提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (31 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
324101
子宮悪性腫瘍手術(広汎切除)(ロボット支援)
日本産科婦人科学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
25産婦人科・産科
00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
令和4年度
子宮悪性腫瘍手術(広汎切除)(ロボット支援)
追加のエビデンスの有無
有
提案される医療技術の概要
(200字以内)
ロボット支援下手術は3次元視野と高い自由度を有する鉗子を用いることによって繊細で正確な手術操作を可能にする。本
申請技術は、深部の大血管周囲において繊細な操作が要求される、早期子宮頸がんに対する広汎子宮全摘出術において、ロ
ボット支援下にこれを行うことによって、術中・術後合併症を回避し、術後の早期離床・退院と社会復帰を可能にするもの
である。
文字数: 169
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
子宮頸がん
ロボット支援下手術は海外では産婦人科領域で多く使用され、米国では子宮悪性腫瘍手術の約8割がロボット支援下で行わ
れており、開腹手術に比べて合併症を有意に減少しうるとのエビデンスが確立されている。早期子宮頸がんに対する広汎子
宮全摘出術は、現在、開腹および腹腔鏡下の手術が保険収載されているが、ロボット支援下での本術式は2016年-2020年に
かけ先進医療Bとして実施され、良好な結果が示された。本技術は術後の早期離床・退院と社会復帰が可能であり、総医療
費もより安価であることも示されている。日本において患者が世界標準の本術式を受けられるようにするためにも保険収載
が必須である。
文字数: 286
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
広汎子宮全摘出術の適応となる早期子宮頸がんのうち、ロボット支援下手術の適応となるもの(ガイドライン等で定めた基
準による)。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
腹部に4-5か所のポートを配置し手術支援ロボットを用いて、広汎子宮全摘術を行う。術後、3日程度での退院が可能と考え
られる(開腹術では約10日)。
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
K
番号
医療技術名
879, 879-2
子宮悪性腫瘍手術, 腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術
既存の治療法・検査法等の内容
開腹下あるいは腹腔鏡下に広汎子宮全摘出術を行うものである(術式は問わない)。
現状;現在、子宮頸がんに対する広汎子宮全摘出術は開腹および腹腔鏡のみが保険適用である。腹腔鏡下広汎子宮全摘出術
に関しては、日本産科婦人科学会の指針に従いIB期に対してのみ施行されている。
開腹術との比較;欧米では子宮悪性腫瘍に対する標準根治術はロボット支援下手術になりつつあり、開腹での根治術は、侵
襲性、合併症、医療経済的な観点から劣位になっている。欧米の多くの報告では、子宮悪性腫瘍に対するロボット支援下手
術は開腹術や腹腔鏡手術に比べて優れているという結果が示されている。わが国では2016-2020にロボット支援下広汎子宮
全摘出術の低侵襲性・安全性を検証する単アーム試験が、先進医療Bとして施行された。その解析結果から、開腹術の歴史
的コントロールと比較して、低侵襲性・安全性は統計学的に有意に優れており、適応となるIB期症例における3年予後も同
等であることが示された。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
腹腔鏡下手術との比較;腹腔鏡下子宮頸がん手術(広汎子宮全摘出術)はわが国では2018年に保険収載されたが、技術的に
困難であることから普及は進んでいない。これに対してロボット支援下手術は、視認性の良さ、安定した操作性から、比較
的安全に導入可能と考えられる。ロボット支援下広汎子宮全摘出術に対する大規模なRCTの結果はないが、スウェーデンの
全国コホート研究を含むいくつかの報告やシステマティックレビューにおいて、開腹術と予後に差がないことが示されてい
る。上述の先進医療Bの臨床試験は、腹腔鏡との直接比較をおこなったものではないが、解析結果からは、対象となる<1B2
症例においては、過去の日本における腹腔鏡下広汎子宮全摘出術の成績と比較して、同等かやや良好なものであることが示
唆された。
ロボット支援下手術の優位性;優れた低侵襲性により、入院期間が大幅に短縮し、合併症も減ることから、総医療費はロ
ボット支援下手術のほうが開腹術よりも少ないという報告が多い。現在、国産手術支援ロボットを含め、複数の手術支援ロ
ボットの導入が進んであり、そのコストが大幅に下げられる可能性を考えると、近い将来にロボット支援下手術は費用面で
も開腹術より優れ、腹腔鏡手術と同等になると考えられる。安全性や予後に関する国内外のデータを考慮しても、開腹や腹
腔鏡下の広汎子宮全摘出術よりも総合的に優れたロボット支援下手術は、保険適応によって日本の対象患者に標準的に施行
すべき技術と考えられる。
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