提案書06(0999頁~1199頁)医療技術評価・再評価提案書 (107 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項
・対象患者:日本呼吸器学会「COPD(慢性閉塞性肺疾患) 診断と治療のためのガイドライン」の病期分類でⅢ期以上の状態となる入院中の患者
以外の患者 ・医療技術の内容:前回受診月の翌月から今回受診月の前月までの期間、情報通信機器を活用して、脈拍、機器の使用時間及び酸素
流量等の状態について定期的にモニタリングを行った上で、状況に応じ、療養上必要な指導を行った場合に、2月を限度として来院時に算定する
ことができる。患者の同意を得た上で、対面による診療とモニタリングを組み合わせた診療計画を作成する。当該計画の中には、患者の急変時に
おける対応等も記載し、当該計画に沿って モニタリングを行った上で、状況に応じて適宜患者に来院を促す等の対応を行う。なお、 当該モニタ
リングの開始に当たっては、患者やその家族等に対し、情報通信機器の基本的な操作や緊急時の対応について十分に説明する。当該加算を算定す
る月にあっては、モニタリングにより得られた臨床所見等及び行った指導内容を診療録に記載すること。療養上必要な指導はビデオ通話が可能な
情報通信機器を用いて、オンライン指針に沿って行うこと。
遠隔モニタリング加算として、2,400点を所定点数に加算する。 ・点数や算定の留意点事項:同月に在宅酸素療法指導管理料2400点の算定は出
来ない。
C
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
医療技術名
103
在宅酸素療法指導管理
遠隔モニタリング
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 遠隔医療は、従来の対面診療での頭痛相談と同様に安全で有効であり、対象となる群発頭痛患者を含む頭痛患者にとって、より便利な解決策とな
り得るとsystematic reviewにて示唆されている。(Cephalalgia 2022, Vol. 42(13) 1397–1408)
後等のアウトカム
③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
日本脳神経外科学会の協力を得て、日本神経学会、日本頭痛学会および日本治療学会の共
同監修により「Minds診療ガイドライン作成の手引き」2014年版に準拠して作成されMinds
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
に掲載された「頭痛診療ガイドライン2021」に[三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)、CQⅣる。)
7. 群発頭痛の在宅酸素療法はどのように実地するか、 CQ I-24 頭痛診療において遠隔医
療は有用か 有用である(弱い推奨/エビデンスの確実性B)]と記載あり
群発頭痛患者の群発期において在宅酸素療法を行なっていた患者が、対面診察の代わりに情報機器を用いたオンライン診療を用いるため、医療費
の増減はないと推測される。日本システム技術よりデータを提供。2020年1月〜2020年12月「群発頭痛症候群(G440)」および「在宅酸素療法指導
管理料(C103)」に関する患者数、レセプト件数集計より、群発頭痛の在宅酸素療法指導管理料の回数42回/年、19人/年と算出した。
見直し前の症例数(人)
0人
見直し後の症例数(人)
19人
見直し前の回数(回)
0回
見直し後の回数(回)
42回
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
・頭痛の診療ガイドライン2021(日本頭痛学会・日本神経学会・日本神経治療学会)が整備され公開されている。日本頭痛学会により専門医認定
制度が確立しており、日本神経学会の専門医がカバーする重要な領域のひとつとして、一次性頭痛(慢性頭痛)が掲載され、慢性頭痛のオンライ
ン診療e-learningも厚生労働省からの要請で作成して運営している。(https://medicalprime.jp/e-learning/jhs_e-learning/)
・群発頭痛に関するオンライン診療の幅広い知識と当該患者に対し、適切な診療を遂行できるシステムがある。
施設の要件
頭痛診療に3年以上の経験を有し「慢性頭痛のオンライン診療e-learning」を修了した常勤医師がいる施設(脳神経内科、内科、脳神経外科、小
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 児科)
制等)
指導を行う医師は慢性頭痛とオンライン診療に関する幅広い知識を有し、当該患者に対し、適切な態度で診療を遂行できる必要がある。頭痛診療
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 に3年以上従事しており、頭痛学会専門医、神経学会専門医、脳外科専門医、小児神経専門医等、専門知識を有する医師を対象とする。また、頭
痛学会や神経学会が実施する頭痛医学の研修もしくは、「慢性頭痛のオンライン診療e-learning」を修了した医師を対象とする。
性や経験年数等)
「頭痛の診療ガイドライン2021」(日本頭痛学会・日本神経学会・日本神経治療学会)を遵守する。
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の また、厚生労働省が制定した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を遵守し、指導内容につき、カルテに記載し、酸素利用時間や流量お
よび頭痛の症状経過が明確になるよう頭痛ダイアリー等の記録の写しをカルテに添付もしくは記載する。
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
問題なし
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
問題なし
⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
見直し前
0点
見直し後
2,400点
その根拠
対面診療の在宅酸素療養指導管理料2,400点と同等の点数。
区分
区分をリストから選択
番号
特になし
技術名
特になし
具体的な内容
特になし
減(-)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
62,337,331
その根拠
対面診療からオンライン診療で利用するため在宅酸素の利用数に影響はなく増減はしない。ただし、初診料と再診料が情報機器を用いた場合、約
87%であることから、初・再診料の約17%減(12.41点/回)、加えて外来管理加算が算定出来ないことより約50点/回当たり減が予想される。
(12.41点+50点)x42回/年x10円/点=26,212.2円。19人が対象とされ26,212.2円x19人=498,031.8円医療削減となる。一方、在宅酸素療法を専門医に
アクセスできずに導入できない群発頭痛患者は、激烈な頭痛のため、群発期に夜間救急車を要請し、しばしば救急外来を受診し高濃度酸素吸入療
法を受けている。その度に、行われる不必要な画像検査、血液検査および点滴治療や受診が抑制され、本指導料の導入により必要な医療費は上記
と併せて62,337,331円の減少となる。その算出根拠は、以下のとおりである。画像検査(MRI:1530点、診断:450点)2回の内1回は節減できる。
救急外来受診(群発頭痛発作は夜間〜朝方に起こりやすいため)深夜初診480点+再診420点が29日間(群発期間を30日)。不必要な採血検査166
点x30日間。点滴98点x30日間。酸素吸入65点x30日間。1530点+450点+480点+420点x29日+166点x30日+(98点+65点)x30日=24,510点 24,510点x10円/
点=245,100円。在宅酸素療法を導入することで、在宅酸素療法指導管理料2,400点および、在宅酸素療法材料加算100点、酸素濃縮装置加算4,000
点、酸素ボンベ加算(携帯用酸素ボンベ)880点となり合計7380点となる。その差額は、245100円-73800円=171,300円節減になる。該当する群発
頭痛患者数は年間361人と推定される。171,300円x361人/年=61,839,300円。上記と合計して498,031円+61,839,300円=62,337,331円の医療費削減
となる。
備考
救急車の出動回数の削減になる。また、働き方改革が叫ばれている救急医療現場の医療従事者の負担軽減にもなる。さらには、働く世代の疾患で
もあり、日本経済への損失や患者自身の失職を防ぐことにもなる。
1105