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提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (134 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

328206

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

小児全身(拡散強調画像)MRI撮像加算
日本磁気共鳴医学会
28放射線科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

22小児科

小児外科、小児整形外科、小児血液腫瘍科

38その他(診療科名を右の空欄に記載する。)

小児脳神経外科、小児感染免疫科、小児泌尿器科

関連する診療科(2つまで)

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無

「実績あり」の
場合、右欄も記
載する



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)

令和4年度

提案当時の医療技術名

小児全身MRI撮像加算

追加のエビデンスの有無



診療報酬区分
診療報酬番号

再評価区分(複数選択可)


E202
1-A

算定要件の見直し(適応)

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

該当する場合、リストから○を選択

1-C

算定要件の見直し(回数制限)

該当する場合、リストから○を選択

2-A

点数の見直し(増点)

該当する場合、リストから○を選択

2-B

点数の見直し(減点)

文字数: 98

再評価が必要な理由



該当する場合、リストから○を選択



項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6
提案される医療技術の概要(200字以内)

注9

その他」を選んだ場合、右欄に記載

全身の拡散強調像を一度に評価する撮像法。複数のコイルを組み合わせ、胸部~骨盤部を、少なくとも2部位に分けて撮像する。撮像は、拡散強
調画像を必須とし、T2強調画像、STIR画像なども同時に施行する。
悪性腫瘍や広がりが不明な炎症の評価ではCT撮影やシンチグラムなど被ばくを伴う検査で全身を検索する場合が現在一般的である。しかしなが
ら、小児では被ばくの問題があり、本来であれば、全身をMRIで評価することが望ましい。鎮静下に複数部位の精査を同時に行う場合には小児鎮
静下MRI加算があるが、MRIの特性からは全身を評価するには至らない。これに対して、拡散強調画像を中心に全身のMRI(以下全身MRI)を撮影す
ることにより、全身のスクリーニングを行う事が可能となりつつある。※今回新たなエビデンスとして、米国放射線医学会で適切性基準の中で、
骨髄炎など一部の疾患に対して、小児での全身MRIでの評価を追加する事により、想定外の部位での異常所見を検出できるとしてCTやシンチグラ
ムより適切との基準を2021年に公開した(文献1)。※さらに個別の悪性腫瘍ではなく、悪性腫瘍全体でみても全身MRIの感度、特異度が検討さ
れ、高い感度、特異度が示された(文献2)。
特に患児ががん素因を有する場合には二次発がんのリスクがあり、積極的なサーベイランスが推奨されている。全身MRI撮影は複数回の撮像で
はなく、一度の撮像で全身をスクリーニングする手法であり、近年、CT撮影やシンチグラムなどと同様の成績が示されるようになってきている。
被ばく低減を目的として、一部の施設では撮影されているものの、撮像時間は延長するためインセンティブが望まれる。(※は新しいエビデンス
に対して付した)

【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):73,208円
外保連試案2022掲載ページ:416-417
外保連試案ID(連番):R11-42-6354
技術度:C 医師(術者含む):1 技師:2 看護師:1 その他:0 所要時間(分):53分
------------------------------------------------------------------(ここまで)
小児における全身MRI撮影は被ばくがなく、全身を検索できるため、比較的体格の小さい小児において有力な検索法である(文献1)。近年、そ
の精度は向上し(文献2)、CT撮影やシンチグラムなど被ばくをともなう検査と同程度の良好な成績が報告されている(文献3)。ヨーロッパ小児
放射線学会はその有用性に注目し、勧告を行っている(文献4)。その一方で、わが国では十分に活用されていない。MRI撮影ではCT撮影よりもか
なり検査時間が長いわりに保険点数ではほぼ同程度にしか評価されておらず、全身MRI撮影ではさらに検査時間が延長することが要因の一つとし
て考えられる。一部の施設では全身MRIが撮影されているものの、撮像時間は延長するためインセンティブが望まれる。
小児がんの罹患数は年間約3000人程度であり、いずれも稀な疾患である。腫瘍の進展部位の把握のため、全身の画像診断が必要である。また、
小児での炎症性疾患でも全身性の病態が混在しており、特に年齢が小さい場合には全身の評価が必要となる場合も少なくない。一方で、小児では
被ばくの感受性は高く、CTの安易な撮影は社会的な問題となっている。全身MRI撮影のより積極的な活用が望まれる。
さらに小児がんの一部では背景として患児自身のがん素因があり、ゲノム解析を行うとp53などの遺伝子変異が10%弱で見つかることが知られて
いる(N Engl J Med 2015 Dec 10;373(24):2336-2346)。TP53病的バリエントを有するリー・フラウメニ症候群では、生涯がんを発症する確率は高
く、男性で約75%、女性でほぼ100%とされ、このため、ガイドラインにて年1回の全身MRIを推奨している(文献5)。がんに関するゲノム解析が推
進され、このような二次がんの危険性を有する診断例が増加する一方で、サーベイランスは現在各医療機関が自主的に行っている状態である。二
次がんの発症の可能性が高い場合にヨード造影剤も使用せず、被ばくもない全身MRIを積極的に撮影できるように保険点数上の加算が望まれる。

②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

E202 注9 全身MRI撮影加算 対象患者:前立腺がん 点数:600点
関係学会の定める指針に従って、前立腺がんの骨転移の診断を目的とし、1.5テスラ以上のMRIを使用して複数の躯幹部用コイルを組み合わせ、
頸部から骨盤部を少なくとも3部位に分けて撮像する。
画像診断管理加算2、3 画像診断を専ら担当する常勤の医師が3名以上 検査前の画像診断管理体制 骨シンチグラフィの被ばく線量管理


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

E202

注9

医療技術名

全身MRI撮影加算

小児

1)多臓器への広がりが疑われる場合やサーベイランスでは、全身MRIは1回で撮影を完了するので、患児の負担を低減するのに有用である。CT撮
影やシンチグラムと比較して同等以上の成績が示されている。(文献2、3)
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 2)CT撮影やシンチグラムと比較して、被ばくがないため、小児で有用であり、ヨーロッパ小児放射線学会での勧告が近年示された。(文献4)。
後等のアウトカム
3)がん素因を有する患児の場合にはガイドラインにのっとり、サーベイランスを行うことが可能である。全身MRI撮影でのがん検出率は高く、観
察期間に比例して増加することが示唆されている(文献5)

③再評価の根
拠・有効性

ガイドライン等での位置づけ

全身MRI撮影についてのアメリカ放射線学会での推奨度評価(文献1)、ヨーロッパ小児放
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 射線学会の勧告(文献4)
る。)
リー・フラウメニ症候群ではガイドラインにて年1回の全身MRI撮影を推奨している(文献
5)。

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