提案書06(0999頁~1199頁)医療技術評価・再評価提案書 (141 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
286201
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
抗ミュラー管ホルモン測定要件の緩和
日本生殖医学会
25産婦人科・産科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
提案当時の医療技術名
リストから選択
─
有無をリストから選択
追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
D
008-52
1-A
算定要件の見直し(適応)
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
該当する場合、リストから○を選択
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
該当する場合、リストから○を選択
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
該当する場合、リストから○を選択
「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
○
その他」を選んだ場合、右欄に記載
抗ミュラー管ホルモンは主に3-9mm程に育った原始卵胞(前胞状卵胞、小胞状卵胞)の顆粒膜細胞から分泌される糖タンパク質で、血清又は血漿
を検体としてEIA法、CLEIA法又はECLIA法により測定が可能で、この測定により、その時点での女性の「原始卵胞の数」=「卵巣予備能」を知る
よい指標となります。また、その他の指標(FSH, AFC)と比較し、月経周期の影響がほとんどなく、簡便に行える検査です。
文字数: 198
再評価が必要な理由
現在、調節卵巣刺激療法の治療方針決定を目的とした場合は6月に1回の算定が既に認められていますが、それ以外の方には認められていません。
要件を緩和し、より早期にこの検査を実施することで、ご自身の卵巣予備能を知った上でその後の不妊症検査や治療を選択することが可能とな
り、納得して治療を受けていただくこと、効率よく治療を実施することができ、早期の妊娠成立に大きく寄与するものと考えられます。不妊治療
において治療の「ステップアップ」のタイミングは非常に重要であり、その判断の材料の一つとして「卵巣予備能」=AMH値を用いることは極め
て有用性が高いと考えられます。また、早発卵巣不全や多嚢胞性卵巣症候群の早期診断、婦人科領域の手術、がん化学療法、放射線療法の卵巣機
能への影響の評価にも有用です。
【評価項目】
挙児希望患者におけるAMH測定の必要性について:
AMH高値の場合:高確率でPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)が考えられ、卵巣形態より客観的な指標となりうる。カットオフの設定は世界的には未だ
議論中であるが、多くの報告で3-4くらいとされつつあり、日本の実態調査データも同様である。日本産科婦人科学会PCOS小委員会において、保
険収載されれば日本のPCOSの診断基準に入る可能性があるとされています。
PCOSの場合、一般不妊治療でもOHSSのリスクがありAMH値が良い指標となります。カットオフは4-8くらいが妥当とされています。ARTの場合、AMH
値を指標にした、OHSSリスクが低減できるエビデンスレベルの高い報告があります。
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
AMH低値の場合:一般不妊治療でも成績低下や妊娠までの期間が延長するとの観察研究が複数あり、カットオフは1前後とされています。日本産科
婦人科学会小委員会の実態調査では、AMH値1.1未満で、胚移植あたりの成績は同等だが、採卵あたりでは同年代平均より低い傾向で、低い場合に
は、複数回の採卵が必要になる可能性があり、不妊治療ステップアップのよい指標となると考えらます。
卵巣手術の場合:AMH測定で卵巣機能への手術の影響を定量化することが可能となります。内膜症性嚢胞の場合、片側で1前後、両側でさらに0.51くらい低下することが複数のメタ解析で示されています。AMH値が低い場合に不妊治療成績が不良であることを考えると、内膜症性不妊では術式
選択の指標とする妥当性があると考えられます。どのような手術がAMH値への影響が少ないかについてもRCT,メタ解析等エビデンスレベルの高い
報告があります。
②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項
不妊症の患者に対して、調節卵巣刺激療法における治療方針決定を目的として、血清又は血漿を検体としてEIA法、CLEIA法又はECLIA法により測
定した場合に、6月に1回に限り算定できる。(600点)
D
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
008-52
医療技術名
抗ミュラー管ホルモン(AMH)測定
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 特になし
後等のアウトカム
③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ
産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2020:POI(CQ313)と排卵障害に対する排卵誘発法
の注意点(CQ324)で卵巣予備能の指標としてAMHが有用と記載されています。また、不妊症
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
原因検索の検査(CQ318)で「原因検索としての検査には該当しない」が「排卵誘発剤に対
る。)
する卵巣の反応性を予測し,患者への説明や至適な排卵誘発法の選択にあたっての判断材
料となる一次検査と位置づけられつつある」との記載があります。
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