提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (113 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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図1. 全身MRI撮像用コイル
頭部,頚胸部,腹部・骨盤部
および四肢用コイルを装着し,
寝台移動を行いながら5-7部
位を撮像し,PET/CTよりも撮
像範囲が広く,骨シンチグラ
フィーと同様に全身撮像を行
う。
図2 全身MRIとシンチグラフィー比
較画像
画像は、エストロゲン受容体陽性、
ヒト上皮成長因子受容体 2 陰性の
グレード 1 浸潤性乳管癌の 59 歳
の女性の骨進行部位の描写にお
ける全身 MRI、CT、および骨シン
チグラフィーの違いを示しています。
この患者は、転移性乳癌に対する
全身抗癌剤の三次治療としてフル
ベストラントを投与されていました。
ベースライン イメージングは 2016
年 8 月に実施されました (時点 1
[TP1])。 反応評価イメージングは
2017 年 3 月に実施されました (時
点 2 [TP2])。
全身 MRI で得られたコロナリーの
MIP画像は、複数の骨部位 (矢印)
で進行性疾患 (PD) を示しています。
これらの部位での進行は、骨シン
チグラフィー (BS) (前方平面図) で
得られたスキャンでは明らかでは
ありません。
PD は、b 値が 900 秒/mm2 (b900)
の仙骨から得られたアキシャル
MRI スキャンでも明らかです。
仙骨を通るアキシャル CT 画像の
石灰化の変化は、PD の基準を満
たしていません。
【検査の概要】
• 近年、広範囲対応の全身MRI撮像用コイル(図1)がj臨床現場で使用可能となり,普及した。
• 非侵襲的に悪性腫瘍の全身MRIとしてT2強調像,非造影および造影T1強調像やSTIR画像と合わせて
拡散強調像を撮像することが可能になり,癌の広がり診断を可能とする拡散強調画像とT2強調画像、T
1強調画像、 STIR画像を同コイルで施行可能になった。
• 悪性腫瘍の転移検索,TNM病期診断,術後再発診断や保存的治療効果判定を目的に検査を行い,1
回の検査で複数のMRI検査にて入手可能な情報を診断できるのみならず,骨シンチグラフィーやFDGPET/CTに比して同等或いは有意に高い診断能を有して画像診断を行うことが可能である(図2)。
【検査方法】
• 全身撮像用コイルを使用最大7部位までの複数部位を寝台移動をさせながら多段面撮像する。
• 悪性腫瘍の全身MRIとしてT2強調像,非造影および造影T1強調像やSTIR画像と合わせて拡散強調像
を撮像するため,検査時間は撮像部位数に応じて変化するものの,20-40分で検査を行い,各種後処
理や画像処理(画像融合)などを行って読影を行うことから読影にも技術度D20分を要する。
【検査比較】
• 悪性腫瘍の骨転移検索や治療効果予測目的の骨シンチグラフィーやTNM病期評価目的のPET/CTな
どとに比較
➢ 欧州がん研究治療機構(EORTC)では、骨シンチは治療効果判定に不適1)。
➢ 国際骨髄腫ワーキンググループおよび英国国立医療技術評価機構による報告では
➢ 骨髄腫の診断および治療効果判定には全身MRIはfirst lineで施行2)。
➢ 乳癌骨転移の治療効果予測において骨シンチグラフィーよりも有用である5)。
1)
2)
3)
Lecouvet FE, et al. Eur J Cancer, 2014, Oct, 50(15):2519-2531.
Messiou C, et al. Radiology, 2019, Apr, 291(1), 5-13.
Kosmin M, et al. Radiology, 2020, Dec, 297(3), 622-629.
【有効性および診療報酬上の取扱】
• PET/CTでは困難な糖尿病患者に対しても評価可能。
• 費用対効果が高い。
➢ 当該技術は骨シンチグラフィー、FDG-PET、FDG-PET/CTの代用となりうるので、各所定点数の平
均点の600点で算定した場合,令和元年 社会医療診療行為別統計からシンチグラフィーは約26.5
万件,FDG-PET、FDG-PET/CTは約50万件のうち20%の約15.3万件が当該技術に代用されると
試算すると,約2.9千万円の医療費の抑制につながる。
➢ 現状の全身MRI撮影加算と同点数の600点を要望する。
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