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提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (94 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

328102
先進画像加算:肝細胞特異性造影剤を用いた肝悪性腫瘍MR
日本磁気共鳴医学会
28放射線科
04消化器内科

関連する診療科(2つまで)
18消化器外科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医療
技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する

令和4年度
先進画像加算:肝細胞特異性造影剤を用いた肝悪性腫瘍MR

追加のエビデンスの有無



提案される医療技術の概要
(200字以内)

本技術は1.5テスラ以上のMRI装置で肝細胞特異性造影剤の投与後に上腹部のMRI撮像を行う手法である。通常のMRI撮像(T1強
調像、T2強調像、拡散強調像など)に加えて、肝細胞特異性造影剤投与後にT1強調像を多時相撮像することで、血流情報を取
得し、かつ肝細胞の機能を反映した画像も得ることができる。画像診断ガイドラインや肝癌診療ガイドラインにおいても肝悪
性腫瘍の診断に強く推奨されている手法である。

文字数: 199
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

原発性肝癌、転移性肝癌
原発性肝癌、転移性肝癌ともに正確に病変を検出することが適切な治療選択につながる。原発性肝癌のうち、特に早期肝細胞
癌においては本技術が最も診断能の高い検査である。また、肝癌診療ガイドライン2017年版補訂版では肝癌発症リスクの高い
症例のサーベイランスに本技術が推奨されている。一方、転移性肝癌の検出においても画像診断ガイドライン2016年版では本
技術のみが推奨度Aであり、最も推奨されている検査である。ただし、本技術によって得られた画像の読影には一般的な画像
検査に比べて高い専門性を必要とすることから先進画像加算としての保険収載が必要と考えられる。

文字数: 273
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

原発性肝癌、転移性肝癌が疑われる症例、およびそれらの発症リスクが高い症例

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

本技術は1.5テスラ以上のMRI装置で肝細胞特異性造影剤の投与後に上腹部のMRI撮像を行う手法である。通常のMRI撮像(T1強
調像、T2強調像、拡散強調像など)に加えて、肝細胞特異性造影剤投与後にT1強調像を多時相撮像することで、血流情報を取
得し、かつ肝細胞の機能を反映した画像も得ることができる。
原発性肝癌のスクリーニング、6ヶ月-1年ごとのサーベイランス(高リスク群では3-6ヶ月ごと)、転移性肝癌のスクリーニン
グや治療前評価、薬物療法による治療効果判定などに本技術を施行する。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号
医療技術名

200、101-2、101-3、
コンピュータ断層撮影(CT撮影)、ポジトロン断層撮影、ポジトロン断層・コンピュータ断層複合撮影

既存の治療法・検査法等の内容

非イオン性ヨード造影剤を用いたCT撮影では単純撮影と多時相撮影(dynamic CT)が推奨されている手法である。超音波検査
とともに原発性肝癌の診断、スクリーニング、サーベイランスに用いられている。また転移性肝癌においてもdynamic CTは推
奨されている手法であるが、画像診断ガイドライン2016年版では推奨度Bである。一方、FDG-PETないしFDG-PET/CTは原発性肝
癌、転移性肝癌ともに保険適用になっているが、画像診断ガイドライン2016年版において原発性肝癌には推奨の記載がなく肝
外の転移検索に推奨されており、転移性肝癌には推奨度C1という弱い推奨である。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

研究結果

原発性肝癌の診断において、EOB造影MRIは造影CT (dynamic CT) 、超音波検査、FDG-PETないしFDG-PET/CTと比較して、早期
肝細胞癌の検出に特に優れており、肝細胞癌を早期のうちに検出することにより、予後が改善される。
転移性肝癌の診断において、EOB造影MRIは他の検査と比較して最も診断能が高い。EOB造影MRIで肝転移を診断することによ
り、適切な治療選択が可能となり、結果的に予後を改善することが可能である。
また、EOB造影MRIの検査時間はFDG-PETもしくはFDG-PET/CTの検査に関わる時間と比較すると短い。
原発性肝癌の診断において、EOB造影MRIは他の検査と比較して診断能が高く(文献 1,2)、画像診断ガイドライン2016年版、肝
癌診療ガイドライン2017年補訂版において dynamic CT、超音波検査とともに強く推奨されている。
EOB造影MRIで肝細胞癌を診断することによって早期より治療することができるため、結果的に医療費を削減することができる
(文献 3)。
転移性肝癌の診断において、EOB造影MRIは他の検査と比較して最も診断能が高く(文献 4,5)、画像診断ガイドライン2016年版
では最も高い推奨度(推奨度A)となっている。
1a

ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性

年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)

※患者数及び実施回数の推定根拠等

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
91,000人
54,600回

画像診断ガイドライン2021年版、肝癌診療ガイドライン2021年版

社会医療診療行為別調査および厚生労働省 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会・DPC導入の影響評価に関する調査結果よ
り、対象となる肝臓悪性腫瘍(原発性肝がん、大腸がん肝転移等)手術施行患者数は年間約91,000件である。また、現行では
その60%以上に術前検査として造影MRI検査が施行されている。その造影MRIを全てEOB造影MRIとして計算すると、 91,000×
0.6=54,600件が肝悪性腫瘍の術前検査としてEOB造影MRIが施行されているものと推測される。

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