提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (158 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
330103
鼻副鼻腔悪性腫瘍手術(経鼻内視鏡下)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
27耳鼻咽喉科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
リストから選択
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
追加のエビデンスの有無
有無をリストから選択
提案される医療技術の概要
(200字以内)
副鼻腔炎などの疾患に対しての鼻副鼻腔手術に用いられる内視鏡システムを使用し、鼻副鼻腔内に発生した悪性腫瘍を切除す
る術式である。従来より顔面や頭部の皮膚を切開して切除されて来た鼻副鼻腔悪性腫瘍手術を経鼻内視鏡下に根治切除する術
式提案である。2022年度に保険収載された鼻副鼻腔悪性腫瘍手術(経鼻内視鏡下、頭蓋底郭清、再建)とは異なり、頭蓋底浸
潤のない腫瘍に対する手術術式となる。
文字数: 188
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
鼻副鼻腔悪性腫瘍
鼻副鼻腔に発生した悪性腫瘍に対しては、顔面や頭部の皮膚切開により腫瘍の一塊切除が行われて来た。本術式は、経鼻内視
鏡下手術が有する切除の精度、すなわち腫瘍の粘膜浸潤範囲を解像度の高い内視鏡の特性を活かして正確に判断し、十分な安
全域を確保することで腫瘍の根治切除を目指すものである。実際に、外切開による腫瘍切除よりも切除断端の陽性率が低いこ
とも確認できている。また、顔面皮膚の切開も要さないことから、出血量も少なく整容的にも優れた低侵襲手術と言える。多
大なメリットを患者に提供できる術式である。
文字数: 245
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
鼻副鼻腔に発生した悪性腫瘍症例(特に、鼻腔および篩骨洞に発生した扁平上皮癌、嗅神経芽細胞腫、悪性黒色腫、腺様嚢胞
癌など)
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
本術式は、経鼻内視鏡下手術が有する切除の精度、すなわち腫瘍の粘膜浸潤範囲を解像度の高い内視鏡の特性を活かして正確
に判断し、十分な安全域を確保することで腫瘍の根治切除を目指すものである。適応となる腫瘍の占拠部位としては、鼻腔お
よび篩骨洞に発生した悪性腫瘍に高い効果を発揮する。外切開による腫瘍切除よりも切除断端の陽性率が低いことも確認でき
ている。
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
K
番号
医療技術名
343 1および343 2
鼻副鼻腔悪性腫瘍手術
既存の治療法・検査法等の内容
鼻副鼻腔内に発生した悪性腫瘍に対して頭部および顔面皮膚を切開した後に、肉眼的に画像から想定した切除範囲をハサミや
ノミを用いて一塊に切除する。切除断端を迅速病理にて安全域が確保できたかを確認する。切除後には、顔面や頭部皮膚を縫
合し、鼻内には止血用ガーゼをパッキングして終刀とする。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
研究結果
切除および全摘
外切開による手術と比較し、顔面の皮膚切開を要さないため、整容的に優れ、手術時間も短い。更に、出血しやすい鼻粘膜の
切開には電気メスを用いるため、出血量も少なく済む。更に、内視鏡の精度により、腫瘍の伸展範囲が正確に判断できるた
め、切除断端の陽性率が低く、局所のコントロールも良好である。高齢の患者にも適応でき、入院期間も短く、医療経済的に
も優れている。
系統的レビューにより鼻副鼻腔悪性腫瘍に対する内視鏡下手術の治療成績を検討した結果からは、局所制御率および生存率は
外切開手術に遜色なく、更にいくつかの報告では外切開手術以上の良好な治療成績であったことが示されている。(下記参考
文献1および2)
70歳以上の高齢者(203名)と70歳未満の患者(397名)を対象として内視鏡下前頭蓋底手術のアウトカムを比較した結果で
は、全生存率、疾患特異的生存率および無再発生存率とも両者に有意な差を認めず、また術後の合併症においても両者に有意
な差を認めなかったことが報告されている。この治療成績は文献的に見ると70歳以上に施行された開頭手術成績と比較すると
有意に良好であるとしている。(下記参考文献3)更に各論として、鼻副鼻腔に発生した扁平上皮癌および非扁平上皮癌症例
およそ1,500例についてのデータベース解析から、経鼻内視鏡下手術は、外切開手術と比較して合併症が少ないこと、入院期
間を短縮できること、そして生存率については差がなく非劣性を示している。(下記参考文献4および5)
2a
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)
※患者数及び実施回数の推定根拠等
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の
改訂の見込み等を記載する。)
200
200
●患者数;全国集計については2019年に日本頭頸部癌学会により頭頸部悪性腫瘍全国登録の報告書が公開されている。本報告
書では、全頭頸部悪性腫瘍13,658例のうち、鼻副鼻腔癌(上顎洞を除く)が504例を占めており、そのうち経鼻内視鏡下手術
の切除対象領域となる鼻腔および篩骨洞に発生した悪性腫瘍は397例である。そのうち手術を施行した症例が154例存在し、外
切開が90例、内視鏡下手術が64例であるが、今後、経鼻内視鏡下手術の適応範囲が拡大されることで、症例数は150-200例と
推測する。
1959