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提案書06(0999頁~1199頁)医療技術評価・再評価提案書 (140 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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概要図書式

提案番号(6桁)

申請技術名

申請学会名

286103

射出精子凍結・融解に関する診療報酬点数の新設

日本生殖医学会

【対象疾患】
①男性不妊症のうち高度の乏精子症(一般的には精子濃
度100万/mL以下:通常の精液検査では精子を発見できな
い可能性もある状態)を有する患者
②薬物療法無効の逆行性射精患者(射精時精液が膀胱内
へ流入する。精液量の高度な減少または無精液症を呈す
る)。マスターベーション後の尿中に精子が10~15/強視
野で存在すれば本疾患と診断される。
頻度については正確なデータはないが
①高度乏精子症の症例は当院のデータでは男性不妊患者
400例に対し10例程度
②逆行性射精患者は男性不妊患者の0.3~2%といわれる。
【技術の概要】
採取できた精子(精液)を凍結保存し、生殖補助医療を
行う際に融解して体外受精・顕微授精に用いる。
【診療報酬上の取り扱い】
現状では精子の凍結・融解はほかの技術に包括されてお
りそれ単独では診療報酬を請求できない。
適応

精子の採取法

凍結保存が必要な理由

高度乏精子症
(原疾患問わず)

射出精液を洗浄(精液を遠心
し沈渣内の精子を採取:通常
の検査では精子を検出できな
いため)し採取

非常に精子数が少なく常
時精子を獲得できるとは
限らないため、顕微授精
時バックアップが必要

マスターベーション・オーガ
ズム後の尿中から採取(膀胱
内精子回収:保険未収載)

精子回収と採卵のタイミ
ングが合わない可能性が
ある。また尿中から精子
を集めるため常時良好な
精子を獲得できるとは限
らない。

逆行性射精
(三環系抗うつ薬
無効例)

【技術の有効性】
技術導入後の手順

従来の手順
射出精子

射出精子

体外受精・顕微授精

体外受精・顕微受精
バックアップ保管

精子保存できない

採卵しても精子が
いないことがある。
採卵・採精のタイ
ミングが合わない。

精巣内精子採取術
件数増加

高度乏精子症

逆行性射精

採卵日に精子
を獲得できな
かった場合に
使用

採卵日に良好な
精子を獲得でき
なかった際に使

無用の精子採取術
を減少:患者の負担減

従来、射出精液が得られない(主に逆行性射精を有する患者:
薬物療法無効例)、精液内に極度に精子の少ないなど、いつも
安定して精子が得られないような患者では、えた精子を液体窒
素を用いて、得られた精子の個数により1~複数回分に分け凍
結保存し、後日融解し生殖補助医療に供していた。現状でこの
方法が保険診療で適用できない場合、確実に精子を採取するた
めに精巣内精子採取術を行わざるをえず、患者への侵襲も大き
くなる。それゆえ、射出精子の凍結、融解について保険収載の
必要があると考える。多くの場合、精子の凍結期間は1年程度
と予想される。
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