提案書04(0599頁~0801頁)医療技術評価・再評価提案書 (41 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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提案番号(6桁)
申請技術名
申請学会名
244201
ベドリズマブ(生物学的製剤)の外来化学療法加算
日本消化管学会
【技術の概要】潰瘍性大腸炎及びクローン病治療薬であるベドリズマブの外来化学療法加算の算定。
【再評価が必要な理由】ベドリズマブはモノクローナル抗体薬で、初回投与後、2週、6週に投与し、以降8週間隔で点滴静注する。ベドリズ
マブは他のモノクローナル抗体療法同様、添付文書で注意喚起されている通り、まれに重篤な過敏性反応・infusion reactionが生じ
る可能性が考えられる。これらを発症した場合に、迅速に対応できる専門の医療関係者が入院でなく外来で対応できるようになれば、患
者の負担の軽減、より安全な投与の実現、総合的な医療費の抑制等々につながると考えられる。このような重篤な副作用が起きた場合
でも迅速・適切に対応するだけのスペースや専門的な医療関係者(医師・看護師・薬剤師など)を配置可能とするために診療報酬上の評価
が必要と考える。なお、同じ潰瘍性大腸炎及びクローン病の適応を有し、点滴静注のインフリキシマブは外来化学療法加算の対象となっ
ており、ベドリズマブも加算対象となることが妥当と考える。
【対象疾患・患者数】
・潰瘍性大腸炎(推定患者数:約22万人)のうち、中等症から重症の患者*
・クローン病(推定患者数:約7万人)のうち、中等症から重症の活動期の患者*
①2022年9月時点のベドリズマブの治療を受けている患者数は約8,500名(潰瘍性大腸炎7,500名、クローン病1,000名)で、こ
のうち、外来化学療法加算の要件を満たす施設での投与例は約6,000名と推計される。実際に外来化学療法加算を算定する患者
数は約80%(インフリキシマブにおける実際の算定割合)の5,000名以下と考えられる。よって、最大で予想される当該技術に係る
年間医療費は11,100万円=患者数5,000名×加算370点×6回/年(8週間隔投与)と考えられる。
②ベドリズマブを潰瘍性大腸炎に対して入院で投与した場合、1日目は10,158点(薬剤費抜き)、2日目は1,745点、クローン病対し
て入院で投与した場合、1日目は7,390点(薬剤費抜き)、2日目は1,740点のDPC点数が算定される。現在、入院で投与されてい
る患者の割合は全体の約4.0%であるため、これらの患者が1泊2日の入院で投与される場合、最大で年間医療費は潰瘍性大腸炎
患者数7,500名×約4.0%×入院費用11,903点×6回/年(8週間隔投与)+クローン病患者1,000名×約4.0%×入院費用
9,130点×6回/年(8週間隔投与)と考えられる。
①ー②よりベドリズマブが外来化学療法加算に算定される事で最大12,617万円の医療費抑制になると考えられる。
【参考の診療報酬(類似事例)】
イ 外来化学療法加算1 ① 15歳未満670点② 15歳以上450点
ロ 外来化学療法加算2 ① 15歳未満640点② 15歳以上370点
<通則>外来化学療法加算は、次に掲げるいずれかの投与を行った場合に限り算定する。
ア関節リウマチ、クローン病、ベーチェット病、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬又は乾癬性紅皮症の
患者に対してインフリキシマブ製剤を投与した場合
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*参考資料:厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業難治性炎症性腸管障害に関する調査研究総括研究報告書(平成28年度)