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提案書06(0999頁~1199頁)医療技術評価・再評価提案書 (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

280102
多遺伝子パネル検査
一般社団法人

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

日本人類遺伝学会

38その他(診療科名を右の空欄に記載する。)

遺伝診療科

35臨床検査科
関連する診療科(2つまで)
38その他(診療科名を右の空欄に記載する。)

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の

場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する

腫瘍内科

リストから選択

追加のエビデンスの有無

有無をリストから選択

提案される医療技術の概要
(200字以内)

既往歴や家族歴から想定される表現型を元にした単独の遺伝性腫瘍症候群原因遺伝子の検索ではなく、複数種類の癌易罹患
性遺伝子を次世代シークエンサー技術により網羅的にスクリーニングする医療技術である。これにより遺伝性腫瘍症候群の
検出率が向上し、癌発症ハイリスク集団に対する層別化した適切な癌予防医療介入が可能となる。

文字数: 154
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

遺伝性腫瘍症候群疑いの癌罹患者

2022年度癌罹患は(国立がん研究センター がん情報サービス)1,019,000人と予測されている。このうち5⁻10%に癌易罹
患性(遺伝性腫瘍症候群)の人が含まれる。遺伝性腫瘍症候群は、癌罹患リスクが高く、若年性、多発・多重癌、家族集積
性の特徴を持ち、一度の癌罹患後も長期的および体系的な医学的リスク管理の対応が必要である。”癌発症ハイリスク”で
ある遺伝性腫瘍症候群の確定診断を行うことは、癌予防および癌早期発見の積極的介入を行うべき対象を選別することであ
り、これらの症候群に応じた適切な介入により、結果として国民の癌死低下および癌医療費削減に繋げることが出来る。

文字数: 282
【評価項目】

①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

遺伝性腫瘍症候群を疑う全ての癌罹患者(検査前予測確率が高い人)

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

各癌の病名診断後に、遺伝カウンセリング等にて既往歴や家族歴などから遺伝性腫瘍症候群を疑う対象の評価を行い、採血
にて実施する。生殖細胞系列の遺伝子の検査を行うため実施回数は生涯で1回である。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号

006

医療技術名

BRCA1/2遺伝子検査、MEN1スクリーニング、RET遺伝子変異解析、先天性網膜芽細胞腫RB1

既存の治療法・検査法等の内容

既往歴や家族歴から各遺伝性疾患を疑う標的臓器罹患者に対し、採血にて施行する。対象となる癌種および解析遺伝子が限
定されている。本医療技術以外の遺伝性腫瘍症候群の遺伝学的検査で保険適応となっているものはない。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

当該技術を一般臨床で行った海外の報告では、乳癌、卵巣癌、大腸癌、子宮体癌、膵癌、皮膚癌の癌罹患者119,665人と、
癌非罹患者40,594人を対象にMGPTを施行した結果、BRCA1/2の検査基準を満たす対象に5.2%のリンチ症状群、リンチ症候群
の検査基準を満たす対象に8.8%のBRCA1/2病的バリアント保持者、いずれの検査基準も満たさない対象に18.8%のBRCA1/2病
的バリアント保持者と12.2%のリンチ症候群の変異保持者がいることが分かり、臨床情報や表現型からは想定出来ない遺伝
性腫瘍症候群の診断がMGPTにより可能となったことが報告されている(参考文献1)。2984人の汎癌罹患者に対し、80遺伝子
のMGPTを行った前向きコホート研究の結果では、8人に1人(13%)が、癌易罹患性遺伝子に病的バリアントを保持してお
り、高浸透率遺伝子が28%を占めていた。更にこのうち28%が遺伝学的検査の情報を基に、外科治療・薬物治療などの治療
方針を変更したと報告されている(参考文献2)。汎癌種30遺伝子MGPTを23,179人に施行した臨床検査会社からの報告では、
全体として11.6%に病的バリアント保持者が検出され、このうち4.4%は2つ、0.1%は3つの病的バリアントを保持していた
結果であった(参考文献3)。これらの結果から遺伝性腫瘍の検査にMGPTを選択することにより、①単独の遺伝子あるいは表
現型に結び付く特定の遺伝子だけを調べる遺伝学的検査では分からなかった中~高リスク遺伝子の病的バリアントの検出、
②既往歴や家族歴からは想定していなかったような遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子の病的バリアントの検出、③2つ以上の
がん易罹患性遺伝子の病的バリアントの検出、が可能となり、全体として病的バリアント検出率が高くなり、その結果、新
たな標的臓器に対するリスク管理や治療選択の指標の選択の機会が増加する。米国では乳癌・卵巣癌罹患者の約90%が
BRCA1/2単独の検査ではなく当該医療技術を用いている(参考文献4)。

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