提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (120 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
見直し前の症例数(人)
2,000人
見直し後の症例数(人)
9,000人
見直し前の回数(回)
2,000回
見直し後の回数(回)
9,000回
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
現在本邦にはウィルス性肝炎患者が約300万人存在する。また自己免疫性疾患やアルコール性、肥満を背景とした生活習慣病に起因する慢性肝疾
患患者は約4,000万人存在するといわれている。このうち慢性肝疾患全般を対象としている超音波エラストグラフィは年間約70,000件施行されて
いる(3ヶ月に1回)。現段階ではMRエラストグラフィ装置を保有する国内の施設は60施設以上であるが、このうち関連学会の定める施設基準を満
たしている施設は約半数の32施設(2023年3月現在)である。以上より、肝エラストグラフィ撮影加算が慢性肝疾患全般に適応されれば、将来的
に関連学会の定める施設基準を満たした施設での検査件数は最大約9,000件程度になると予想される。
本技術は日本磁気共鳴医学会によって撮像・管理指針が定められ精度管理がなされている。本技術の難易度については超音波エラストグラフィと
比較して手技施行者の技術の差に影響されにくいことから、より客観性のある結果を得ることができる。さらに読影医や放射線技師向けのハンド
ブックも出版されており、汎用性が高い技術である。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 画像診断管理加算(2)以上の算定施設、MRI装置1.5テスラ以上
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 放射線診断専門医
性や経験年数等)
1名以上(画像診断管理加算(2)以上に含まれる)。放射線技師2名以上、看護師1名以上。
その他
肝MRエラストグラフィ撮像・管理指針(日本医学放射線学会、日本磁気共鳴医学会)を遵守すること、臨床MRI安全運用のための指針(日本医学
(遵守すべきガイドライン等その他の 放射線学会、日本磁気共鳴医学会)を遵守すること(画像診断管理加算(2)以上に含まれる)
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
本技術による副作用、合併症の報告はない。通常のMRIと同様で、本技術は放射線被曝がなく、造影剤不要の非侵襲的な手法である。さらに、経
皮的針生検法で問題となる出血リスクのある症例においても安全に施行可能である。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
特に問題はない。
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
その根拠
該当なし
該当なし
該当なし
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
D
番号
技術名
412
経皮的針生検法
具体的な内容
経皮的針生検法(肝生検)は現在最終的な肝線維化の診断に用いられる検査である。ただし侵襲性のある検査であり出血リスクがあること、肝全
体の評価が困難なこと、術者の技量に少なからず影響される手技であること、検査に際して入院が必要になることが多いなどの理由により、肝生
検と同等の肝線維化診断能をもち、かつ非侵襲的なMRエラストグラフィに代替可能である。
減(-)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
1,212,400,000
その根拠
見直し後の本技術の件数は年間で9,000件と予想されており、現状よりも7,000件増加する予想である。この7,000人分の経皮的針生検法(肝生
検)に伴う年間医療費は、経皮的針生検法の手技料+入院費で1回あたり約200,000円とすると、経皮的針生検法に伴う年間医療費は 200,000×
7,000 = 1,400,000,000 円となる。肝線維化診断を経皮的針生検法ではなく、MRエラストグラフィに変更すると1回6,000円 (600点)で入院も不
要であり、腹部MRIの検査料(2,080点:1.5テスラMRI撮影料 1,330点 + 電子画像管理加算 120点 + 診断料 450点 + 画像診断管理加算(2)
180点)に加えると1回あたりのMRエラストグラフィの医療費は 26,800円となるため、MRエラストグラフィの年間医療費増加分が 187,600,000 円
と算出される。よって、削減できる医療費は 1,400,000,000 - 187,600,000 = 1,212,400,000 円となる。
備考
なし
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
特になし
⑫その他
特になし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
特になし
⑭参考文献1
1)名称
第3章. 3.画像診断. ②MRI検査による肝測定
2)著者
日本肝臓学会
3)雑誌名、年、月、号、ページ
慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2019. 2019年、p62.
4)概要
肝MRエラストグラフィによる肝弾性度測定は客観性に優れており、肝線維化診断の信頼性も高い。
編
1921