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提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (110 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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1) 頭部,頸部,胸部,腹部,骨盤部,大腿部,四肢の7部位撮影を個別に繰り返して検査を行う方法に比較して1回で撮影を完了するので医療費
を抑制できるとともに医療資源を効率的に運用できる。
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 2) 造影剤を用いる場合は,複数回投与を避けることができるため,医療費削減と副作用の発症リスクを抑えてより安全な医療を提供できる。
後等のアウトカム
3) 上記は担癌患者の負担を低減するのに有用であるとともに,医療費を抑制し,医療資源の効率的運用を可能にする。
4) 遠隔転移診断,病期診断および再発診断の場合、骨シンチグラフィーやFDG-PET/CTの代用として運用可能であり,医療費を低減できる。
③再評価の根
拠・有効性

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

1) 欧州がん研究治療機構(EORTC)による報告(参考文献 1)
2) 英国国立医療技術評価機構による報告(参考文献 2)
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 3) 非小細胞肺癌のTNM病期診断能におけるPET/CTやCTや骨シンチグラフィーなどによる現
る。)
行ガイドラインに基づく画像検査と比較と診断能向上に関する報告(参考文献 3)
4) 非小細胞肺癌術後再発診断能向上に関する報告(参考文献 4)
5)乳癌骨転移治療における治療効果予測に関する報告(参考文献 5)
・現在の1.5Tおよび3T MR装置は寝台移動装置を有しており,主要医療機器メーカーのMR装置は全身MRI撮像用コイルを有している。また,撮像法
に関しても全身MRIやPET/MRIの普及に伴い,日本磁気共鳴医学会或いは国際磁気共鳴医学会でのワーキングやStudy groupなどにて確立されてお
り,施行が容易になった。
・あわせて,全身MRI撮像用コイルと各種高速撮像法や再構成法の普及により全身MRI検査時間が1時間弱に短縮されたため,PET/CTの撮像時間と
同等になり,施行が容易になった。
・前立腺癌のみならず,肺癌,乳癌,骨髄腫などの様々な悪性腫瘍における遠隔転移診断,臨床TNM病期診断,術後再発診断や治療効果予測にお
ける有用性に関する報告が参考文献以外にも多く発表され,施行している施設が増加している。

見直し前の症例数(人)

456,075人(全国癌登録報告書2017:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000624853.pdfに基づく前立腺癌患者数から推定 )

見直し後の症例数(人)

1,954,786人(全国癌登録報告書2017:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000624853.pdfに基づく全部位悪性腫瘍患者数から推定 )

見直し前の回数(回)

91,215回(年間前立腺癌罹患患者の2割が全身MRIとして施行されたとして比例推測数とした。)

見直し後の回数(回)

1,614,048回(年間骨シンチグラフィーは126,792件,FDG-PET/CTは680,232件と日本アイソトープ協会の調査<
https://www.jrias.or.jp/report/pdf/7th_kakuigakujitaityousa_2013_62_08_08.pdf>から全施設に比例推測数とした。)

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・2004年頃に全身MRIは考案され,装置の進歩や普及とともない,国内外で継続的に様々な悪性腫瘍への適応が試みられてきた。また,日本磁気
共鳴医学会のワーキングや国際磁気共鳴医学会のStudy groupなどにての継続的な研究や標準化が行われている。
・全身MRI撮像用コイルと各種高速撮像法や再構成法により2008年頃よりPET/CTと同等の検査時間で撮像可能であり,臨床現場での撮像が標準化
されつつある。
・撮像においては各悪性腫瘍における検査目的に即した至適撮像プロトコールの作成,信号雑音比,コントラストおよび空間分解能,アーチファ
クト抑制などにおいて専門的な知 識が必要である。あわせて,画像再構成において各部位の画像を接続し,各撮像法の長所および短所や限界を
熟知したうえでの効率的な画像表示および読影が必要であり,様々な部位のMR診断に習熟するとともに,放射線診断専門医による読影が必要であ
る。

・放射線科を標榜している病院
・1.5Tもしくは3T装置を具備する施設。
・画像診断管理加算2或いは3算定施設において、常勤の放射線科診断専門医が3名以上。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 (※注:一般の撮影と異なり、全身MRIにおいては短い撮像時間で撮像を行うため,高い信号雑音比や空間分解能を有する3T MR装置にて撮像する
方が良いが,3T MR装置に比して信号雑音比や空間分解能は低いものの,高いコントラスト分解能を有し,操作が3T MR装置に比して平易な1.5T
制等)
MR装置が3T MR装置に比して広く臨床応用されていることから,1.5T或いは3T MR装置を有する施設を対象とする)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

外保連試案 2022(P420-421) R13 42-6755 悪性腫瘍精査 全身MRI,拡散画像,造影T1強調画像
人的配置の要件
技術度:D 医師(術者含む):1 技師:2 看護師:1 所要時間(分):53分
(医師、看護師等の職種や人数、専門 画像診断を専ら担当する常勤の医師(画像診断管理加算2)
性や経験年数等)

日本磁気共鳴医学会の定める「全身MRI撮像の指針」を遵守する。遠隔転移診断,病期診断および再発診断を目的とし、1.5テスラ以上のMRI装置
を使用して複数の躯幹部用コイルを組み合わせ、頭部から下肢まで少なくとも5部位に分けて撮像した場合に算定する。骨転移の診断目的で全身
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の MRI撮影、シンチグラム、SPECT、FDG-PET、FDG-PET/CTを行う場合は3月以内は同時算定できない。
*夜間・休日に読影を行う体制、*核医学診断・CT・MRIの検査前画像診断管理(夜間・休日を除く)*適切な被ばく線量管理(骨シンチグラフィ、
要件)
FDG-PET、FDG-PET/CTの線量情報)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

通常のMR検査と同等である。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

特に問題はない。

⑧点数等見直し
の場合

見直し前
見直し後
その根拠

600点
600点(変更なし)
現行の全身MRI撮影加算の適応拡大の為、増点はない

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)



番号

100 101-2 101-3

技術名

シンチグラム

具体的な内容

全身用コイルと寝台移動を併用して,通常,全脊椎を含めて頭部,頸部,胸部,腹部,骨盤部,大腿部,四肢の複数の部位を1回の検査で撮像す
る。従って,通常のMRI検査よりも検査時間が長くかかることから,昨年度改定で認められた全身MRI加算をすべての悪性腫瘍に適応拡大すること
が必要と考える。骨シンチやFDG-PET・FDG-PET/CTの代用が可能となり悪性腫瘍の転移検索などに関する検査費用の抑制にもつながる。

ポジトロン断層撮影

ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影

減(-)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

7,881,950,000円

その根拠

当該技術はシンチグラム、FDG-PET、FDG-PET/CTの代用となりうる。令和3年社会医療診療行為別統計から、年間の件数はそれぞれシンチグラ
フィーは約220,000件、FDG-PETは約84,000件、FDG-PET/CTは約375,000件であり、
①シンチグラフィー:220,000件×2,200点→4,840,000,000円 ②FDG-PET:84,000件×7,500点→6,300,000,000円 ③FDG-PET/CT:375,000件×
8,625点→32,343,750,000円の医療費となっている。このうち20%が当該技術に代用できると思われるので、(①+②+③)×20%は、④
8,696,750,000円の医療費が該当する。当該希望点数においては、600点×679,000件×20%→⑤814,800,000円が当該技術の医消費コストとなるこ
とから、④-⑤=7,881,950,000円の医療費削減となる。

備考

なし

1911