提案書06(0999頁~1199頁)医療技術評価・再評価提案書 (75 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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プレーンテキスト
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提案番号(6桁)
申請技術名
申請学会名
281202
生殖細胞系列BRCA1/2病的バリアント保持者に対する膵癌サーベイランスの
一環としての磁気共鳴画像(MRI)
日本膵臓学会
【技術の概要】
【既存の治療法との比較】
生殖細胞系列BRCA1/2病的バリアント保持者は膵癌発症高
リスクである事が判明している。膵癌は早期診断、切除が唯一
の完治可能な手段である。遺伝的素因による膵癌発症高リスク
群に対し国内外のガイドライン・提言で推奨されている超音波
内視鏡検査(EUS)および磁気共鳴画像(MRI)、ヘモグロビン
A1cおよび空腹時血糖によるサーベイランスが必要である。本
申請では当該病態に対するMRIの保険適応を提案する。
国内からの報告でBRCA1, BRCA2陽性の場合の膵癌発症
に関するオッズ比は、12.6、10.7である(JAMA Oncol.
2022;8(6):871-878.)。このように発症リスクが高いこと
が判明している個人に対して現時点ではサーベイランスが保険
診療下に行うことができないため、症状が出現してはじめて認
識されることになる。システマティックレビューでは、サーベイ
ランスを行っていない群における切除可能膵癌割合は25%、
サーベイランス群における切除可能膵癌割合は60%であった
(World journal of gastroenterology.
2015;21(28):8678-86.)。
【対象疾患】
BRCA1/2の生殖細胞系列病的バリアントを保有する個人
【有効性及び診療報酬上の取扱い】
膵癌は切除術が唯一の根治療法で、切除術においても再発率
が高いため早期診断が極めて重要である。国内外のガイドライ
ンでは超音波内視鏡検査、MRI、ヘモグロビンA1cおよび空腹
時血糖によるサーベイランスが推奨されているが、国内では保
険収載されていない。以上よりBRCA1/2の生殖細胞系列病
的バリアントを保有する個人に対して膵癌サーベイランスの保
険収載の必要性があると考えられる。サーベイランスにより切
除可能な病態で発見され患者が増加することが期待され、そ
れらの患者には根治の可能性がある。我々の試算ではサーベイ
ランスの普及により膵癌で死亡せずに済む事例が約1500件
発生する計算となる。
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