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提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (41 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

324202

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

子宮付属器腫瘍切除術(腹腔鏡下)
日本産科婦人科学会
25産婦人科・産科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

31麻酔科
関連する診療科(2つまで)
34病理診断科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する

令和4年度

提案当時の医療技術名

予防的卵巣卵管切除術

追加のエビデンスの有無



診療報酬区分



診療報酬番号

888 2

再評価区分(複数選択可)

1-A

算定要件の見直し(適応)

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

該当する場合、リストから○を選択

1-C

算定要件の見直し(回数制限)

該当する場合、リストから○を選択

2-A

点数の見直し(増点)

該当する場合、リストから○を選択

2-B

点数の見直し(減点)

該当する場合、リストから○を選択



項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6

提案される医療技術の概要(200字以内)



その他」を選んだ場合、右欄に記載

BRCA1/2遺伝子変異を保持する遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の患者において、乳癌既発症者に対してのみ予防的卵巣卵管切除術である子宮付属
器腫瘍切除術(腹腔鏡下)が保険収載されている。HBOCと診断された女性に対しては、乳癌既発症者に限定せず、予防的卵巣卵管切除術を保険診
療で施行する。

文字数: 145

再評価が必要な理由

BRCA病的変異を保持するHBOCの患者において、生涯における卵巣癌発症リスクは約20~50%となる。卵巣癌は進行してから発見されることが多く5
年生存率は4割程度にとどまる。HBOC患者に対する卵巣癌発症の予防は、HBOCの女性は出産が終了または妊孕性温存の希望がなくなった時点で、
予防的卵巣卵管切除術を施行することが唯一エビデンスがあるがん死低減策である。予防的卵巣卵管切除術は卵巣癌発症予防、卵巣癌・卵管癌に
よるがん死低減効果のみならず全がん死低減に関して強いエビデンスがある。HBOC診療の手引き(2021)(文献1)では、婦人科腫瘍を専門とする
医師が臨床遺伝専門医などの遺伝の専門家と連携して予防的卵巣卵管切除術を行うことが推奨されている。卵巣癌発症のリスクは乳癌既発症者も
未発症も同等のため、BRCA病的変異保持者で乳癌既発症者に限り予防的卵巣卵管切除術の保険収載が認められている状況は不合理であり、HBOC女
性の乳癌未発症者への予防的卵巣卵管切除術の拡大が必要である。

【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):549,308円(腹腔鏡)
外保連試案2022掲載ページ:260-261
外保連試案ID(連番):S92-0312200(腹腔鏡)
技術度(腹腔鏡):D 医師(術者含む):4 看護師:2 その他:0 所要時間(分):120
------------------------------------------------------------------(ここまで)
HBOC症例における予防的卵巣卵管切除術は、BRCA病的バリアント保持者を対象としたメタアナリシスで、予防的卵巣卵管切除術後の卵巣癌の発症
リスクは79% 減少することが示された(文献2)。さらにBRCA病的バリアント保持者の乳癌リスクを減少させることが報告されており、その減少効
果は51%と報告されている(文献2)。もっとも重要であるのは全がん死低減効果が確実であることである(文献3)。このように強いエビデンスを
持つ予防的卵巣卵管切除術であるが、BRCA病的バリアント変異保持者で乳癌発症者に限り、予防的卵巣卵管切除術の保険収載が認められている。
HBOC患者における卵巣癌発症のリスクは乳癌既発症者も未発症も同等のため、HBOC女性の未発症者への予防的卵巣卵管切除術の拡大が必要であ
る。

現在の予防的卵巣卵管切除術は、BRCA病的バリアントをもつ遺伝性乳癌卵巣癌患者で、かつ乳癌既発症者に限り保険収載されている。予防的卵巣
卵管切は子宮附属器腫瘍手術(K888 2)として、令和2年度診療報酬改定時に保険収載された。今回の再評価では適応拡大のため、点数の変更はな
い。


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

888 2

医療技術名

子宮附属器腫瘍摘出術(両側)腹腔鏡によるもの
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 卵巣癌の発症率は79%、乳癌発症は51%低減。全死亡率は60%低減する(文献2,3)
後等のアウトカム

③再評価の根
拠・有効性

1842