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提案書06(0999頁~1199頁)医療技術評価・再評価提案書 (175 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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概要図書式

提案番号(6桁)

申請技術名

申請学会名

287201

経頭蓋磁気刺激療法

日本精神科病院協会

【技術の概要】
経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法は、パルス磁場を用いて脳皮質の局所領域に電流を誘導し、ニューロンを刺激する
ことによって、成人のうつ病患者の治療を行う。

【対象疾患】
既存の抗うつ剤治療で十分な効果が認められない、成人のうつ病患者
令和2年患者調査によると、成人うつ病患者数は約 126万人、その内、薬剤抵抗性患者は3割と推定され、当該技
術の年間対象患者は38万人と考えられる。

【既存治療との比較・有効性】
中等症以上のうつ病には、抗うつ薬による単剤療法が推奨されている。抗うつ薬による薬物療法に反応しない場合に従
来は、1.他の抗うつ薬への切り替え、2. 増強療法、3. 電気けいれん療法(ECT)、などの治療選択肢が検討されて
いる。各治療法の対象となる患者の臨床的背景は異なるため、単純に効果量を比較することはできないが、以下の通り
報告されている。rTMSの効果量は0.55(95%信頼区間 0.38-0.72)、抗うつ薬は0.31(0.27-0.35)、ECT
は0.91(0.54-1.27)。

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)適正使用指針;
日本精神神経学会 2018年

【診療報酬上の取り扱い】

I-0002 経頭蓋磁気刺激療法;当該技術は令和元年6月より保険収載(1,200点/回、上限30回)された。rTMS療法は別に厚生労働大臣が定める施設基準に適
合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、成人のうつ病患者(既存の抗うつ剤治療で十分な効果が認められない場合に限る)に対して、経
頭蓋治療用磁気刺激装置による治療を行った場合に限り算定される。

【再評価すべき内容・理由】
現行の施設基準及び点数では医療機関の提供体制及び収益性の観点から、rTMS療法の普及の妨げになっている。また、治療期間と評価の実施時期の制限により、うつ
病患者に対し十分な治療が提供できないため、以下の見直しを要望する。
再評価区分
1-B 算定要件の見直し(施設基準)
2-A 点数の見直し(増点)

見直し前
認知療法・認知行動療法
1,200点

6 その他(治療期間の制限)
6 その他(評価の実施時期)

治療期間上限:6週(最大30回)
治療効果の評価:第3週目

見直し後(理由)
常勤の精神保健指定医が2名以上在籍している医療機関
3,000点(rTMS療法に掛かる医療機関の費用と、費用対効果分析の結果に
よる医療経済的な観点より増点)
8週(治療が連休等にかかる場合にも30回の実施が可能)
20回目(上記の「治療期間の制限」の見直しに伴う変更、海外ガイドラインでは
反応性の判断は最低でも20回実施後を推奨)

【予想影響額】

増(+): 5,630万円 = 6,120万円(予想される当該技術に係る年間医療費)-490万円(当該技術に係る現行の年間医療費)
1173

本治療によって、うつ病が寛解することにより当該患者のうつ病治療に係る医療費が減額することは想定できるが、明確な統計資料等が得られないため予想影響額の計算には含めない。