する取り組みガイドライン(財団法人日本学校保健会)、学校給食における食物アレルギー対応指針
(文部科学省)、保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(厚生労働省)

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

診療における指導であり安全性に問題はない

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

倫理性に問題なく、社会的には増加しつつあるアレルギー疾患への対応が向上することが期待される。

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